アクセスFSA 第135号(2014年9月)

アクセスFSA 第135号  (2014年9月)

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第33回金融審議会総会・第21回金融分科会
合同会合にて挨拶する麻生大臣(9月26日)
  第33回金融審議会総会・第21回金融分科会
合同会合にて挨拶する越智大臣政務官(9月26日)

トピックス

(1)平成26事務年度 金融モニタリング基本方針(監督・検査基本方針)について

金融庁は、平成19事務年度より「ベター・レギュレーション」(金融規制の質的向上)への取組みを進めてきました。こうした中、平成25事務年度には、「金融モニタリング基本方針」を公表し、金融機関や金融システムに対する、より深度ある実態把握のため、金融機関への立入検査(オンサイト・モニタリング)と金融機関へのヒアリングや資料徴求(オフサイト・モニタリング)の運用の一体化を図りました。

そこで、今事務年度は、監督局・検査局の間で業務がさらに継続的かつ効果的に連携して行われるよう、監督方針と金融モニタリング基本方針を統合し、一つの方針を定めることにしました。

金融庁の監督局と検査局は、今後、この共通の方針の下、緊密に連携しながら、それぞれの役割を果たすことで、より効果的・効率的な監督・検査を目指しています。以下では、その概要について紹介します。

なお、本基本方針は、平成26年9月時点の金融システムを取り巻く経済金融情勢等を踏まえて策定したものですので、今後、必要に応じて見直すことがあります。

  • I . 今事務年度の監督・検査の基本的な考え方

    • 1. デフレ脱却に向けた取組みと「好循環」の実現

      現在、政府では、デフレ脱却、経済の持続的成長に向けた取組みを推進しています。こうした中、経済や産業に必要な資金が円滑に供給され、デフレ脱却に向けた動きをより確かなものとしていくことが重要です。

      また、今後、高齢化や人口減少等が進展する中、経済や産業が持続的な成長を続け雇用や賃金の改善につながること、これまで現預金等に偏っていた国民の資産が適切に運用され安定的な資産形成が図られるとともに、結果として経済成長に必要なリスクマネーが供給されることが期待されます。

      金融機関がこれらに貢献し、経済の成長や国民生活の安定に寄与することが、ひいては、金融機関自身の安定的な収益にもつながっていくような「好循環」の実現を目指す必要があります。

      デフレ脱却に向けた取組みと「好循環」の実現

    • 2. 金融システム及び金融機関の健全性の維持

      金融機関がこうした金融仲介機能を持続的に発揮していくためには、金融システムや金融機関の健全性が維持されることが不可欠な前提条件です。金融機関の経営は、国内外の市場や経済の動向等によって大きく影響を受けます。このため、金融システムを取り巻く環境の変化に対し、金融システム及び金融機関の健全性が維持されるよう、適切に対応することが重要です。

