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平成30年11月16日
証券取引等監視委員会

クローバーアセットマネジメント株式会社及びジェイ・トラスト株式会社並びにその役員等2名による金融商品取引法違反行為に係る裁判所への禁止及び停止命令発出の申立てについて

1.申立ての内容等
 証券取引等監視委員会が、クローバーアセットマネジメント株式会社(東京都千代田区、法人番号6010001108587、代表取締役 下城章義(しもじょうあきよし)、資本金700万円、以下「クローバー社」という(注1)。)及びジェイ・トラスト株式会社(東京都中央区、法人番号8010001128385、代表取締役山口智志(やまぐちさとし)、資本金1000万円、以下「ジェイ社」という。)(上記2社は、いずれも金融商品取引業の登録等はない(注2)。以下、上記2社を併せて「両社」という。)に対して金融商品取引法(以下「金商法」という。)第187条第1項に基づく調査を行った結果、下記2.の事実が認められたことから、本日、証券取引等監視委員会は、金商法第192条第1項に基づき、東京地方裁判所に対し、両社並びにジェイ社の代表取締役である山口智志(以下「山口」という。)及び両社の資金管理等を行っており実質的な経営者である荻島利広(以下「荻島」という。)(以下、両社並びに荻島及び山口を併せて「クローバー社ら」という。)を被申立人として、金商法違反行為(無登録で、金商法第2条第2項第5号又は第6号に掲げる権利について、募集又は私募を業として行うこと)の禁止及び停止を命ずるよう申立てを行った。
(注1)クローバー社の登記上の代表取締役である下城章義は、荻島及び山口からの依頼に応じ、月額5万円ないし10万円の報酬と引き換えに、形式上、代表取締役に就任したものである。
(注2)両社は、平成21年から適格機関投資家等特例業務(以下「特例業務」という。)を行うとして、関東財務局に対し届出を行っていたが、何れも、平成28年9月に特例業務を廃止した旨の届出を行っている。クローバー社らは、廃止届出にあたって、ファンド資金の返金が完了したとの虚偽の報告を行っていた。
 
2.事実関係
 クローバー社らは、平成27年6月1日以降、一般投資家に対し、電話等により、「クローバー社員権」、「ジェイ・トラスト社員権」、「よつばMRF口座」、「ジェイ・トラストMRF口座」という名称の商品の取得勧誘を行っている。
 ここで、「社員権」と称する各商品については、クローバー社らが、集めた出資金を株式又はファクタリング事業により運用し、配当を行うとしているものであり、各合同会社の実体はないことなどから、金商法第2条第2項第3号の「合同会社の社員権」には当たらず、同項第5号に掲げる権利(いわゆる集団投資スキーム持分)であると認められる。
 また、「MRF口座」と称する各商品についても、クローバー社らが、集めた出資金を株式で運用し、配当を行うとしているものであり、いわゆるMRF(追加型公社債投資信託の受益証券)ではなく、金商法第2条第2項第5号に掲げる権利(いわゆる集団投資スキーム持分)であると認められる。
 クローバー社らは、上記の4商品の取得勧誘によって、少なくとも、クローバー社は延べ220名の一般投資家から延べ約18億円を出資させ、ジェイ社は延べ181名の一般投資家から延べ約14億円を出資させている(注3)。
(注3)両社は、顧客からの出資金を、他の顧客に対する償還原資や、荻島及び山口の報酬並びに両社従業員の給与等に充てることを繰り返しており、顧客からの出資金はほぼ費消されている状況にある。
 
 クローバー社らの上記の取得勧誘行為は、金商法第28条第2項第2号に規定する「第二種金融商品取引業」に該当し、無登録でこれを行うことは、同法第29条に違反するものである。
 
 クローバー社らは上記違法行為を今後も行う蓋然性が高いことから、これを可及的速やかに禁止・停止させる必要がある。
 

金融商品取引法違反に係る裁判所への申立てについて
 

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参考条文

○第二種金融商品取引業

金融商品取引法(抄)

