谷本金融担当副大臣挨拶
(平成21年2月4日(水) 地域密着型金融に関するシンポジウム(沖縄県))

地域密着型金融に関するシンポジウムの開催に当たりまして、一言、ご挨拶申し上げたいと思います。本日は、この大変お忙しい中を、本シンポジウムに多数の皆様方にお集まりいただき、心から感謝申し上げます。また、日頃から金融行政にご協力いただき、厚く御礼申し上げます。

我が国経済をとりまく情勢を考えますと、現状では、景気は急速に悪化していると言わざるを得ません。加えて、世界的な金融危機の深刻化や世界景気の一層の下振れ懸念、また株式・為替市場の大幅な変動の影響など、景気をさらに下押しするリスクも存在することに留意していく必要があります。

沖縄経済につきましても、現状は弱含んでおり、先行きを心配する声が強まっていると聞いております。

政府といたしましては、昨今の内外金融・経済情勢の急激な変化等に対応するため、金融・経済の安定強化を図るための各般の施策を現在講じているところであります。

一つには、金融不安や景気後退の影響を受けやすい中小・小規模企業について十分な資金繰り対策を実施することとして、セーフティネット貸付・保証枠について、先般、合計30兆円規模に拡大をいたしました。また、中小・小規模企業向け融資の貸出条件緩和が円滑に行われるための措置を講じまして、金融機関に対しても、中小企業の実態を踏まえた柔軟な対応をより一層徹底していただくように要請いたしました。

また、昨年12月17日には、改正金融機能強化法を施行いたしました。この改正金融機能強化法は、国の資本参加を通じて、金融機関の金融仲介機能を強化することによって、厳しい状況に直面する地域経済、中小企業を支援することを目的としております。もちろん、同法に基づく国の資本参加は、金融機関の申請を受けて行われる仕組みになっております。

一方、全国の財務局や沖縄総合事務局において、同法の金融機関向け説明会を昨年末に行うなど、金融庁としても同法の周知徹底に努めているところです。金融機関におかれましては、中小企業をはじめとする借り手企業が期待する金融仲介機能を適切かつ十分に果たしていくために、いわば「先を読む経営」に取り組んでいただき、その中で資本増強という経営判断をなさる場合には、この制度の存在も踏まえて積極的なご検討をお願いしたいと思っております。

言うまでもなく、金融機関は、資金の円滑な供給という経済の動脈ともいうべき重要な役割を担っています。現在の厳しい環境の中で、金融機関が担うこの役割の重要性、そして寄せられている期待の大きさは、強調しても強調しすぎるということはないものと考えます。

特に、沖縄県内の金融の担い手である沖縄の金融機関の皆様方におかれましては、顧客との長期的な取引関係を維持する中で、早め早めの経営改善を実施して事業再生を図るとともに、中小企業に対する貸出機能を強化する「地域密着型金融」の推進を図っていくことによって、借り手企業の経営実態や特性に応じたきめ細かな対応を行っていくことが一層重要となっていると考えます。

本シンポジウムは、最初に特色ある取組みとして、取引先企業に対する経営相談・支援機能の強化についての事例を紹介していただくことになっております。続いて各界からお集まりいただいたパネリストの皆様に「金融円滑化と良好なリレーションシップに向けて」をテーマにパネルディスカッションを行っていただくこととしておりますのでしっかりご静聴いただきますようお願いいたします。

最後になりますけれども、繰り返しになりますが、日本全体が非常に厳しい経済環境になってきております。このような時こそ、本当の意味で金融機関の本来の仕事である、しっかりと企業を支え、資金を円滑に供給する、この役割をしっかりと支えていただきたい。それに対して金融庁を含め、政府としても、その手助けをできる範囲、できる限り、可能なことはできるだけ早くという対応を心がけていきたいと考えておりますので、本シンポジウムを通しまして、しっかりと沖縄の金融機関の皆様、そして中小企業の皆様が、支えあう形を構築していただければと思います。

最後に本日お集まりいただいた皆様に心から感謝申し上げまして、簡単ですが私の挨拶に代えさせていただきます。どうもありがとうございました。

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