1.日時 :平成9年1月14日(火) 14時00分~16時00分 2.場所 :合同庁舎四号館 第二特別会議室 3.議題 :「市場仲介者」について(一般討議) 4.議事内容 まず、事務局より「市場仲介者(高い付加価値を持った多様な資金運用サービス等の 提供)」の検討参考資料の説明がなされ、当説明をもとに委員による一般討議がなされ た。一般討議の具体的な内容は以下のとおり。 なお、今後、論点整理の各項目についての議論を深めるべく、「論点整理」の具体的 改革の3つの類型(1.投資対象、2.市場、3.市場仲介者)毎に設置されたワーキ ング・パーティーで議論が進められる。 ○手数料自由化については、証券市場改革の全体の枠組みの中で、慎重に検討・実施さ れるべき。 ○委託手数料自由化については、ソフトランディングの観点から、ある程度の時間をお いて、最終の自由化時点を設定してほしい。また、それぞれの改革について、整合性 をとって進めてほしい。 ○手数料完全自由化の時期については、法改正を伴う枠組みの整備に要する時間と証券 会社の経営体質の改善のための期間を考えて慎重に検討されるべき。コスト論からい うと手数料自由化と同時に有取税の撤廃も必要。 ○手数料自由化と業務の自由化とのコンビネーションの在り方を真剣に検討すべき。 ○手数料を自由化した際には、仲介業者がリスクをとって収益を上げる必要に迫られる ファイナンシャル・エンジニアリングを自由に駆使できることが必要。 ○ラップアカウントは営業特金と同様、固定手数料商品と言えるのではないか。手数料 自由化を議論しながら、固定手数料商品を認めよというアピールは筋違いではないか ○ラップアカウントは固定手数料商品であると果して言えるのか。総合的サービスの手 数料を米国の実務では預かり資産の何パーセントとしているが、それは各社の判断で あり、固定されているわけではないのではないか。 ○業務の多角化について、公正な市場のためには不公正取引ルールを明確化すればよい フロントランニング、インサイダー問題などは明確なルールが必要だが、あくまでも 不公正取引ルールとして作ればよい。免許の条件等において、自由度を制限する必要 はない。業者の財務健全性は、自己資本規制一本で良い。オフバランスのディスクロ ージャー等は必要。 ○業務の多角化に関連し、有価証券に当たらないから常に兼業承認が要るという硬直性 は改めるべき。 ○持株会社は取り入れるべき。利益相反の防止等は、不公正ルールの明確化で対応すれ ばよい。親子間の問題は、事業会社との関係についてはアームスレングス・ルールで 十分。 ○持株会社について、銀行持株会社と証券持株会社をひとくくりに金融持株会社として 扱うのは疑問。 ○持株会社については、その監督についてよく考える必要がある。アメリカではデリバ ティブ関連業務は持株会社下の別会社にすることが多く、SECは直接の監督権限を 有しないという問題がある。 ○持株会社については、連結納税等の税制上の措置が伴わないと実効性がないのでこの ことも考えに入れたほうがよい。 ○資産運用については、Prudentman rule、Fiduciary dutyといったことが基本的思想 と認識している。 ○21世紀の証券市場は資産運用が中心となり、証券業者にあっては顧客のニーズにき め細かく対応する経営が要請される。こうしたニーズに応えるためにも証券会社が業 務の多角化・差別化を進めていくことが可能となるような、法改正を伴う枠組みの整 備が必要。 ○資産運用については、年金、信託等を含む横断なルール作りを提唱していただきたい ○資産運用についてだが、証券会社自身による一任勘定や、顧問業の認可について検討 すべき。運用の透明性ということで、米国のERISA法的なものを考えてはどうか。 ○資産運用業は、節度あるポートフォリオマネージャーとして何十年もかけて育てない と、顧客が満足する運用力は出てこない。過渡期においては、ERISA法のような受益 者本位の基本法を制定して、行為基準、行為規範を明確にすべき。制裁はむしろ強化 しなければならない。 ○日本の証券業者は自由化してもコンペティティブになるとはいえないのではないか。 ○証取審は個人投資家に関する議論が全然行なわれていないのではないかと外部からは 見えるらしい。仲介業者として投資家サイドをどうモチベートするかということも大 切な点。 ○日本の金融制度の枠組みを考えると、担い手に注目して規制している面が強いが、競 争促進の枠組みの下で担い手に法律の目的を達成させる役割を負わせるという仕組み は機能しづらい。取引や業務の法律的・経済的機能に注目した制度設計を考えること が必要。 ○新しい証取法のイメージとして、市場法的なものとすべき。投資家保護の基本は不公 正取引の防止と適正なディスクロージャーであり、担い手だけでなく全ての市場参加 者がそれに服する。一方、証取法の対象となるべき金融商品は幅広い有価証券である ○顧客と担い手との間のルールについては、狭い意味の証券取引の担い手ではなく、よ り広く金融サービスを営む事業者全てに適用される、金融サービス法的な考え方が必 要ではないか。 ○今後は、証券会社についても、銀行のように早期警戒措置的なものを考える必要があ る。 ○健全性チェックに関して、自己資本は一つの大きなモノサシだが、マーケットメカニ ズムをできるだけ尊重する枠組みがその分野においても必要になってこよう。証券に おいても内部リスクモデルのようなアプローチが大事ではないか。 ○証券会社の営業姿勢の変革を制度面で促す手立てはないであろうか。 ○投信を育てるということからも私募投信が明確に位置づけられていないということは 問題である。 ○日本の金融業は高度にサラリーマン化されており、ファイナンシャル・プランナーな どが本当に育つのか疑問。 +-------問い合わせ先------------+ |大蔵省証券局総務課調査室 森田、小桐間 | |TEL 3581-4111 (内線 5434) | |本議事要旨は暫定版であるため今後修正がありえます。| +-------------------------+