平成24年3月23日

証券取引等監視委員会

AIJ投資顧問株式会社に対する検査結果に基づく勧告について

  • 1.勧告の内容

    証券取引等監視委員会がAIJ投資顧問株式会社(東京都中央区、資本金230百万円、役職員11名、投資運用業)を検査した結果、下記のとおり、当該金融商品取引業者に係る法令違反の事実が認められたので、平成24年3月22日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、行政処分を行うよう勧告した。

  • 2.事実関係

    投資一任業務に関して、公益及び投資者保護上重大な法令違反行為等が認められる状況

    (1)投資一任契約の締結の勧誘において、虚偽の事実を告知している行為

    • AIJ投資顧問株式会社(以下「当社」という。)は、投資一任契約を締結している年金基金等の顧客(以下「顧客」という。)に対し、かかる投資一任契約に基づく運用対象資産として当社が運用している外国投資信託「AIMグローバルファンド」(以下「AIMファンド」という。)の買付けを指図しているが、顧客に対してAIMファンドの各サブファンドについて虚偽の基準価額を算出・報告していた事実が認められた。

    • 虚偽の基準価額の算定に当たっては、当社社長は、自らの相場観に基づき決定した一定の数値を虚偽の基準価額として算出していた。

    • 当社社長により算出された虚偽の基準価額は、AIMファンドの管理会社の取締役でもある当社取締役からAIMファンドの販売証券会社であるアイティーエム証券株式会社(以下「ITM」という。)に対して伝えられている。

    • 当社は投資一任契約の締結の勧誘について、少なくとも平成19年10月以降、66の顧客(年金基金)に対し、ITMと一体となって虚偽の基準価額や当該基準価額に基づく運用実態が記載されたリーフレットを配布し、投資一任契約の締結の勧誘を行っていることが認められた。

    上記の行為は、金融商品取引契約の締結に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為であり、金融商品取引法第38条第1号に該当するものと認められる。

    (2)虚偽の内容の運用報告書を顧客に交付する行為

    当社は、金融商品取引法第42条の7第1項の規定に基づく運用報告書の記載事項について、金融商品取引業等に関する内閣府令第134条第1項第2号ロに規定する事項のうち、有価証券の価額について、虚偽の基準価額を用いて記載をし、かかる運用報告書を顧客に交付していることが認められた。

    上記の行為は、虚偽の内容の運用報告書を作成し、顧客に交付しているものであり、金融商品取引法第42条の7第1項に違反するものと認められる。

    (3)虚偽の内容の事業報告書を作成し、関東財務局長に提出する行為

    • 当社は第22期事業報告書(平成22年1月1日から平成22年12月31日の事業年度)において、平成22年12月31日現在の運用資産の総額として、国内の運用資産総額は183,210百万円、海外の運用資産総額は206,997百万円などと記載をして関東財務局長に提出している。

    • しかしながら、これらの計数はAIMファンドの受託銀行の代理人が算出している各サブファンドの基準価額等に基づかない虚偽の計数であることから、当社は事業報告書に虚偽の記載をしていると認められる。

    上記の行為は、虚偽の事業報告書を作成し、関東財務局長に提出したものであり、金融商品取引法第47条の2に違反するものと認められる。

    (4)忠実義務違反

    • 当社は、顧客である年金基金等の財産の運用に当たって、著しく価値が毀損していることを知りながら自らが偽装した虚偽の基準価額をもってAIMファンドを購入することを指図している。

    • また、当社は、AIMファンドが出資している投資事業組合(当社社長が実質的に支配)に解約請求に係る外国投資信託受益証券を虚偽の基準価額で買い受けさせているなど、ファンドの財産を不当に流出させている。

    • このように、当社は投資運用業者として、権利者である顧客のため忠実に業務を行っていないと認められる。

    上記の行為は、忠実義務に違反するものであり、金融商品取引法第42条第1項に違反するものと認められる。


(参考条文)

金融商品取引法(昭和23年法律第25号)(抄)

(禁止行為)

第三十八条 金融商品取引業者等又はその役員若しくは使用人は、次に掲げる行為をしてはならない。ただし、第四号から第六号までに掲げる行為にあつては、投資者の保護に欠け、取引の公正を害し、又は金融商品取引業の信用を失墜させるおそれのないものとして内閣府令で定めるものを除く。

一 金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為

二~七 (略)

(権利者に対する義務)

第四十二条 金融商品取引業者等は、権利者(次の各号に掲げる業務の区分に応じ当該各号に定める者をいう。以下この款において同じ。)のため忠実に投資運用業を行わなければならない。

一 第二条第八項第十二号に掲げる行為を行う業務 同号イ又はロに掲げる契約の相手方

二 第二条第八項第十四号に掲げる行為を行う業務 同号に規定する有価証券に表示される権利その他の政令で定める権利を有する者

三 第二条第八項第十五号に掲げる行為を行う業務 同号イからハまでに掲げる権利その他同号に規定する政令で定める権利を有する者

2 (略)

(運用報告書の交付)

第四十二条の七 金融商品取引業者等は、運用財産について、内閣府令で定めるところにより、定期に運用報告書を作成し、当該運用財産に係る知れている権利者に交付しなければならない。ただし、運用報告書を権利者に交付しなくても権利者の保護に支障を生ずることがない場合として内閣府令で定める場合は、この限りでない。

2・3 (略)

(事業報告書の提出)

第四十七条の二 金融商品取引業者は、事業年度ごとに、内閣府令で定めるところにより、事業報告書を作成し、毎事業年度経過後三月以内に、これを内閣総理大臣に提出しなければならない。

PDF参考資料(PDF:119KB)

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