1.日時 :平成8年7月23日(火) 14時00分〜16時00分 2.場所 :合同庁舎四号館 第二特別会議室 3.議題 :我が国証券市場に関する歴史的視点・国際的視点を踏まえた考察・評価 4.議事内容 今回は、まず「我が国証券市場に関する歴史的視点・国際的視点からの考察・評価」 をテーマに、参考人からのヒアリングが行われた。最初に、国際的視点について、ト゛ レスナー・クラインオート ヘ゛ンソン証券ストラテシ゛スト のピーター・タスカ氏よ り、米国及び英国の証券市場の歴史及びその改革の紹介と日本の投資文化の問題等につ いて意見陳述があった。 次に、歴史的視点について東京都立大学の日向野助教授より、歴史的な見方が有効と なりうるものとして証券会社の免許制・登録制の歴史的経緯及び委託手数料の自由化に 関する問題、及び歴史的見方が比較的困難のものとしての取引所間の国際競争の問題等 についての意見陳述が行われた。 これらの意見陳述に対する質疑応答の後、自由討議に入った。 <主な意見> ○証券市場に個人投資家が戻ってこないのは、株式の投資価値が低いためであり、その 遠因として、株式の持合いが挙げられる。株式の所有構造の不安定化を意図的に図る ことにより市場の活性化を図るべき。 ○証券取引法上のディスクロージャーは、連結決算で処理するようにすべき。 ○規制緩和に対する考え方の再確認が必要。規制緩和を行う際に、その基準とすべきこ とはfair value及びfairnessである。 ○現在ある規制をグローバル・スタンダードに適合するように、緩和することが重要で ある。 ○日本市場の空洞化を避けかつ国際化を進めるため、コストの削減、利便性の向上等を 通じた市場の効率化を図る必要がある。 ○自由は規律と両立すべきものであり、そのためには、しっかりした行為規制を作る必 要がある。 ○規制を撤廃するというアプローチでなく、規制として残すものを決めていくというアプ ローチも考えるべき。また、個別的な規制緩和を議論するのではなく、証券市場のグラ ンドデザインを描くべき。 ○米国は、手数料自由化以前から市場が効率的になる要因が備わっており、価格の論理 が働く市場が備わっていた。だが、東京市場は、株式の持合構造等により米国のよう な条件を備えていない。今後、持合いのあり方も含めて議論すべき。 問い合わせ先 大蔵省証券局総務課調査室 森田、大谷 TEL 3581-4111 (内線 5434) 本議事要旨は暫定版であるため今後修正がありえます。