第1回証券取引審議会公正取引部会議事要旨


                                                                            

1  日  時  :平成9年7月23日(水)14時00分〜15時30分                

                                                                            

2  場  所  :合同庁舎4号館12階  大蔵省第1特別会議室                    

                                                                            

3  議  題  :今後の審議の進め方等について                                  

                                                                            

4  議事内容                                                                

                                                                            

    今回は公正取引部会の初会合であり、委員の紹介のあと、事務局より6月13日

  にとりまとめられた証券取引審議会報告書「証券市場の総合的改革」の概要説明及

  びこれを受けて当部会において今後検討すべき項目の紹介が行われた。          

    続いて事務局より証券市場の不祥事を巡る最近の動きについての説明がなされ、  

  その後一般討議が行われた。                                                

    一般討議における主な意見は以下の通り。                                  

                                                                            

  ○  今般、証券取引審議会から証券市場を改革するための様々な改善案が提言され

    たが、その実施の際に基本となるのはフリーとフェアの徹底であると思う。取引

    の円滑化を図るために取引プロセスの効率化を徹底する、市場の利便性を高める

    ということと、取引の公正性・透明性を確保すること、この2つが非常に重要な

    柱である。こうした意味から、今後、当部会で公正取引の確保を図るためのルー

    ルのあり方などが議論されることは非常に歓迎すべきことである。            

                                                                            

  ○  この部会で議論を進めていく上で、我が国の法の適用の体系まで踏み込んでい

    かないと実効が上がらないのではないか。                                  

      例えば、アメリカのSECは、司法の協力を得て、証券会社、投信会社だけで

    なく、発行会社、弁護士事務所などあらゆる対象に対し、司法手続を踏まえて取

    り締まりを行うことができる。ルール違反があった場合は裁判所の命令でその行

    為を停止させたり、資産を凍結する。違法行為によって利益を得ていた場合、そ

    の利益は吐き出させられる。また、違法行為をした会社の役員は今後、会社の役

    員に就けなくなる。さらに、違法に得た利益の何倍もの民事制裁金も課せられる。

    このように、違法行為をきちんと処断する法的整備がなされていると理解してい

    る。                                                                    

      我が国においても、違法行為をやれば大変なことになるんだという意識が徹底

    するような、実効性のある仕組みを考えなければならない。これはおそらく証券

    取引法の世界だけではできないことであろうから、関係官庁とも連絡を取り合っ

    ていただきたいし、当部会の議論も広い視点から行うべきである。            

                                                                            

  ○  最近の事件の後でも、総会屋に利益を提供するということがそれほど悪いこと

    ではないと思っている企業があるのではないか。関係者の意識が、証券市場はフ

    ェアであることが命であって、フェアでない行為は証券市場をぶち壊す非常に悪

    いものであるというように変わっていくことが必要である。                  

      もちろん罰則の強化も必要であるが、いくら厳罰が作られても、それをうまく

    潜ろうとする意識があるかぎり、市場はフェアにはならない。                

                                                                            

  ○  ルールを守らなくとも良いという意識を直していくためには、ルール違反を確

    実に把握し、しかるべき措置を取ることが必要である。ルールを作ることも大切

    だが、作ったルールをどう守らせるかということも重要である。

 

問い合わせ先

大蔵省証券局調査室  森田、御厩

TEL03(3581)4111  内線2709

本議事要旨は暫定版であるため今後修正があり得ます。