1 日 時:平成9年11月21日(金)10時00分~12時00分
2 場 所:合同庁舎4号館大蔵省第2特別会議室
3 議 題:市場について
4 議事内容:
(1)まず、事務局より、証券市場改革の現在の進捗状況及び先般取りまとめら
れた政府緊急経済対策について報告が行われた。
(2)次に、各改革項目のうち、今回は「市場」に関するものを中心に、その実
施の具体化について審議が行われた。主な意見は以下の通り。
○ 現状では、法律上の「有価証券」については、株と債券とが一括りになっ
ている。ただし、市場の実態を見れば、株と債券とは随分違う。今後は、い
わゆる金融サービス法の制定も視野に入れて、株、債券など種々の金融商品
に即して、「市場」という概念を整理していくことが必要ではないか。
○ 従来から、取引所がまず存在して、これが開設するものを有価証券市場と
し、市場類似施設を禁止するということになっている。しかしながら、今後
はまず効率的な市場運営、投資家保護のため、市場、PTS、証券業に対し
て、それぞれどのような規制が必要なのかということを連続的に考えるべき。
その上で法規制についてはそれぞれの区分を割り切っていく必要があるので
はないか。
○ 為替市場においては、マーケットメーカーが存在して、相場が乱高下する
ような状況にあっても、ある程度の取引を行うことができる。市場を考える
上では、「リクイディティ」も重要なメルクマールではないか。株式市場に
ついても、マーケット・メイク機能の観点が必要ではないか。
○ 証券会社では、証券業としてマーケット・メイクを行うことが可能であり、
これ自体がPTSに当たるとか、市場類似施設に当たるということはないの
ではないか。今後、何をやればPTSになるのか、十分整理していくことが
必要ではないか。
○ PTSは高い価格形成機能を持たないものという整理でよいが、高い価格
形成機能を持たない米国の例として、「顧客から出された注文を他の顧客に
提示する・・・」とあるが、「提示」という行為は重要か。提示を行わずに、
コンピュータの中で顧客の需給を統合することも、取引所外取引の値幅制限
の中で行われるのならば、高い価格形成機能を持っているとは言えないので
はないか。
○ 今やPTS、証券会社による場外取引、市場といった領域があいまいにな
っている。また、技術進歩のスピードも速い。このような状況の中、証券会
社とPTSの境界線をどう考えるかということが大きな課題となろう。
○ 店頭市場がマーケット・メイク機能を中心とした特徴的な市場を目指すと
いう考え方を法律上にも反映させるとよいのではないか。
┌──────── 問い合わせ先 ──────────┐
│ 大蔵省証券局総務課調査室 森田、御厩 │
│ TEL03(3581)4111 内線 2709 │
│本議事要旨は暫定版であるため、今後修正があり得ます。│
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