活用
事例

若手行員に対する
事業者支援のサポートツールとしての活用

普及促進と支援先モニタリング

当行では、イントラネットで「着眼点」を行内に展開し、全行員がいつでも閲覧できるよう情報を提供している。さらに、定期的に、行員に対し、事業者支援に「着眼点」を効果的に活用するよう促している。​

それぞれの経営支援先について、モニタリングのための管理帳票を作成しており、「着眼点」記載の5業種に加え、それ以外の業種についても、過去3年分の決算資料や試算表等の計数入力により、特に注目すべき指標を業種平均と比較できるようなフォームとしている。

「着眼点」にも記載されているように、数年間の指標の推移や期中を含めた変化を捉えて要因を分析することで、必要な打ち手の検討につながり、支援の幅を広げることができる。

若手行員による事業者支援への活用

営業店の若手行員に対するサポートに注力しており、特にコロナ禍前後に入行した職員については、お客様と直接対面で会話できるような機会が少なかったため、どのように取引先を見るかという目利き力を養うためにも、こうした行員が「着眼点」を実際に活用してみることで、企業実態の把握や、どこに課題があるかの共通認識を図っていくことが肝要と捉えている。

目利き力を養うために実施した若手行員向けの研修会の様子。グループに分かれ討論することで理解を図った。


そこで、経営支援先のうち営業店の若手行員が担当する先を、1店舗につき1先抽出し、企業サポート室がフォローしながら事業者支援に取り組むこととした。

企業サポート室は中小企業診断士、中小企業活性化協議会のトレーニー経験者、事業者支援の経験・知識が豊富な職員から構成され、こうしたメンバーが営業店に赴き、若手行員に対し、企業訪問前に「着眼点」を活用しながら企業の基礎的な分析のサポートを行い、その分析をもとに企業に対する仮説を立てたのちに、実際に一緒に訪問という流れで進めていく。訪問時には代表者等へのヒアリングを行い、企業の定性的な部分、人の動きや雰囲気、代表者等の考え方を聞いたのちに、どのような問題点があるのかを持ち帰り、どのような支援ができるのか等、金融機関としてできることを検討し実行に移すというサイクルを実現している。

今後の取組

事業者支援においては、「着眼点」を活用して取引先の実態を把握した上で、現場で事業者ごとに異なる業種やビジネスモデル、経営者の考え方に応じて成長をサポートしていかなければならない。

上記のような取組みを通じ、若手行員の事業者支援の経験を高め、実際の事例を蓄積して、どこで活用できたかなどを検証しながら、各営業店へ幅広く展開し、効果的な支援の実現に向け継続的に取り組んでいきたい。

担当者ヒトコトコメント

「着眼点」を活用し、事業者支援を継続していくことで、地域の活性化に貢献していきたい。

「着眼点」活用の
ポイント

  • 01

    支援先モニタリングツールの整備

    事業者支援への「着眼点」活用を行内に促しつつ、経営支援先のモニタリングにおいて各業種における指標の推移の見える化や平均との比較が可能となるようツールを整備。

  • 02

    若手行員による事業者支援実務の取組み

    各営業店の若手行員が担当する支援先を抽出し、「着眼点」をサポートツールとして活用した企業の訪問やその後の支援検討を行うことなどにより、若手行員に事業者支援の実務経験を蓄積し、それら事例を銀行内で展開することに取り組んでいる。

  • 03

    本部による若手行員のフォロー

    若手行員が事業者支援に取り組むに当たり、知見・経験を有する本部企業サポート室が企業訪問に同行するなど、若手行員をフォローする体制を整えている。


  • ※提供 清水銀行
  • ※令和5年度「業種別支援の着眼点の拡充や普及促進に向けた委託事業」(金融庁委託事業)において、メディアラグ株式会社が収集し作成したものです。
  • ※本活用事例の内容については、2023年12月時点の情報を基に作成しています。