宇野金融担当大臣政務官挨拶
(平成21年2月13日(金)地域密着型金融に関するシンポジウム(熊本県))

本日は、本シンポジウムに多数の皆様方にお集まりいただきまして誠にありがとうございます。既に本シンポジウムも全国各地で何回か開催させていただいております。全国で各地域の皆様方のいろんな事例発表をしていただいて、少しでもその地域の活性化に金融機関自らお役立ていただきたい、また、ご指導いただきたいという思いでやらせていただいているということ、よろしくご理解を賜りたいと思っております。

もう先ほど来いろいろお話があったと思いますが、今、世界経済は大変厳しい状況にあります。そういう中で、政府といたしましては昨年8月に「安心実現のための総合経済対策」を発表いたしまして、また10月に「生活対策」、さらにはリーマンショック等々の急激な経済変化に対し「生活防衛のための緊急対策」と、大きく3つの対策を打って少しでも早く経済を持ち直したい、そんな思いで政策を進めてきているわけでございます。おかげさまで「総合経済対策」のための第一次補正予算は既に10月16日に成立し、皆様方にも関係しております中小・小規模企業の資金繰り対策としてのセーフティーネット貸付・保証枠の9兆円というものが動き出しております。これも皆様方に本当にお力添えいただいた結果でございます。さらに、先ほどお話ししました「生活対策」、「緊急対策」等々のための第二次補正予算が1月27日に成立をいたしました。ここには、先ほどのセーフティーネット貸付・保証枠の9兆円を拡大して30兆円という大きな枠をつくりまして、この3月の年度末に対応できるような対策をしていきたい、そういう思いでございますし、ぜひ皆様方には年末と同じような態勢を取っていただいて、年度末にも円滑な資金融資ができるようにお願いをしたいという思いでございます。

そういう状況の中で、中小企業向け貸出金の条件緩和がしやすくなる措置というのも行わせていただきました。さらには、自己資本比率等々の関係での規制の弾力化もさせていただきました。それから、資金の十分な供給ができるように金融機能強化法を打ち立てまして、皆様方の資金力を上げてもらいたいという思いで、そういう法律も動いているわけでございます。おかげさまで九州で1行、金融機能強化法に手を挙げていただいた銀行があるわけでございます。我々にとりましては、これはあくまで銀行の体質強化という思い以上に、国からの資金注入を、これを中小企業にお渡しいただきたい。そういう思いで、これを作ったということもご理解いただきたいと思います。以前も同じような体制を作ったわけでありますが、どうしてもそれを受け入れるとなると「自行の経営状況が非常にまずいんじゃないか」という噂が立つということもあり、なかなか受け入れていただけなかったわけであります。今回、我々は決して体質強化のためにお願いするんではなく中小企業の今の経済の落込み、これに対して中小企業にしっかりとした資金力をもってお渡しをいただきたい。そういう意味での資金注入だということを、盛んにマスコミにもお話をしているわけあります。ぜひ、皆様方にもこの辺のところをご理解いただきたいと思います。これまで過去3回ほど金融担当大臣である中川大臣が、全国銀行協会の方々などにお集まりいただきましてお話をしているわけでございますが、やっと今3行ほど手を挙げていただいたという状況であります。十分な資金をお持ちのところは別に問題ないわけでございますけど、まだまだこれから3月期、大変な需要がありそうだなというようなところには、ぜひ手を挙げていただいて資金の注入を図っていただいて、中小企業への円滑な資金供給ができるようにしていただきたいということをお願いするわけでございます。特に私の方からは今の政府の状況、これをもう一度皆様方にご理解を賜りたい、そんな思いでお話をしているところでございます。

私も資料を見させていただきました。その中で、やはりこの地域の特性なのか、農業関係に対する、いろんな制度をお作りいただいたり、融資をしていただいており、これはまさに今この地域の地域性を表しているものだと思います。さらには、もう1行は預金を獲得する新たな方策ということでの発表もあったということでございます。特に農業関係については先ほど来お話もあったと思うのですが、JAバンクが今までいろいろとやっていただいているわけでございます。ただしやはりJAバンクと皆様方地域金融機関との大きな違いというのは、JAバンクは物をつくる生産をするというところまでは一生懸命やれるんですけれど、それ以降の加工、流通、こういうところになると若干弱い面もあるのかなと。それを私は、皆様方地域金融機関は、いろんな企業とお付き合いをしている、そういう中で、幅広い状況の中からつくったものを加工する、流通する、そういうところまで幅広く皆様方からアドバイス等々ができる大きな強みを持っているんではないかなという思いをしております。ぜひ、皆様方には地域の農業、また地域の企業をさらに発展させるためにもご努力を賜りたいと、そんなこともお願いを申し上げたいと思っております。

政府といたしまして、本当に皆様方には日頃お世話になり、いろいろとお願いもしているわけでありますけれど、特に今の経済状況に応じて財務局も事あるごとに皆様方に伺っていろんな状況を聞かせてもらいたいということで、今まで以上に財務局の職員が皆様方のところに伺っていることが多いと思います。ぜひ忌憚のないご意見をお聞かせいただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。

今日は、本当に長時間にわたりましてシンポジウムにご参加いただきまして、本当にありがとうございます。どうか、今日の内容をさらに深めていただき、また広めていただいて地域の発展のためにご努力いただきますことをお願い申し上げ、本日お集まりの皆様方のご健康、ご多幸、さらには金融機関の皆様方のご隆盛を願いまして、私の挨拶とさせていただきます。

どうもありがとうございました。

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