  • II . 重点施策

    上記の基本的な考え方の下、今事務年度においては、主に以下の重点施策に取り組むこととしています。

    • 1. 顧客ニーズに応える経営

      金融機関が顧客を第一に考え、真に顧客の利益になる金融商品・サービスを提供しているか検証。

    • 2. 事業性評価に基づく融資等

      銀行等が財務データや担保・保証に必要以上に依存することなく、事業の内容、成長可能性を適切に評価し、融資や助言を行うための取組みを検証。

    • 3. 資産運用の高度化

      商品開発・販売・運用等に携わる金融機関がその役割・責任を果たしているか、経営姿勢、提供商品・サービス、業績評価等について検証。

      金融機関自身による有価証券運用についても、資産規模に見合った運用、リスク管理がなされているか検証。

      資産運用の高度化

    • 4. マクロ・プルーデンス

      グローバルな経済・市場動向と金融システムや金融機関の健全性の相互作用をフォワードルッキングに把握・分析するとともに金融機関のリスク管理態勢を検証。

      マクロ・プルーデンス

    • 5. 統合的リスク管理

      金融機関の健全性の検証について、資産査定中心の検査から、金融機関にとり重要なリスクの把握と脆弱性の分析へ。

      統合的リスク管理

    • 6. ビジネスモデルの持続可能性と経営管理

      将来にわたり金融機関の健全性が確保されるよう、ビジネスモデルの持続可能性について、金融機関と議論。また、経営管理態勢(ガバナンス)が実際に機能しているか検証。

    • 7. 顧客の信頼・安心感の確保等

      情報セキュリティの確保、インターネットバンキング不正送金やサイバー攻撃等への対応状況、業務継続体制の整備、反社・マネロン対応等の取組みを検証。

    • 8. 東日本大震災からの復興の加速化

      二重ローン問題に引き続き取り組むとともに、被災地域の本格的な復興や被災者の生活・事業の再建に向けた金融面での支援を促進。

    • 9. 公的金融と民間金融

      公的金融と民間金融の競合・補完状況について実態把握し、両者のより望ましい関係の実現につき、関係者と議論。

  • III. 具体的なモニタリングの取組み

    具体的なモニタリングにあたっては、主に以下のとおり取り組むこととしています。

    • 1. オンサイト・オフサイトモニタリングの一体化

      監督局と検査局が共通の方針の下で緊密に連携。

    • 2. より良い業務運営に向けての建設的な対話の促進

      建設的な対話を通じ、金融機関が自主的に創意工夫を凝らしながら、より優れた業務運営と顧客へのサービスの質の改善に向け、健全な競争が行われることを促進。

    • 3. 国際的な連携の強化

      金融機関業務のグローバル化や金融取引の国際化の進展を踏まえて、国際的な議論への貢献、各国当局との連携強化、諸外国の監督動向を踏まえた監督手法の改善に取り組む。

    • 4. 関係者との対話の充実、情報収集の強化

      金融機関のステークホルダー(株主、顧客、社外取締役等)との意見交換や情報収集。

上記のほか、金融モニタリング基本方針では、業態別に、主要行等、中小・地域金融機関、保険会社等、金融商品取引業者等それぞれの、当該業態に係る課題と今事務年度の考え方、主な重点施策や着眼点及び監督・検査の手法を掲載しております。

※詳しくは金融庁ウェブサイトの「広報報道」の中の「報道発表資料」から「平成26事務年度 金融モニタリング基本方針(監督・検査基本方針)について」(平成26年9月11日)にアクセスして下さい。


(2)金融庁の平成27年度税制改正要望について

金融庁では、平成26年8月29日に「平成27年度税制改正要望項目」をとりまとめて公表するとともに、要望書を財務省・総務省に提出しました。

今回の税制改正要望においては、金融行政における諸課題を踏まえ、

  • 1. 家計の資産形成の支援と成長資金の供給拡大

  • 2. 「国際金融センター」の実現に向けた市場環境整備

  • 3. 法人税率引下げに伴う検討関係

の3つの柱を中心として、要望項目のとりまとめを行いました。

主な項目の内容は、以下のとおりです。

  • 1. 家計の資産形成の支援と成長資金の供給拡大

    • (1) NISAの拡充・利便性向上

      NISAは、投資家のすそ野を拡大し、「家計の安定的な資産形成の支援」と「経済成長に必要な成長資金の供給拡大」の両立を図ることを目的として、平成26年1月に開始された制度です。制度開始以降、着実に利用が進んでいます(口座開設数約727万口座、買付額約1兆5,631億円(6月末時点金融庁調))が、NISA口座の開設者を見ると、中高年の投資経験者による利用が大半を占めており、若年層や投資未経験者への投資家のすそ野拡大を更に進めていく必要があります。

      こうした中、金融庁では、今回の税制改正要望において、未成年者向けの「ジュニアNISA」の創設や、現行NISAの年間投資上限額を毎月の定額投資に適した金額へ引上げること(100万円から120万円へ)等を要望しています。

    • (2) 金融所得課税の一体化(金融商品に係る損益通算範囲の拡大)

