平成21年6月26日

証券取引等監視委員会

株式会社ビックカメラに係る有価証券報告書等の虚偽記載及び同社役員が所有する同社株券の売出しに係る目論見書の虚偽記載に係る課徴金納付命令勧告について

  • 1.勧告の内容

    証券取引等監視委員会は、株式会社ビックカメラに係る有価証券報告書等の虚偽記載及び同社役員が所有する同社株券の売出しに係る目論見書の虚偽記載について検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。

  • 2.法令違反の事実関係

    • (1) 株式会社ビックカメラ(課徴金納付命令対象者マル1。以下、「ビックカメラ」という。)は、

      • マル1 特別目的会社を活用した不動産流動化スキームを行ったところ、ビックカメラとともに、当該特別目的会社が組成した匿名組合への出資を行った株式会社豊島企画は、その出資、融資等の実態からビックカメラの子会社に該当することとなり、同スキームにおけるビックカメラのリスク負担割合は約31%となるから、

        同スキームの終了に伴い、平成19年10月26日に、ビックカメラに匿名組合からの匿名組合清算配当金として4,920百万円(百万円未満切捨て。)が発生することはなく、これをビックカメラの特別利益として計上することはできないにもかかわらず、

        株式会社豊島企画の出資者をビックカメラとは無関係の第三者に仮装していたことにより、匿名組合清算配当金が発生し、これを特別利益として計上することができる場合に該当するとして、

        有価証券報告書等について、関東財務局長に対し、

        • ア)平成19年11月20日、ビックカメラ及びビックカメラの連結会社の財政状態及び経営成績に著しい影響を与える事象が発生したとして「同スキームの終了に伴い、匿名組合清算配当金が発生し」、「平成20年8月期の個別決算及び連結決算において、特別利益として匿名組合清算配当金4,920百万円を計上する予定であります」と記載した臨時報告書を提出し、

        • イ)平成19年11月29日、平成19年8月期連結財務諸表の「重要な後発事象」の注記において、「同スキームの終了に伴い、平成19年10月26日付で匿名組合清算配当金4,920百万円が発生しております」と記載した平成19年8月期有価証券報告書を提出し、

        • ウ)平成20年5月2日、匿名組合清算配当金の計上等により、連結中間純損益が1,398百万円(百万円未満切捨て。以下、連結中間純利益額及び連結当期純損益額について同じ。)の利益であったにもかかわらず、これを7,145百万円の利益と記載するなどした中間連結損益計算書を掲載した平成20年2月中間期半期報告書を提出し、

        • エ)平成20年11月27日、匿名組合清算配当金の計上等により、連結当期純損益が1,662百万円の損失であったにもかかわらず、これを4,112百万円の利益と記載するなどした連結損益計算書を掲載した平成20年8月期有価証券報告書を提出した。

        ビックカメラが行った上記の各行為は、金融商品取引法(平成20年法律第65号による改正前のもの。以下「旧金融商品取引法」という。)第172条の2第1項又は第2項に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」有価証券報告書等を提出した行為に該当すると認められる。

      • マル2 また、ビックカメラは、有価証券届出書について、関東財務局長に対し、

        平成20年5月16日、平成19年8月期有価証券報告書及び平成20年2月中間期半期報告書を参照書類とする有価証券届出書を提出し、同有価証券届出書に基づく募集により、同年6月9日、163,500株の株券を12,337,710,000円で取得させた。

        ビックカメラが行った上記の行為は、旧金融商品取引法第172条第1項第1号に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」発行開示書類に基づく募集により有価証券を取得させた行為に該当すると認められる。

    • (2) ビックカメラの役員(課徴金納付命令対象者マル2)は、

      ビックカメラが平成19年8月期有価証券報告書及び平成20年2月中間期半期報告書を参照書類とする目論見書を使用したところ、同目論見書に虚偽の記載があることを知りながら、その作成に関与し、平成20年6月10日、同目論見書に係る売出しにより、同人が所有する80,000株のビックカメラ株券を6,036,800,000円で売り付けた。

