英語版はこちら新しいウィンドウで開きます

平成23年6月21日

“IFRS 適用に関する検討について”
2011年6月21日 金融担当大臣 自見庄三郎

  • 我が国における国際会計基準(IFRS)の適用に関しては、2009年6月に、企業会計審議会より「我が国における国際会計基準の取扱いについて(中間報告)」が示され、2010年3月期以降任意適用が認められたが、その後、国内外で様々な状況変化が生じている。

    • 米国ワークプランの公表(2010年2月)
    • IASBとFASBがコンバージェンスの作業の数か月延期を発表(2011年4月)
    • 「単体検討会議報告書」の公表(2011年4月28日)
    • 産業界からの「要望書」の提出*(2011年5月25日)
    • 米国SECのIFRS適用に関する作業計画案の公表**(2011年5月26日)
    • 連合 2012年度重点政策***(2011年6月)
    • 未曾有の災害である東日本大震災の発生
    • IFRSへの影響力を巡る、アジアを含む国際的な駆け引きの激化
  • IFRS適用については、「中間報告」において方向性が示されているが、上記の「中間報告」以降の変化と2010年3月期から任意適用が開始されている事実、EUによる同等性評価の進捗、東日本大震災の影響を踏まえつつ、さまざまな立場から追加の委員を加えた企業会計審議会総会・企画調整部会合同会議における議論を6月中に開始する。この議論に当たっては、会計基準が単なる技術論だけでなく、国における歴史、経済文化、風土を踏まえた企業のあり方、会社法、税制等の関連する制度、企業の国際競争力などと深い関わりがあることに注目し、さまざまな立場からの意見に広く耳を傾け、会計基準がこれらにもたらす影響を十分に検討し、同時に国内の動向や米国をはじめとする諸外国の状況等を十分に見極めながら総合的な成熟された議論が展開されることを望む。

  • 一部で早ければ2015年3月期(すなわち2014年度)にもIFRSの強制適用が行われるのではないかと喧伝されているやに聞くが、「少なくとも2015年3月期についての強制適用は考えておらず、仮に強制適用する場合であってもその決定から5-7年程度の十分な準備期間の設定を行うこと、2016年3月期で使用終了とされている米国基準での開示は使用期限を撤廃し、引き続き使用可能とする」こととする。


※参考

  • *【産業界 我が国のIFRS対応に関する要望(2011年5月) 要旨】

  • (1)上場企業の連結財務諸表へのIFRSの適用の是非を含めた制度設計の全体像について、国際情勢の分析・共有を踏まえて、早急に議論を開始すること。

  • (2)全体の制度設計の結論を出すのに時間を要する場合には、産業界に不要な準備コストが発生しないよう、十分な準備期間(例えば5年)、猶予措置を設ける(米国基準による開示の引き続きの容認)こと等が必要。

  • **“Work Plan for the Consideration of Incorporating International Financial Reporting Standards into the Financial Reporting System for U.S. Issuers Exploring a Possible Method of Incorporation“ A Securities and Exchange Commission Staff Paper May 26, 2011

  • ***【連合 2012年度重点政策(2011年6月)】

  • (4)労働者など多様な関係者の利益に資する企業法制改革と会計基準の実現

    (略)

    b)上場会社の連結財務諸表に対してIFRS(国際財務報告基準・国際会計基準)を強制適用することを当面見送る方針を早期に明確にする。また、個別財務諸表に対する会計基準は、注記などによる透明性確保を前提に、日本の産業構造や企業活動の実態に照らして適切な事項のみをコンバージェンス(収れん)し、その結果として連結財務諸表と個別財務諸表の会計基準が異なることも許容する。(以上)