      個人投資家の市場参加を促すためには、多様な金融商品に投資しやすい環境を整備することが重要です。このため、金融庁では、金融商品に係る損益通算範囲の拡大を要望しています。

      具体的には、平成25年度税制改正において、損益通算の範囲が特定公社債等にまで拡大されたところですが、平成27年度税制改正要望では、昨年に引き続き、損益通算範囲をデリバティブ取引や預貯金についても拡大することを要望しています。

    • (3) 教育資金一括贈与に係る贈与税の非課税措置の恒久化等

      教育資金一括贈与に係る贈与税の非課税措置は、世代間の資産移転を後押ししつつ、その資金の教育費への有効活用を促すための仕組みです(平成25年4月より開始。平成27年12月31日までの時限措置)。利用実績は、平成26年6月末時点(信託協会調)で、信託口座数7万6,851口座、設定額5,193億円と順調に推移しています。

      他方、依然として1,600兆円超の個人金融資産の約6割は高齢者世帯に偏重しているほか、子育て世代における教育費負担は重く、同制度を継続するとともに、その使い勝手の向上等を図る必要があります。

      平成27年度税制改正要望においては、制度の恒久化に加え、本制度の対象となる「教育費」と「受贈者」の範囲拡大等を要望しています。

  • 2. 「国際金融センター」の実現に向けた市場環境整備

    • (1) 投資法人(Jリート)における「税会不一致」問題の解消

      投資法人(Jリート)については、一定の要件を満たした場合、税務上は導管体として扱われ、支払配当を損金算入できることにより、投資法人段階においては(実質)非課税扱いとなっています(ただし、投資家段階では課税)。

      しかし、会計と税務の処理の差異(税会不一致)が生じた場合、投資法人においても課税が生じ、投資法人の合併等の障害となる可能性があるため、平成27年度税制改正では、これらの問題について解消を図ることを要望しています。

    • (2) デリバティブ取引の証拠金利子に関する税制措置等

      デリバティブ取引に係るシステミック・リスクを抑制するため、平成23年のG20カンヌ・サミットにおいて、中央清算されない店頭デリバティブ取引については、金融機関等に対して証拠金(マージン)の授受を義務付けることが合意され、わが国でも平成27年12月から、証拠金規制が導入される予定です。

      諸外国では、金融機関が店頭デリバティブ取引に係る証拠金として海外の金融機関から受け入れた現金担保の利子については源泉徴収が不要とされている場合が多いですが、わが国においては原則として源泉徴収が必要となっていることから、本邦金融機関の国際競争力に悪影響が生じており、証拠金規制の導入後はさらに支障が出るおそれがあります。

      平成27年度税制改正では、国内金融機関等が外国金融機関等との間で行う店頭デリバティブ取引に係る証拠金(現金担保)から生じる利子について、源泉徴収を不要とすることを要望しています。

  • 3. 法人税率引下げに伴う検討関係(協同組合の特性を踏まえた法人税に係る軽減税率)

    協同組合とは、各根拠法に定められた範囲内で会員/組合員間の相互扶助のための事業を行う非営利の組織です。また、協同組織金融機関は、一定地区内において、中小企業及び個人など、一般の金融機関から融資を受けにくい立場にある者を構成員とし、構成員・地域のための貸付等を行っている協同組合です。

    現行、協同組織金融機関については、業務範囲や資本調達手段等が限定されているなか、以上のような本来的役割を十全に果たすため、法人税の軽減税率をはじめとする租税特別措置(本則税率19%、年800万円以下の所得:15%)が講じられています。

    平成27年度税制改正では、一般事業会社(株式会社)への法人税率引下げを行う場合、協同組合の特性等に十分に配慮し、協同組合に対する軽減税率についても引下げを行うことを要望しています。

以上を含め、国税・地方税合わせて26項目の要望を行っています。

※詳しくは、金融庁ウェブサイトの「広報報道」の中の「報道発表資料」から「金融庁の平成27年度税制改正要望について」(平成26年8月29日)にアクセスしてください。