      同人が行った上記の行為は、旧金融商品取引法第172条第5項に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある目論見書」を使用した発行者の役員等で、当該目論見書に虚偽の記載があることを知りながら当該目論見書の作成に関与した者が、当該目論見書に係る売出しにより当該役員等が所有する有価証券を売り付けた行為に該当すると認められる。

  • 3.課徴金の額の計算

    上記の違法行為に対し金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、課徴金納付命令対象者マル1については2億5,353万円、課徴金納付命令対象者マル2については1億2,073万円である。

課徴金納付命令対象者マル1

  • (1) 旧金融商品取引法第172条の2第1項の規定により、平成19年8月期有価証券報告書に係る課徴金の額について、

    • マル1 当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の3を乗じて得た額(3,400,654円)

    • マル2 3,000,000円

    を超えることから、3,400,654円について、金融商品取引法第176条第2項の規定により1万円未満の端数を切り捨てて3,400,000円となる。

  • (2) 旧金融商品取引法第172条の2第1項又は第2項の規定により、平成19年11月20日提出の臨時報告書、平成20年2月中間期半期報告書及び平成20年8月期有価証券報告書に係る課徴金の額について、個別決定ごとの算出額は、

    • マル1 当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の3を乗じて得た額(3,380,271円)

    • マル2 3,000,000円

    を超えることから、

    • 同臨時報告書については、3,380,271円の2分の1に相当する額である1,690,000円(金融商品取引法第176条第2項の規定により1万円未満を切り捨て)

      同半期報告書については、3,380,271円の2分の1に相当する額である1,690,000円(金融商品取引法第176条第2項の規定により1万円未満を切り捨て)

      同有価証券報告書については、3,380,000円(金融商品取引法第176条第2項の規定により1万円未満を切り捨て)

    となる。

    ここで、金融商品取引法第185条の7第6項の規定により、同一の事業年度に係る2以上の虚偽の継続開示書類等が提出されたときは、課徴金の額を調整することとなるため、下記のとおり338万円を個別決定ごとの算出額に基づき按分した金額が課徴金の額となる。

    • 平成19年11月20日提出の臨時報告書に係る課徴金の額は

      3,380,000×1,690,000/(1,690,000+1,690,000+3,380,000)=845,000円

    • 平成20年2月中間期半期報告書に係る課徴金の額は

      3,380,000×1,690,000/(1,690,000+1,690,000+3,380,000)=845,000円

    • 平成20年8月期有価証券報告書に係る課徴金の額は

      3,380,000×3,380,000/(1,690,000+1,690,000+3,380,000)=1,690,000円

  • (3) 旧金融商品取引法第172条第1項第1号の規定により、重要な事項につき虚偽の記載がある発行開示書類に基づく募集により取得させた株券等の発行価額の総額の100分の2に相当する額が課徴金の額となることから、

    • 平成20年5月16日提出の有価証券届出書に係る課徴金の額は、

      12,337,710,000×2/100=246,754,200円

      について、金融商品取引法第176条第2項の規定により1万円未満を切り捨てて、246,750,000円

    となる。

課徴金納付命令対象者マル2

旧金融商品取引法第172条第5項で準用する同条第2項の規定により、重要な事項につき虚偽の記載がある目論見書に係る売出しにより売り付けた課徴金納付命令対象者が所有する株券等の売出価額の総額の100分の2に相当する額が課徴金の額となることから、

  • 平成20年6月10日、同人が所有する株式会社ビックカメラの株券を、売出しにより売り付けるに当たり使用した目論見書に係る課徴金の額は、

    6,036,800,000×2/100=120,736,000円

    について、金融商品取引法第176条第2項の規定により1万円未満を切り捨てて、120,730,000円

となる。

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