1.日時:1997年7月29日(火) 10時00分〜12時00分 2.場所:合同庁舎第4号館 大蔵省第二特別会議室 3.議事概要: 各メンバー等の自己紹介、山口銀行局長挨拶の後、事務局から、金融システム安定等 に関する最近の動き、金融3法の概要、本懇談会を開催するに当たっての問題意識等に ついて説明を行い、その後、自由討議を行った。 自由討議での主な意見・質問等は次のとおり。 〇 金融制度調査会の答申において、公的資金の導入を信用組合に限定しているのはな ぜか。また、阪和銀行の破綻処理に関して、日銀が出資した新安定化基金から新銀行 に出資することと、公的資金の導入を信用組合に限定することとの関係はどう考えた らよいのか。 〇 ペイオフは5年間は実施されないと一部の金融機関経営者は認識しており、5年間 のうちに何らかの対応を行えばよいという一種のモラルハザードが生じている。金制 答申にもあるように、5年以内で環境が整えばペイオフはその段階で起こりうるとい うことを当局は説明すべきではないか。 〇 金融機関の不良債権の問題が大きくなったのは、バブルの崩壊がほとんどの原因と 考えてよいのか。それとも、日本経済自身が低成長に入ったことが相当効いているの かどうか。金融機関の破綻の原因が何かということを考えてみる必要があるのではな いか。 〇 個人の平均預貯金残高でみた場合、預金保険の対象となる預金は1千万円でよいの か。 〇 預金保険の保険料率の水準を考えるに当たっては、健全な金融機関の体力も考慮に 入れるべきではないか。 〇 日銀が破綻処理の際に資金を拠出しているが、この分はオープン・マーケット・オ ペレーションで吸い上げていけるのか。また、今後、日銀資金が膨らんだ場合、問題 なく金融調節していけるのか。 〇 どのような金融資産を保護すべきかということを考えるに当たっては、金利体系か らみて、どこからどこまでが保護すべきか、どこから先がリスクを承知の上の問題か という観点も考慮すべきではないか。 〇 リスクプレミアムがある場合には、その預金者、投資家というのは当然認識してい るはずであるが、これまでの処理の方法において、こういう点は考慮されていたのか。 〇 これまでの処理においては、良い経営が報われないという問題があったのではない か。 〇 金融システムの安定を考えるに当たっては、信用秩序を守るということはもちろん だが、更に効率的な金融システムとはどうあるべきかということも考える必要がある のではないか。 〇 預金者が自分が守ってほしい金額の保険料を負担するという考え方もあるのではな いか。 〇 住専問題の処理が、金融機関サイドからみて、どういう意味を持ったのかという点 も研究してみたい。 〇 一般の株式会社で有限責任の下では、経営者はハイリスクの経営を採りがちだが、 この結果、預金者はそれをみて高いリスクプレミアムを要求するという行動をとれば、 そのハイリスク経営が若干抑制されるという効果も期待できる。預金保険はそうした 効果を弱めてしまう可能性もある。モラルハザードは預金者側にも発生するだけでな く、経営者側にもやはり発生するのではないか。 〇 日銀資金は、例えば、出資に見合うリターンが返ってこなければ日銀の収益の減少 になり、結果として国庫納付金に影響するということは言えるのではないか。 〇 この懇談会において、将来あるべき姿について議論するのか、積み残しているもの について議論するのかという視点も重要ではないか。 〇 95年12月の時は時間的制約もあり、基本論の議論が十分尽くせなかったのではない か。したがって、今それをやろうというのは有意義ではないか。
問い合わせ先 大蔵省 03-3581-4111(代) 銀行局総務課信用機構室(内線5649) 本議事要旨は暫定版であるため、今後修正があり得ます。 |