アクセスFSA 第144号(2015年6月)
金融・資本市場活性化有識者会合にて 挨拶する麻生大臣(6月24日) |
(1)「金融グループを巡る制度のあり方に関するワーキング・グループ」の開催について
平成27年5月19日及び26日に「金融グループを巡る制度のあり方に関するワーキング・グループ」を開催しました。同会議は、平成27年3月3日に開催された金融審議会総会において、金融担当大臣から「金融グループの業務の多様化・国際化の進展等の環境変化を踏まえ、金融グループを巡る制度のあり方等について検討を行うこと。」との諮問を受け、金融分科会の下に設置されました。
平成27年5月19日に開催された第1回会議では、事務局から「金融グループを巡る制度の変遷等」について説明を行った後、小鈴裕之委員から「グローバル金融規制改革と金融グループを巡る動向」と題してヒアリングを行い、その後、同会議のメンバーによる討議が行われました。
平成27年5月26日に開催された第2回会議では、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループから、各グループのストラクチャーや経営管理の状況、規制の見直しについての要望事項についてヒアリングを行い、その後、同会議のメンバーによる討議が行われました。
今後、当面、関係者や有識者からのヒアリング等を実施していく予定です。
なお、当会議は公開ですので、どなたでも傍聴していただけます。
※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「審議会・研究会等」の中の「金融審議会」から「金融グループを巡る制度のあり方に関するワーキング・グループ」にアクセスしてください。
(2)「平成26年改正保険業法(2年以内施行)に係る政府令・監督指針案」に対するパブリックコメントの結果等について
金融庁では、平成27年2月18日から平成27年3月19日にかけて、「平成26年改正保険業法(2年以内施行)に係る政府令・監督指針案」を公表し、広く意見の募集を行い、その結果等を平成27年5月27日に公表しました。
本件の政令は平成27年5月22日に閣議決定され、本政令及び保険業法施行規則の一部を改正する内閣府令等は平成27年5月27日に公布されており、平成28年5月29日に施行されます(一部公布日施行)。
また、改正後の監督指針については、平成28年5月29日から適用されます。(但し、監督指針 II-4-4-1-1(5)については、平成27年5月27日から適用されます。)
本件の政府令・監督指針案の主な改正内容は、以下のとおりです。
1.保険業法施行令の改正
「保険募集人の関係者(業務委託先等)」に対する検査権限等について、財務(支)局長に委任しました。
2.保険業法施行規則及び保険会社向けの総合的な監督指針の改正
(1)情報提供義務の導入に伴う規定の整備
商品情報など、顧客が保険加入の適否を判断するに当たって必要な事項を、保険募集に際し、顧客に情報提供すべき事項として規定しました。
複数保険会社の商品から比較推奨して販売する場合、上記に加え、「比較可能な商品の概要」、「特定の商品の比較推奨を行う理由」について、情報提供を求める旨を規定しました。
(2)意向把握義務の導入に伴う規定の整備
保険商品や募集実態に応じた各保険募集人の意向把握を求めるため、具体的な意向把握のプロセスを例示しました。
(3)保険募集人に対する体制整備義務の導入に伴う規定の整備
保険会社による教育・管理・指導に加えて、保険募集人自身が、その業務を適切に行うため、自ら整備すべき体制を規定しました。
(4)その他
「保険募集の意義」及び「募集関連行為」について明確化する
電話による保険募集に係る監督上の留意点を規定する
など、所要の改正を行いました。
※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「広報報道」の中の「報道発表資料」から「「平成26年改正保険業法(2年以内施行)に係る政府令・監督指針案」に対するパブリックコメントの結果等について」(平成27年5月27日)にアクセスしてください。
(3)平成26年金融商品取引法等改正(1年以内施行)等に係る政令・内閣府令案等に対するパブリックコメントの結果等について
平成26年金融商品取引法等改正(1年以内施行)等に係る政令・内閣府令案等につきまして、平成26年10月27日(月)から平成26年11月27日(木)にかけて及び平成27年2月13日(金)から平成27年3月16日(月)にかけて公表し、それらの結果等を平成27年5月12日(火)に公表しました。
