1 日 時:平成9年12月24日(水)10時00分~12時00分 2 場 所:合同庁舎4号館大蔵省第1特別会議室 3 議 題:証券会社の破綻処理制度の整備等について 4 議事内容: (1)始めに、事務局より、証券市場改革の現在の進捗状況等について報告が行 われた。 (2)次に、「市場仲介者」関係の改革項目のうち、証券会社の破綻処理制度の 整備、外国証券会社の参入、自己株取得に係る開示制度の整備等、残された 項目について審議が行われた。主な意見は以下の通り。 (a) 破綻処理制度の整備 ○ 「投資家保護」は、投資した元金を保護するものではなく、本来顧客の資 産が仲介者の破綻によっても返還されることを意味する点に留意が必要であ る。 ○ 証券会社が破綻した場合、投資家以外に一般債権者もいるわけだが、補償 すべき対象についてどう考えるのか。 ○ 寄託証券補償基金の整備によって惹起しうるモラル・ハザードをどうやっ て防ぐかという観点から十分検討を行っていくことが必要なのではないか。 ○ 破綻処理制度の整備に当たっては、時間的に、法整備がなされるまでの足 下の問題、制度が整備された後2001年3月まで、2001年3月以降と いったように3段階に分けて議論していくことが必要なのではないか。 ○ 補償の上限額については、資金等の面からも設けざるを得ないが、200 1年3月以前については、その上限額を超えた部分についてどうするのか、 ということについても十分議論すべきではないか。 ○ 中長期的将来に、DVPやRTGSが完璧に行われるようになった際の寄 託証券補償基金の位置づけはどう考えるべきか。 ○ 顧客と証券会社との間で、完全に預かり資産なしで取引できるようになる わけではないと思われるので、破綻処理のスキームの整備とDVPやRTG Sとは別次元の問題ではないか。 ○ 分別管理のコストを考えれば、顧客全体の純資産、純債務の相当額全てを 相殺し、顧客毎のプラス分をきちんと外部委託するということでよいのでは ないか。 ○ 顧客資産引当信託における信託管理人のイメージはどのようになるのか。 これに対しても特別なチェックが必要となってくるのではないか。 ○ 分別管理義務違反については、刑罰に加え、民事責任を追求できるような 制度が考えられないか。 ○ 破綻した証券会社が、分別管理不徹底のために寄託証券補償基金の発動を 引き起し、かつその会社が会社更生法の適用により、再建を果たしたような 場合、そのような事態を招いた社に対し、登録拒否要件との兼ね合いを考え る必要があるのではないか。 ○ 証券会社の基金への強制加入は必要。また、セイフティネットという観点 からは、基金が複数設立されうるとする点についても留意が必要。 ○ 証券業を営む金融機関に対して補償制度の適用外であることを表示する義 務を課すことについて、その具体的方法については、関係者間でよく議論す ることが必要なのではないか。 ○ 基金の事務の一部を証券業協会に業務委託をすることについては、基金の 体制を簡素化するということならば、必要となってくるのではないか。 (b) 公的資金の問題 ○ 公的資金については、証券会社は資金決済機能等を担っていない。他方、 デフォルトの問題が全体に波及しかねないケースもないとは言えない。制度 の問題と個別の対応を分けて考えることが適切ではないか。 ○ 公的資金について、分別管理が徹底すれば、理想的には必要とされる度合 いは余りなかろうが、現実には、一時的資金繰りが必要とされる状況は生じ うるのではないか。 ○ 大手の証券会社は、国際的に、ホールセール市場において金融機関のカウ ンターパーティーとなって取引を行っているので、その破綻に際しては、シ ステミック・リスクが生じうるということを、公的資金の議論に当たって十 分考慮すべきではないか。 ○ 基金の役割は、顧客資産のうち、1千万円以内の部分を補償するというと ころにあるのであって、システミック・リスク対応のために基金をつかうと いうのは問題があるのではないか。 ┌────────問い合わせ先───────────┐ │大蔵省証券局調査室 森田、御厩 │ │TEL03(3581)4111 内線2709 │ │本議事要旨は暫定版であるため今後修正があり得ます。│ └─────────────────────────┘