宇野金融担当大臣政務官挨拶
(平成21年2月20日(金)地域密着型金融に関するシンポジウム(宮城県))

本日は、この東北の地において地域密着型金融に関するシンポジウムを開催させていただきました。本当に多くの皆様方にお出かけいただいたこと、改めて感謝を申し上げたいと思います。

今日はこれから、いろいろな事例発表がございます。金融界の皆様方も多いかと思います。ぜひご参考にしていただき、これからの皆様方の金融機関でのいろいろな活動にお役立てをいただきたい。どうぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。

ご承知のように昨年の9月15日にリーマンショックがあり、これから大きな景気の低下になったわけであります。実は、9月15日ということでありますが、この傾向は一昨年の8月ぐらいから、ある意味ではサブプライムローンの問題という形で動いていたわけでありますけれど、日本の場合は、体力が大変良かったこともありまして、さほど大きな影響がなかった。ただ、昨年の9月15日ということが大きな契機になりまして、今の経済の状況になったわけであります。

そういうこともありまして、政府といたしましては8月29日、まず対策を打ち、第一次補正をさせていただきました。これは生活者支援ということが主体であったわけでありますが、その第一次補正の審議をやっている最中にもう既に第二次補正をしなければいけないということで、ここで大きな金融に対する支援をさせていただこうということで緊急保証、またセーフティネット等の拡大の話が出てきたわけでございます。

おかげさまで、10月30日にそれが動き出しましてから、緊急保証100%の保証協会付の融資等々が、金融機関の皆様方のご協力をいただきまして順調に進んできて、確かに倒産件数は減ったというわけにはならないわけでありますが、しかしやらなければもっと多かったのではないかというのが、年末にかけての状況だったと思います。

しかしながら、年末は越すことができたわけでありますが、3月の年度末に向けて、また今度第二波が起こるであろうと。さらには、年度が始まりまして4月、5月、6月ごろには第三波が来るだろうと。そういう大きな金融というか、資金需要というのが各企業で起こってくるのではないかと思っております。そういうものに対して、既に私どもは金融機能強化法という金融機関への資金注入が可能になる法律を作らせていただきまして、多くの資金を持たせていただき、皆様方からの申し出を待っているわけでありますが、今のところ3行だけがその方向になる予定だということで、さらに皆様方の申し出をお待ちしております。

ただ、いろいろとお話を聞いておりますと、この機能強化法につきましては、金融機関の皆様方は風評被害を恐れていらっしゃる。要は、一時期、以前のこの機能強化法については、これを受けた金融機関は大変その資金力が危ないんだと、体力が危ないというようなことで借りたというようなことがあったわけでありますけれど、今回、私どもがこの強化法を新たにさせていただきましたのは、あくまで皆様方の体力を上げてくれ、そういう思いではなく、借りたものは中小企業の皆様方にお貸し願いたい。中小企業の皆様方の経営に寄与していただきたいという思いでやらせていただきます。それが基本でございますので、風評被害はないということを言いたいわけでありますけれど、ぜひマスコミの皆様方にも、そういう意味での機能強化法の対応へのご理解をお願いしたいということを口酸っぱくお願いをしているわけでございます。ぜひ、先ほどお話ししましたように、要は最終的に金融機関の皆様方の体力を作るのではなく、金融機関の皆様方のお客様を救うんだということでの機能強化法だということをご理解していただきたい。まず一つお願いを申し上げる次第でございます。

そういう機能強化法をやらせていただきましたけれども、それ以外にも貸出条件緩和債権の見直しに関する金融検査マニュアル等の改定等々いろいろと今やらせていただいているところでございます。これは中小企業への資金の貸出しに際してのいろいろな問題点を解消しようということでやらせていただくわけでございますので、ぜひご理解をいただき、今日この後お話しいただきますいろいろな事例についても、まさにその貸出しというところの新たなやり方であるかと思います。そういう意味でのご理解を賜りたい。

また、各シンポジウムで取組み事例として発表されているものの中には、農業に関する取組みもございます。

今まで、農業というのはJAの牙城だというようなことも言われていたわけでありますが、そこに新たに地域の金融機関に参入していただく。私はこの地域の金融機関が入ることは、まさに農業の生産ということへの資金投入でなく、さらに広がった流通・加工という皆様方の金融機関がお持ちのいろいろなルート、いろいろなアンテナを農業の方に向けていただける、そんなことにもなるのかなというふうに思っております。こういう新しい分野の開拓が今あるんだということも、ぜひ今日勉強していただければと思います。

いろいろお話をさせていただきましたが、ぜひ今日のこのシンポジウムのこれからのいろいろな話が、金融機関の皆様方の大きな礎になるように、また今日は民間の企業の方もおられると思います。この金融機関がこういうことをしているんだということで、安心して金融機関へのいろいろな相談をしていただければなという思いでございます。

ぜひよろしくお願いを申し上げ、本日お集まりの皆様方のご健康、ご多幸、さらにはこの後話をいただきます金融機関の皆様方のご発展、またこの地域の金融機関の皆様方のご発展を祈念いたしまして、私の冒頭のご挨拶とさせていただきます。

どうもありがとうございました。どうぞよろしくお願い申し上げます。

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