本件の政令・内閣府令等は、平成27年5月15日(金)に公布され、平成27年5月29日(金)から施行されています。
本件の政令・内閣府令等の主な改正内容は、以下のとおりです。
○金融商品取引法施行令の改正
【投資型クラウドファンディング等に係る制度整備】
(1)少額の有価証券の募集等の要件
第一種少額電子募集取扱業務及び第二種少額電子募集取扱業務における少額の募集の取扱い等の要件は、以下の通りとしました。
発行価額の総額:合計額が1億円未満
有価証券を取得する者が払い込む額:50万円以下
(2)最低資本金等
第一種少額電子募集取扱業者及び第二種少額電子募集取扱業者についての最低資本金は、以下の通りとしました。また、第一種金融商品取引業者である第一種少額電子募集取扱業者については、投資者保護基金への加入義務を課さないこととしました。
第一種少額電子募集取扱業者:1,000万円
第二種少額電子募集取扱業者:500万円
【新規上場の促進や資金調達の円滑化等】
(1)大量保有報告制度における短期大量譲渡の基準
平成26年金融商品取引法改正(以下、「法改正」という。)により、短期大量譲渡報告における記載事項から、僅少な株券等の譲渡先に関する事項を除外することとされ、当該譲渡先の具体的内容を定めることとしました。
また、株券等の譲渡以外の事由により「株券等保有割合」が減少した場合を、短期大量譲渡報告の適用基準から、除外することとしました。
(2)内部統制報告書の監査証明を要しない期間の起算日
法改正により、新規上場後3年間は内部統制報告書の監査証明を要しないこととされました。これに伴い、3年間の起算日として、上場有価証券の発行者に初めて該当することとなった日等を定めることとしました。
【金融指標に係る規制の導入】
(1)特定金融指標算出者による届出書類の提出期限
特定金融指標算出者が、特定金融指標算出者としての指定を受けた日から必要書類を内閣総理大臣に届け出る期間を定めることとしました。
(2)業務規程の認可を受ける期限
特定金融指標算出者が、特定金融指標算出業務に関する業務規程を定め、特定金融指標算出者としての指定を受けた日から内閣総理大臣の認可を受ける期間を定めることとしました。また、外国の者については、金融庁長官の承認を得ることにより、期限を伸長することができることとしました。
○内閣府令の改正
【投資型クラウドファンディング等に係る制度整備】
金融商品取引業等に関する内閣府令の改正
電子募集取扱業務等に係る規制等の整備として、以下について定めることとしました。
(1)金融商品取引業者の業務管理体制の整備義務に関して、その業務内容に応じた業務管理体制の具体的内容を規定しました。
(2)電子募集取扱業務を行う際の重要情報提供義務に関して、契約締結前交付書面に追加的に記載する事項並びに情報通信の技術を利用する方法で公表しなければならない事項及び公表の方法を規定しました。
【新規上場の促進や資金調達の円滑化等】
財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するための体制に関する内閣府令の改正
法改正により、一定規模以下の新規上場企業について、新規上場後3年間は内部統制報告書の監査証明を要しないこととされました。これに伴い、当該規定を利用できない新規上場企業の資本の額その他の経営の規模として、資本金100億円以上又は負債総額1,000億円以上と定めることとしました。
企業内容等の開示に関する内閣府令、特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令及び外国債等の発行者の内容等の開示に関する内閣府令の改正
訂正目論見書に関し、インターネットを用いて募集・売出しの発行条件を閲覧させる方法について、従来の「情報の取得に関する確認」を改め、売付け等の際に「発行(売出)価格又は利率及び払込金額を通知」することを条件としました。
【金融指標に係る規制の導入】
特定金融指標算出者に関する内閣府令の新設
特定金融指標算出者が策定すべき業務規程の記載事項等について定めることとしました。
【その他の改正事項】
発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令及び発行者による上場株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令の改正
(1)「買付け等の通知書」における押印の不要化
公開買付者が公開買付けの終了後に応募株主に送付する「買付け等の通知書」について、押印を不要とすることとしました。
