活用
事例

全行員へのアプローチ「着眼点」は企業支援のドアノックツール

お客様と接する全ての行員へ届く形の実現

当行では、企業審査の方法や案件の見方は体系化されているものの、若手担当者や担当替えして間もない担当者など、特に経験年数が浅い担当者に向けて、お客さまと直接対話する場面に使用できる簡易的かつ実践的なツールが必要であると感じていた。

この点、取引先の経営課題を正しく理解し、経営改善支援につなげられるよう「初めの一歩」(事業者支援の初動)として作成された『業種別支援の着眼点』は、行員がお客様と対話し、企業支援業務に取り組む際のドアノックツールとなるものだと考えている。

そのため、「着眼点」を、共通編や業種ごとにサマリーし、審査セクションからみた活用法の「ポイント」や各種経営指標の業種別平均等の「参考指標」を加えたうえで、全行員が閲覧できる行内共有ネットーワークに掲載し、企業支援のドアノックツールとして活用を開始している。

『業種別支援の着眼点』PPT版からポイントを加えた資料を行内共有ネットワークで公開

定量分析と定性分析のバランス

従来の融資や審査のポイント集は、財務分析や業界平均との比較といった数字に基づくものが中心となっていた。これに対し「着眼点」は、定性面の分析を含めポイントがわかりやすく整理されているため、お客さまの実態を把握するためのツールとして企業の分析や案件の審査等に活用しているほか、お客さまとの面談時のヒアリングツールとしても活用している。お客さまのビジネスをより深く理解し、数字に表れない定性的な部分も含めた深度ある企業分析等が可能になるものと考えている。

今後の取組

誰でも「着眼点」に関する資料をダウンロードできる状態にしてはいるものの、現場で十分に活用するまでには至っていない部分もあるため、研修のカリキュラムへの組み込みを検討している。

行内からは、「着眼点」の情報提供方法や活用の仕方についてのフィードバックが寄せられており、関心の高さが伺えるため、資料を随時アップデートし、活用を促進していくことで、当行の融資審査能力・企業支援能力の向上につなげていきたいと考えている。

担当者ヒトコトコメント

行内共有にあたって、『支援』という言葉に身構えず、お客様を知るキッカケ作りとして理解しやすい形になるよう心掛けました。

「着眼点」活用の
ポイント

  • 01

    「着眼点」をお客様との対話や企業支援のドアノックツールと位置づけ。

    お客様に何を聞けばよいかのヒントとなる「着眼点」は、お客様との対話や企業支援のドアノックツールとして有用と捉えている。

  • 02

    全行員が閲覧できる行内ネットワークで配信。

    お客様に接する全ての行員に知ってもらえるよう、全行員が閲覧できる行内ネットワークにて、「着眼点」の業種別サマリーを発信した。

  • 03

    定量面だけでなく定性面の分析を重視

    従来型の定量面中心の企業分析にとどまらず、定性面を含む企業実態の把握への移行を志向していく。


  • ※提供 足利銀行
  • ※令和5年度「業種別支援の着眼点の拡充や普及促進に向けた委託事業」(金融庁委託事業)において、メディアラグ株式会社が収集し作成したものです。
  • ※本活用事例の内容については、2023年9月時点の情報を基に作成しています。