宇野金融担当大臣政務官挨拶
(平成21年3月5日(木)地域密着型金融に関するシンポジウム(福岡県))

本日は、地域密着型金融に関するシンポジウムに地域の皆様方、本当に多くの方にお集まりいただきまして、これから開催させていただくわけでございます。本当に、皆様方にお出かけいただきましたことに改めて感謝申し上げたいと思います。どうか、今日事例発表いただきます皆様方の、また、事例を聞いていただきながら皆様方の金融機関での活動にお役立てをいただければということを、まずお願いを申し上げる次第でございます。

実は私が今日来ましたのも、今の状況を少し皆様方にご理解いただきたいということで伺ったわけでございます。今年度のシンポジウムは、昨年秋頃から各地域でやらせていただいております。ちょうどスタートした頃から、大変厳しい状況になってきたということもありまして、全国のシンポジウムに出かけさせていただき、そのときにいろいろなお話をさせていただき、またさらにその地域の金融機関を回らせていただき、現状認識を新たにしたいということで、伺わせていただいているわけでございます。

まず私の方からは、今の経済対策についてお話をさせていただきたいと思います。すでに新聞等で十分皆様方ご承知いただいていると思いますが、政府はこれまで三つの大きな対策を打たせていただいております。始めに、総合経済対策を8月の末に打たせていただき、その後生活対策、さらには、緊急対策という形でやらせていただき、この間、金融対策では、セーフティネット・緊急保証等を含めて、ものごとが進んでいるのではないのかなと思います。

特に私どもが心配しておりましたのは、昨年の末の各企業の資金繰り、これがどうなるのか。そのためにも中小企業庁が主体になった保証協会による緊急保証をやっていかなければいけないということから、大きな保証枠をつけてやらせていただいたわけであります。各金融機関の皆様方のお力をいただきながら、各中小企業の皆様方には、なんとか、円滑な資金調達ができたのではないか、決して倒産件数が減ったというわけではないかと思いますが、しかしながら、もしやらなければもっと大変な倒産件数になっていただろうというお話をいただいております。

しかしながら、これから第二波が3月の末、年度末にやってくるわけでございます。金融機関の方で、もう既にいろんな話で大体終盤頃になってきているのではないかと思いますが、ぜひこの年度末に対しても、年末に比べたらさらに増えてくるのではないかなという思いがあります。是非それについても円滑な資金供給をしていただければという思いでございます。

また年度が改まりますと、今度は本格的な経済活動という意味での資金調達が各企業から出てくるのではないだろうか、第三波が起こってくるのではないだろうかと思います。これに対しても、さらに皆様方にお願いするところではございますが、こういう第一波、第二波、第三波というような大きな資金需要が出てくる中で、皆様方の体力というのも大変厳しい部分があるかと思います。

そういう中で、金融機能強化法という法律を出させていただきましたが、この機能強化法は、今回は改正機能強化法であります。最初の機能強化法の時には、どちらかというと皆様方の経営体質を改善したいという思いからの資金注入が主であったわけでありますが、今回はガラッと変わって、資金注入で体力を維持していただくということではなく、その資金注入したものを中小企業にお渡しを願いたい、そういう思いで政府は対策を打たせていただいたわけでございます。まだこの機能強化法の下では3行しか検討を表明していないわけでございますが、決して多いことを喜ぶわけではありませんが、皆様方のところに企業の皆様がお話しに来て、もう資金がないからお渡しができないというような状況には絶対していただきたくないというのが我々政府の思いでございます。

よく、この金融機能強化法を活用すると風評被害が起こるのではないか、その銀行は体力が弱いのではないか、ということを心配なさる経営幹部の方々がおられます。我々金融庁としてはその方々のためにも、しっかりとしたPRをさせていただき、今回の資金注入については皆様方の体力というか皆様方の経営体質をよくするということではなく、それを中小企業にお渡しする意欲のある銀行なんだということをお話しさせていただいておるところでございますので、ぜひそういう思いを再度お考えいただきまして、この機能強化法に対する資金注入にもぜひ前向きにご検討いただきたいなという思いでございます。

すでにご承知だと思いますが、各銀行からしますと、この強化法を使うに当たっては定款の変更も必要になるわけでございます。この定款の変更は2か月くらいかかると聞いております。こういうことを鑑みながら、6月には各銀行でも株主総会が行われるかと思いますが、その節にはぜひ定款変更の話も出てきて、それはあくまでも準備でございますから、最終的には皆様方の申請がスタートでございますが、準備は怠りなくやっていただきたいなという思いでございます。

今、我が国の中小企業は、大変苦労しております。ましてサブプライムローンで始まりましたこの危機により、大変悲鳴をあげていることは皆様方が一番良くお解りいただいているわけですから、その分我々政府との思いと協調して、中小企業をお救いいただきたいということをお願いをするところでございます。

さらに昨日、参議院の方で最終的に成立しました株式の買取機構、これも動き出すわけでございます。この件につきましては、今となると若干、株価が大分下がってきたということで今買取りされても赤字が出るだけだという金融機関が多いかと思いますけれど、これもある意味ではお使いをいただきながら、その損失をいかに少なくするかというようなことで、政府もまさにこれは金融機関の体力、また経営体質をよくするという思いでの考え方でございますので、ぜひご理解いただき、この法律は政府が出した法律ではなく、与党の議員立法で出させていただいたものだということもご理解を賜りたいなというふうに思っております。

そういういろいろな対策を政府は打っているところでございます。ぜひ皆様方にはご理解をいただきながら、なんとしてでも、今のこの不況から少しでも立ち直らなければならないという麻生総理の思いを実現させていただきたいということをお願い申し上げる次第でございます。

本日は、これからまたシンポジウムも始まりますし、また今から基調講演もございます。そういう金融に関係するお話があるわけでございますが、ぜひ、今日のこの一日を大きな機会に捉えまして、明日からのまた活動にお力添えを賜りますことをお願い申し上げまして、私の冒頭の挨拶とさせていただきたいと思います。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

ありがとうございました。

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