事例
信用金庫業界 eラーニングシステムを
活かした「着眼点」の普及
個別信用金庫の事例:
結城信用金庫『eラーニング「着眼点」講座を活用したスキルアップ推進』
■背景
結城信用金庫では、1業種に偏ることなく、様々な業種と取引を行う小口先数重視による取引を推進している。ゼロゼロ融資の返済が本格化する中、顧客との接点を大切にしつつ支援体制を構築し、職員のレベルアップを進める上で、「着眼点」により各業種に対する見方の理解を底上げすることが有効と考えた。
■取組み
信金中央金庫のeラーニング「Sels」に「着眼点」講座(読上げ動画)がアップされたことを受け、当金庫でも職員に受講を促した。
営業の第一線に立ちつつ部下への指導も行う立場の職員約110名を対象として、複数回に分けて計画的に視聴することを推奨し、対象者全員が共通編・5業種全ての講座を受講済となっている。
受講後には、各職員はレポートを提出し、総務部からフォローアップコメントを行うことで、個々に理解を深める工夫をしている。受講者は、色々な気づきを得られたようで、顧客訪問等を通じて事業者が抱える課題について認識・共有し、お客様と共に考えるベースになると考えている。この振り返りについては、1回で終わらせず定期的に行い、PDCAを回しながら継続していく。
信金中央金庫が運営するeラーニングシステム「Sels」(セルズ)
信金中央金庫では、全国の信用金庫に対し中央金融機関として研修を含む業務支援をしてきた中、コロナ禍を機に研修環境が一変し、従来の対面型がオンラインに切り替わり、eラーニング環境を求める声が多く挙がった。そこで、 2020年10月から全国の信用金庫に対して信金eラーニングシステム「Sels」(セルズ)の提供を開始し、現在では、全国約250の信用金庫が「Sels」を利用している。中には、人材育成や、営業店・個人の業績評価に組み込むなど、インセンティブ付与に活用している信用金庫もある。

信用金庫に対する「着眼点」コンテンツ提供
信金中央金庫としては、中小企業融資をする信用金庫に対し、事業性評価や本業支援を研修面でサポートしていくことが必要との思いがあった。『業種別支援の着眼点』が公表され、各業種のAIによる読上げ動画を「Sels」にて提供することで、信用金庫の職員が視聴しやすくなり、スキルアップのサポートになるのではないかと考え、掲載に至った。業種ごとに、確認テストのコーナーを設け、簡単な問いに解答させるような工夫も行っている。
現在、約6割の信用金庫で、職員の一部が「Sels」内の同「着眼点」コンテンツを視聴し、恒常的に「Sels」をチェックしている本部の職員等のみならず、若い職員の視聴も比較的進んでいるように見受けられる。
外部講師を招き、「着眼点」に関するオンラインセミナーも複数回開催し、信用金庫本部向けと営業店向けに時間を分け、後者は窓口営業時間の終了後に実施したため、多くの営業店職員が参加でき、効果的な開催となった。
「着眼点」活用の
ポイント
01
業界としての普及のサポート
業界の中央機関として、信用金庫の業務・スキルアップをサポートする観点から、eラーニングを通じて「着眼点」を普及できる環境を整備。
02
「Sels」の使いやすさ
eラーニングシステム「Sels」は、多くの信用金庫で利用が定着しており、受講管理や講座視聴後の確認テスト実施による理解度の確認等が可能。
03
個別信用金庫による創意工夫
対象職員や期限を設定して講座視聴を促し、レポート提出やフォローアップを組み合わせるなど、課題や方針に応じた活用を進める個別信用金庫が存在。
- ※提供 結城信用金庫、信金中央金庫
- ※令和5年度「業種別支援の着眼点の拡充や普及促進に向けた委託事業」(金融庁委託事業)において、メディアラグ株式会社が収集し作成したものです。
- ※本活用事例の内容については、2024年3月時点の情報を基に作成しています。