(3)多重債務者相談強化キャンペーン2014の実施について

内閣に設けられた「多重債務者対策本部」においては、深刻な社会問題である多重債務問題を抜本的に解決するため、平成19年4月20日に「多重債務問題改善プログラム」を決定し、相談窓口の整備などの「借り手対策」をとりまとめました。これに基づき、全国の地方公共団体における相談体制の整備・強化が進められております。

平成22年6月の改正貸金業法完全施行後、多重債務問題は一時と比べ落ち着きをみせているところですが、多額の借入残高を有する層は現在も相当数存在し、継続的に多重債務者対策を講じていく必要があるところです。

このため、潜在的な相談者の掘り起こし及び常設の相談窓口の認知度向上等を目的として、本年9月1日~12月31日までの4ヶ月間、「多重債務者相談強化キャンペーン2014」を多重債務者対策本部と日本弁護士連合会、日本司法書士会連合会及び日本司法支援センター(法テラス)との共催で、実施するものです。(なお、これまでにも同様の趣旨により、平成19年度の「全国一斉多重債務者相談ウィーク」(平成19年12月10日~16日実施)、平成20年度~平成25年度の「多重債務者相談強化キャンペーン」(平成20~25年の9月1日~12月31日実施)を実施しているところです。)

多重債務者相談強化キャンペーン2014

(キャンペーン周知のためのポスター)

キャンペーンでは、期間中に都道府県、当該都道府県の弁護士会、司法書士会、中小企業団体(全国の商工会議所、商工会、都道府県中小企業団体中央会)が共同で、消費者及び事業者向けの無料相談会等の取組み(電話による相談の受付けを含む)を行います。併せて、各地方財務局においても、無料相談会の開催等を行います。このほか、いわゆる「偽装質屋」を含むヤミ金やクレジットカード現金化等の利用防止について、周知・広報を行うこととしています。

各地の相談窓口、キャンペーン期間中に各地で開催される無料相談会等については、下記の電話番号にてご案内します。また、金融庁ウェブサイトの「多重債務者相談強化キャンペーン2014における相談会の開催予定等について」でも、随時、関連情報を提供しています。

《法テラスコールセンター》

0570-078374(おなやみなし)

※受付時間 平日/9時00分~21時00分 土曜/9時00分~17時00分

(日曜祝祭日、年末年始休業)

※詳しくは、金融庁ウェブサイトの「広報報道」の中の「報道発表資料」から「多重債務者相談強化キャンペーン2014の実施について」(平成26年8月15日)にアクセスして下さい。


(4)「コーポレートガバナンス・コードの策定に関する有識者会議」(第2回)の開催について

平成26年9月4日に、「コーポレートガバナンス・コードの策定に関する有識者会議」の第2回会合を開催しました。

同会議は、「『日本再興戦略』改訂2014‐未来への挑戦‐」(平成26年6月24日閣議決定)において、「持続的成長に向けた企業の自律的な取組を促すため、東京証券取引所が、新たに『コーポレートガバナンス・コード』を策定する。」とされ、当該コードの策定に当たっては、「東京証券取引所と金融庁を共同事務局とする有識者会議において、秋頃までを目途に基本的な考え方を取りまとめる」とされていることを踏まえ、民間有識者の知見をいかしつつ、コーポレートガバナンス・コードの基本的な考え方について提言を得ることを目的としています。

当会議では、コーポレートガバナンスに関する国際的なスタンダードである「OECDコーポレート・ガバナンス原則」を策定しているOECDから、その分野の責任者であるマッツ・イサクソン氏をアドバイザーとして迎えております。第2回会合においては、同原則の具体的な内容や現在検討中の改訂作業の議論等について、同氏によるプレゼンテーションが行われました。また、コーポレートガバナンス・コードに関する基本的事項について、事務局より説明が行われた後、同会議のメンバーによる自由討議が行われました。

