活用
事例

「着眼点」と財務診断サービスを組み合わせ
事業者へのコンサルティング強化

取組の背景・内容

当行では、CRD(信用リスクデータベース)モデルに基づいた「財務診断サービス」を取引先事業者に提供し、財務トレンドや業界での位置づけ、現状分析のみならず将来予測等を見える化した情報により、気づきを促し対話する取組を行ってきた。しかし、若い得意先係の中には財務分析が苦手な行員も多く、活用できていないことがある状況を課題として認識していた。

そこで、事業者支援の着目ポイントや決算書以外の資料などの定性面を含め、業種ごとに整理されている「着眼点」と合わせて活用することが、事業者の事業実態や経営課題の的確な把握に有効と判断し、定量面の「財務診断サービス」と定性面の「着眼点」を組み合わせた形の研修を実施。研修は、経験の浅い若手行員から支店長までを対象とし、審査部が各支店を訪問して行われた。事業者の実例を取り上げながら、分析することで、よりリアリティがあり、理解が深めやすい内容となり、行内に波及した。

若手行員へ向けた「着眼点」の研修の様子。これまでに11支店以上を回り、研修を実施してきた。

研修後の営業店の反応

研修後、営業店では「着眼点」と財務診断サービスを参照しながら、支店長も交えて事業者の経営課題について仮説を立て、改善ポイント等を分析。数字の羅列やとっつきにくいイメージであった財務診断が、「着眼点」と掛け合わせたことで業種毎に特殊要因があることも理解でき、仮説に基づいた経営課題等について一歩踏み込んだヒアリングが可能となった。

営業店の担当者からは「経営者の反応が良い。業種別で違いがあるのは認識していたが、研修で違いがより鮮明となり、自信をもって説明することができた。知識の習得とレベルアップにも繋がった。」などの好反応があった。また、「着眼点」を踏まえて事業者からヒアリングすることで、融資稟議のポイントも明確となり、事業者に対する理解度も深まっている。

今後の取組方針

「着眼点」の関連動画等が公開された際は、営業店にはその都度、社内掲示板で通知している。財務診断サービス提供が成功に結び付いた事例等についても社内共有を図り、今後は「着眼点」を必要に応じ社内検討プロセスの中に反映していくような運用に繋げていきたい。人材育成においては、定期的に研修を開催し、経営改善支援に繋がる事業者へのコンサルティング能力を高めていきたい。

新任得意先係の研修プログラムにおいても『「着眼点」×財務診断サービス』のテーマを追加し、事業者の事例研究を通じて、地元取引先事業者へのコンサルティング提供時における「着眼点」の効果的な活用方法について広く周知していく。

担当者ヒトコトコメント

『業種別支援の着眼点×財務診断サービス』をきっかけにして、若手行員が自信をもって地元取引先事業者へコンサルティングを提供できる体制を強化し、地域活性化に貢献していく。

「着眼点」活用の
ポイント

  • 01

    社内の分析システムとの組み合わせ

    自社で取り組んでいる「財務診断サービス」と「着眼点」を掛け合わせることで、事業者支援のポイントを的確に押さえたヒアリングといった、コンサルティング機能の高度化に取り組んでいる。

  • 02

    各支店への研修

    本部が各支店を訪問し、若手行員から支店長までを対象として、「着眼点」を交えた研修を展開。

  • 03

    関連動画の視聴推進など、「着眼点」に関する新情報の行内共有

    行員にYouTube動画の視聴を促し、自己研鑽のサポートツールとして積極的に活用し、新たなコンテンツが提供された際には社内掲示板で通知。事業者支援の成功事例についても共有することで、活性化に向けた風土醸成を目指している。


  • ※提供 西京銀行
  • ※令和5年度「業種別支援の着眼点の拡充や普及促進に向けた委託事業」(金融庁委託事業)において、メディアラグ株式会社が収集し作成したものです。
  • ※本活用事例の内容については、2024年3月時点の情報を基に作成しています。