(2)公開買付届出書における譲渡予定先の記載の簡略化(※)
公開買付届出書に記載する株券等の譲渡予定先に関する情報(会社の沿革や事業内容等)について、有価証券報告書の該当箇所を記載した書面を添付することにより記載を簡略化できることとしました。
(3)株券等所有割合の計算における重複計上に係る見直し(※)
公開買付規制における株券等所有割合の計算について、買付者と特別関係者の間で株券等の引渡請求権が存在する場合等における重複計上を回避するための措置をとることとしました。
※ 発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令のみ
株券等の大量保有の状況の開示に関する内閣府令の改正
大量保有報告書等の提出者が個人である場合には、当局に対して「番地」及び「生年月日」を記載した書面を提出することを条件に、大量保有報告書等におけるこれらの記載を不要とすることとしました。
その他、所要の政府令、告示、ガイドライン、監督指針の改正を行いました。
※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「広報報道」の中の「報道発表資料」から、「「発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令」等の改正案の公表について」(平成26年10月27日)、「平成26年金融商品取引法等改正(1年以内施行)等に係る政令・内閣府令案等の公表について」(平成27年2月13日)、「平成26年金融商品取引法等改正(1年以内施行)等に係る政令・内閣府令案等に対するパブリックコメントの結果等について」(平成27年5月12日)にアクセスしてください。
(4)プリペイドカードの購入を指示する詐欺業者にご注意ください!
プリペイドカードが広く販売されるようになり、様々な場面で利用可能な決済手段として発展している中、プリペイドカードを不正に取得しようとする詐欺業者とのトラブルが発生しております。
○プリペイドカードそのものを相手に渡していないので安心してしまいがちですが、カードに記載された番号等を相手に伝えることは、購入した金額(価値)を相手に全て渡したことと同じです。
後になってだまされたことに気づいても、いったん相手に渡した価値を取り戻すことは非常に困難です。
○アダルトサイトのワンクリック請求など、業者がプリペイドカードを購入するよう指示する場合、その業者は詐欺業者である可能性が高いので、業者から指示されても、プリペイドカードを購入したり、そのカード番号等を伝えることは絶対に行わないようにしてください。
○少しでも不審に思った場合には、以下の連絡先までご相談ください。
金融庁 金融サービス利用者相談室(平日10時00分~17時00分)
Tel(ナビダイヤル) 0570-016811
※IP電話からは、03-5251-6811におかけください。
Fax 03-3506-6699
各地方公共団体 消費生活センター等の消費生活相談窓口
最寄の消費生活相談窓口をご存知ない方には、「消費者ホットライン(電話:0570-064-370)」で、窓口をご案内いたします。
(受付時間等は、窓口により異なります。一部のIP電話等、ご利用いただけない場合があります。)
※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「広報報道」の中の「報道発表資料」から「プリペイドカードの購入を指示する詐欺業者にご注意ください!」(平成27年5月29日)にアクセスしてください。
(5)「第5回多重債務問題及び消費者向け金融等に関する懇談会」の開催について
平成27年5月18日に第5回多重債務問題及び消費者向け金融等に関する懇談会を開催しました。当懇談会は、改正貸金業法完全施行後の貸し手・借り手の状況をフォローしつつ、今後取り組むべき施策等について検討するため、平成24年9月に多重債務者対策本部の下に設置されたものです。
第5回懇談会においては、関係省庁から多重債務者対策をめぐる現状及び施策の動向(平成27年度予算における各省庁の施策や自治体の多重債務者相談窓口の運営状況等)について報告が行われた後、自由討議が行われました。
※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「広報報道」の中の「報道発表資料」から「第5回多重債務問題及び消費者向け金融等に関する懇談会の開催について」(平成27年5月11日)及び首相官邸ウェブサイトの「多重債務問題及び消費者向け金融等に関する懇談会」にアクセスしてください。