(定義)
第二条 この法律において「有価証券」とは、次に掲げるものをいう。
一~二十一 (略)
(前略)、次に掲げる権利は、証券又は証書に表示されるべき権利以外の権利であっても有価証券とみなして、この法律の規定を適用する。
一~四 (略)
五 民法(中略)第六百六十七条第一項に規定する組合契約、商法(中略)第五百三十五条に規定する匿名組合契約、投資事業有限責任組合契約に関する法律(中略)第三条第一項に規定する投資事業有限責任組合契約又は有限責任事業組合契約に関する法律(中略)第三条第一項に規定する有限責任事業組合契約に基づく権利、社団法人の社員権その他の権利(外国の法令に基づくものを除く。)のうち、当該権利を有する者(以下この号において「出資者」という。)が出資又は拠出をした金銭(これに類するものとして政令で定めるものを含む。)を充てて行う事業(以下この号において「出資対象事業」という。)から生ずる収益の配当又は当該出資対象事業に係る財産の分配を受けることができる権利であって、次のいずれにも該当しないもの(略)
イ~二 (略)
六 外国の法令に基づく権利であって、前号に掲げる権利に類するもの
七 (略)
3~7 (略)
8 この法律において「金融商品取引業」とは、次に掲げる行為(略)のいずれかを業として行うことをいう。
一~六 (略)
七 有価証券(次に掲げるものに限る。)の募集又は私募
イ~ホ (略)
ヘ 第二項の規定により有価証券とみなされる同項第五号又は第六号に掲げる権利
ト (略)
八~十八 (略)
9~40 (略)
 
第二十八条 (略)
 この章において「第二種金融商品取引業」とは、金融商品取引業のうち、次に掲げる行為のいずれかを業として行うことをいう。
一 第二条第八項第七号に掲げる行為
二~四 (略)
3~8 (略)
  
(登録)
第二十九条 金融商品取引業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行うことができない。
 

○緊急差止命令に係る申立て

金融商品取引法(抄)

(審問等に関する調査のための処分)
第百八十七条 内閣総理大臣又は内閣総理大臣及び財務大臣は、この法律の規定による審問、この法律の規定による処分に係る聴聞又は第百九十二条の規定による申立てについて、必要な調査をするため、当該職員に、次に掲げる処分をさせることができる。
一 関係人若しくは参考人に出頭を命じて意見を聴取し、又はこれらの者から意見書若しくは報告書を提出させること。
二 鑑定人に出頭を命じて鑑定させること。
三 関係人に対し帳簿書類その他の物件の提出を命じ、又は提出物件を留めて置くこと。
四 関係人の業務若しくは財産の状況又は帳簿書類その他の物件を検査すること。

(略)

(裁判所の禁止又は停止命令)
第百九十二条 裁判所は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、内閣総理大臣又は内閣総理大臣及び財務大臣の申立てにより、当該各号に定める行為を行い、又は行おうとする者に対し、その行為の禁止又は停止を命ずることができる。
一 緊急の必要があり、かつ、公益及び投資者保護のため必要かつ適当であるとき この法律又はこの法律に基づく命令に違反する行為
二 第二条第二項第五号若しくは第六号に掲げる権利又は同項第七号に掲げる権利(同項第五号又は第六号に掲げる権利と同様の経済的性質を有するものとして政令で定める権利に限る。)に関し出資され、又は拠出された金銭(これに類するものとして政令で定めるものを含む。)を充てて行われる事業に係る業務執行が著しく適正を欠き、かつ、現に投資者の利益が著しく害されており、又は害されることが明白である場合において、投資者の損害の拡大を防止する緊急の必要があるとき これらの権利に係る同条第八項第七号から第九号までに掲げる行為
2~4 (略)
 
第百九十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一~七 (略)
八 第百九十二条第一項又は第二項の規定による裁判所の命令に違反した者
 
第二百七条 法人(中略)の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
一・二 (略)
三 第百九十八条(略)又は第百九十八条の三から第百九十八条の五まで三億円以下の罰金刑
四~六 (略)
2・3 (略)

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