今後、同会議において、コーポレートガバナンス・コードの基本的な考え方の取りまとめに向けた具体的な検討が進められていく予定です。

なお、当会議は公開であり、一般の方も先着順の事前申込みにより、傍聴していただくことができますので、傍聴をご希望の方は、金融庁ウェブサイトにおける当会議の開催情報をチェックしていただくことをお勧めします。また、席上配布資料は会議の翌日までに、議事録は会議後速やかに金融庁ウェブサイトに掲載いたします。

※詳しくは、金融庁ウェブサイトの「広報報道」の中の「報道発表資料」から、「コーポレートガバナンス・コードの策定に関する有識者会議(第2回)議事次第」(平成26年9月5日)にアクセスしてください。また、併せて第2回会議の議事録を9月19日に公表しておりますので、ご覧ください。


(5)「責任ある機関投資家」の諸原則≪日本版スチュワードシップ・コード≫~投資と対話を通じて企業の持続的成長を促すために~の受入れを表明した機関投資家のリストの公表(第2回)について

金融庁に設置された「日本版スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会」は、平成26年2月27日に「『責任ある機関投資家』の諸原則≪日本版スチュワードシップ・コード≫~投資と対話を通じて企業の持続的成長を促すために~」(以下、「コード」という。)を策定・公表しています。

同コードにおいては、機関投資家によるコードの受入れは任意ではありますが、「受入れ表明」をしていただいた機関投資家については金融庁がリスト化して公表し、3ヶ月毎に更新する仕組みとなっています。

これを受け、平成26年5月末までに「受入れ表明」をしていただいた機関投資家のリストを、平成26年6月10日に公表しているところですが、今般、平成26年6月から8月末までの間に新たに「受入れ表明」をしていただいた機関投資家を追加した2回目のリストを、平成26年9月2日に公表いたしました。

これまでに「受入れ表明」をしていただいた機関投資家について、業態別に分類した結果は、以下のとおりです。

  • 信託銀行等:6 【初回から変動なし】

  • 投信・投資顧問会社等:109【初回から23増加】

  • 生命保険会社:17 【初回から3増加】

  • 損害保険会社:4 【初回から1減少(合併)】

  • 年金基金等:17 【初回から5増加】

  • その他(議決権行使助言会社他):7 【初回から3増加】

    (合 計):160【初回から33増加】

今後も、金融庁では、当該リストを3ヶ月毎に更新・公表することを予定しています(具体的には、2、5、8、11月末までの状況について、翌月上旬に更新・公表する予定です)。

また、2回目のリストの公表に合わせ、「機関投資家等の皆さまへ」と題するメッセージも公表していますので、関係者の方々はぜひご覧ください。

※詳しくは、金融庁ウェブサイトの「金融機関情報」の中の「日本版スチュワードシップ・コードの受入れを表明した機関投資家のリスト」にアクセスしてください。


(6)「金融商品取引法施行令の一部を改正する政令(案)」等(商品関連市場デリバティブ取引に係る行為規制関係)に対するパブリックコメントの結果等について

金融庁では、「金融商品取引法施行令の一部を改正する政令(案)」等(商品関連市場デリバティブ取引に係る行為規制関係)につきまして、平成26年5月30日(金)から同年6月30日(月)にかけて公表し、それらの結果等を同年8月1日(金)に公表しました。

本件の政令は、平成26年8月1日(金)に閣議決定され、内閣府令と併せて、同年8月6日(水)に公布されました。本件の政令・内閣府令は、平成26年9月1日(月)から施行されています。

本件の政令・内閣府令の主な改正内容は、以下のとおりです。

  • 金融商品取引法施行令の改正

    商品関連市場デリバティブ取引に係る金融商品取引契約の締結の勧誘について、勧誘受諾意思の確認義務及び再勧誘の禁止の対象とすることとしました。

  • 金融商品取引業等に関する内閣府令の改正

    • 商品関連市場デリバティブ取引について、勧誘受諾意思を確認する方法として、一定の取引関係にない個人顧客に対しては、訪問・電話によることを禁止することとしました。

