1. 日 時:1998年3月31日(火) 14時00分〜16時00分 2. 場 所:大蔵省 第一特別会議室 3. 議事概要: これまでの会合での議論を踏まえ、各委員から約15分程度意見を聴取し、そ の後、自由討議を行った。 討議における主な意見は以下の通り。 ○ 決済機能の大部分を担っているのは法人であることを踏まえると、個人の預金だけ でなく、法人預金の保護のあり方も検討する必要があるのではないか。 ○ 大蔵省や日本銀行は検査・考査等を通じて得た情報をもっと公開すべきではないか。 また、早期是正措置の導入を遅らせるのであれば、積極的なディスクロージャーをよ り一層進めるなど、マーケットメカニズムを働かせるような方向の措置を採るべきで ある。 ○ 預金者保護はあくまで手段であって、金融システムの安定性の確保が本来の目的で はないかと考える。また、金融ビッグバンを進めるにあたっては自己責任原則を預金 者にも求めるべきではないか。 ○ 金融の自由化が一層推進されることにより金融機関の倒産確率が高くなるのである から、将来の破綻処理コストは増加すると思われる。そうした場合、預金保険料率の 引き上げというのが重要な選択肢となるのではないか。 ○ 破綻金融機関の処理にあたり、マーケットで売却できるように整理を行った上で、 公開入札などによる効率的な処理を行っていくべきでないか。 ○ 不良債権の額が多いような金融機関は、むしろ早期是正措置を早期に実施して問題 の早期解決を図ることが重要だと考える。 ○ 本来、リスクがあるものには保険を掛けるのであるから、金融債や外貨預金をも付 保対象としてもいいのではないか。また、可変保険料率制を導入して、弱い金融機関 の淘汰を進めるという考えもあるのではないか。 ○ 現在預金は全額保護されることになっているが、公的資金の導入を踏まえると、保 護の範囲は限定すべきではないか。2年前の金制答申は「金融機関のディスクロージ ャーが徹底されておらず預金者に自己責任原則を求めることはできない」としている が、であれば金融機関のディスクロージャーをより一層進めるべきではないか。 ○ これまでは銀行自体を保護してきたというよりも、銀行の周囲の金融機関の機能を 厳しく制限して、実質的に金融の手段が銀行による間接金融という一つのパイプしか 存在しないような規制になっていた。パイプが1つしかない場合、これが詰まってし まうと貸し渋りが生じるのは当然であり、複数のパイプをつくるような規制緩和が必 要なのではないか。 ○ 銀行の役割が低下し直接金融へシフトしつつある。これは自然な流れであり、望ま しい方向へ順調に進んでいると考えられる。公的資金導入によって貸し渋りを解消し ようというのは、これに反した措置ではないのだろうか。 ○ 金融システムの安定のための措置のうち、長期的に必要な措置は情報公開などマー ケットベースに沿ったものであるが、短期的・緊急避難的な措置はマーケットベース に逆行するものであることもあり、今回の措置はやむを得ない。これら長期的な措置 と短期的な措置とは区別して考えるべきではないか。 ○ 当局と民間金融機関の間に一定の距離を置く必要があるのではないか。これまで当 局はできるだけ多くの情報を収集し、これにより監督していこうと考えてきた。そう ではなく、マーケットと同じレベルの情報で監督・行政を行ったほうが民間金融機関 に取り込まれないで済むのではないか。 ○ 当局は情報収集に努めなければならない。現在の問題は収集した情報を処理しきれ ていないことであり、情報の収集・分析にはもっと資金や人的資源が必要であるとい うことを世間にアピールして認めてもらうことが必要だ。そうでないと金融機関から もらう情報に頼ってしまうことになり、適切な行政判断を行うことができなくなる。 ○ 国税庁に調査部門と査察部門があるように、金融機関の検査においても調査部門の ほかにSECのような告発を行う部門を設ける必要があるのではないか。
(問い合わせ先) 大蔵省 03-3581-4111(代表) 銀行局総務課信用機構室(内線5649) 本議事要旨は暫定版であるため、今後修正がありえます。 |