    • 商品関連市場デリバティブ取引について、両建て勧誘の禁止、両建てに類する取引の受託の禁止、向かい玉の禁止、差玉向かいの説明義務の対象とすることとしました。

※詳しくは、金融庁ウェブサイトの「報道発表資料」から、「「金融商品取引法施行令の一部を改正する政令(案)」等(商品関連市場デリバティブ取引に係る行為規制関係)に対するパブリックコメントの結果等について」(平成26年8月1日)にアクセスしてください。


(7)「企業内容等の開示に関する留意事項について(企業内容等開示ガイドライン)」等の改正案に対するパブリックコメントの結果及び改正の実施について

金融庁では、「企業内容等の開示に関する留意事項について(企業内容等開示ガイドライン)」等の改正案について、平成26年6月30日(月)から同年7月30日(水)にかけて広く意見の募集を行い、その結果等を同年8月27日(水)に公表しました。

改正後の企業内容等開示ガイドライン等は、同日から適用されています。

具体的には、金融審議会「新規・成長企業へのリスクマネーの供給のあり方等に関するワーキング・グループ」報告書(平成25年12月25日公表)の提言及び同ワーキングにおける議論等を踏まえ、以下の改正を行いました。

  • (1) 「勧誘」に該当しない行為の明確化

    有価証券の募集・売出しに係る届出等の前においては、有価証券の取得・売付けに係る「勧誘」は禁止されているところ、同ワーキングにおける議論に従い、通常の業務の過程において行われる次の行為は「勧誘」に該当しない旨を明確化しました。

    • 募集等に係る有価証券の需要の見込みに関する調査(プレヒアリング)

    • 有価証券届出書提出の1か月以上前における情報発信

    • 法令又は取引所規則に基づく開示

    • 定期的な企業情報の発信

    • 新製品又は新サービスの発表

    • 投資者等の自発的な問合せに対する回答

    • アナリスト・レポートの公表

  • (2) 「特に周知性の高い企業」による届出の効力発生までの待機期間の撤廃

    「特に周知性の高い企業」による一定の条件を満たす有価証券の募集に係る届出の効力発生までの待機期間を撤廃することとし、同ワーキングにおける議論に従い、「特に周知性の高い企業」に該当する者の要件として、時価総額及び年間売買代金がともに1,000億円以上であることを定め、当該企業が行う希薄化率が20%以下の株式及び新株予約権の募集について、待機期間を撤廃しました。

※詳しくは、金融庁ウェブサイトの「広報報道」の中の「報道発表資料」から「「企業内容等の開示に関する留意事項について(企業内容等開示ガイドライン)」等の改正案に対するパブリックコメントの結果等について」(平成26年8月27日)にアクセスしてください。


(8)投資信託及び投資法人に関する法律施行令の一部を改正する政令等に対するパブリックコメントの結果等について

金融庁では、投資信託及び投資法人に関する法律施行令の一部を改正する政令等について、平成26年6月6日から平成26年7月7日にかけて広く意見の募集を行い、それらの結果等を平成26年8月29日に公表しました。

本件の政令は、平成26年8月29日に閣議決定され、内閣府令と併せて、平成26年9月3日に公布・施行されました。

本件の政令・内閣府令の主な改正内容は、以下のとおりです。

  • 投資信託及び投資法人に関する法律施行令の一部改正

    投資信託及び投資法人が主として投資対象とすることができる資産である特定資産に再生可能エネルギー発電設備及び公共施設等運営権を追加する等の規定の整備を行いました(以下、かかる規定の整備を「投信法施行令改正」という。)。

  • 投資信託及び投資法人に関する法律規則の一部改正

    投資法人が資産を主として不動産等資産に対する投資として運用することを目的とする場合はその旨を規約に記載することとされていますが、不動産等資産に再生可能エネルギー発電設備及び公共施設等運営権を追加しました。

  • 投資信託財産の計算に関する規則の一部改正

    投信法施行令改正に伴い、損益及び剰余金計算書に表示する項目として、再生可能エネルギー発電設備の賃貸収入や公共施設等運営権の売却損益等を追加する等投資信託財産の計算に関する事項について定めました。

  • 投資法人の計算に関する規則の一部改正

    投信法施行令改正に伴い、損益計算書に表示する項目として、再生可能エネルギー発電設備の賃貸収入や公共施設等運営権の売却損益等を追加する等投資法人の計算に関する事項について定めました。

  • 特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令の一部改正

    投信法施行令改正に伴い、投資信託及び投資法人に係る有価証券届出書に、有価証券及び不動産以外の特定資産について、当該特定資産の概況その他の投資判断に重要な影響を及ぼす事項を分かりやすく記載することとするなど、所要の整備を行いました。

その他、所要の改正を行いました。

※詳しくは、金融庁ウェブサイトの「報道発表資料」から、「投資信託及び投資法人に関する法律施行令の一部を改正する政令等に対するパブリックコメントの結果等について」(平成26年8月29日)にアクセスしてください。


(9)地域金融機関の地域密着型金融の取組み等に対する利用者等の評価に関するアンケート調査結果等の概要

  • 1. 調査目的等

    金融庁では、「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」に基づき、地域金融機関における地域密着型金融の取組みに関する利用者等の評価を把握するため、平成26年5月から6月にかけ、全国の財務局等において、各地域の利用者等を対象に、聴き取りによるアンケート調査を実施し、その結果を以下のとおり取りまとめました。

    利用者等:中小企業者483名、商工会議所・商工会の経営相談員等462名、
    消費生活センター職員等94名の計1,039名
  • 2. 地域密着型金融の取組み等に対する評価に関するアンケート調査結果(地域金融機関の取組みに対する評価)

    • (1) 地域密着型金融の取組み姿勢(全体評価)については、積極的評価とやや積極的評価を合わせると約5割で、積極的評価とやや消極的評価を合わせると1割台半ばとなっています。

    • (2) 個別項目では、「顧客企業への訪問等」に対する積極的評価が約2割と最も高いが、「目利き能力」や「ソリューションの提案力」、「事業再生・業種転換支援」等に対する積極的評価は1割以下と低い割合となっています。

(参考)アンケート調査結果の概要

(単位:%)

積極的 やや
積極的
やや
消極的
消極的
地域密着型金融の取組み姿勢(全体評価) 16.5 34.9 10.0 6.4
顧客企業への訪問等の姿勢 19.1 37.3 9.2 4.9
目利き能力(顧客企業の事業価値を見極め経営課題を発見・把握する能力) 4.1 27.6 17.2 8.2
ソリューションの提案力 3.7 22.4 16.4 9.2
顧客企業のライフステージに応じた取組み姿勢 創業・新事業開拓支援 11.3 27.0 10.9 5.4
成長段階にある取引先支援 10.6 35.9 6.2 3.8
経営改善支援 10.2 29.0 12.5 6.6
事業再生・業種転換支援 4.5 16.4 12.2 6.8
事業承継支援 5.7 19.6 8.5 5.5
ソリューション実行後のモニタリング 6.3 19.5 9.5 5.3
外部専門家・外部機関等との連携姿勢 11.5 24.8 11.4 6.7
地域の面的再生への積極的な参画 9.4 27.2 13.0 8.0
地域や利用者に対する情報発信の姿勢 5.8 27.8 14.7 6.8
情報発信の内容 38.3 32.2 10.7 1.6

※上記評価のほか、「どちらでもない」「わからない」との評価もある。

※詳しくは、金融庁ウェブサイトの「広報報道」の中の「報道発表資料」から「地域金融機関の地域密着型金融の取組み等に対する利用者等の評価に関するアンケート調査結果等の概要について」(平成26年8月15日)にアクセスして下さい。


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