平成23年7月29日

和田金融担当大臣政務官挨拶
(平成23年7月29日(金)財務局長会議)

政務官の和田でございます。私からは2点申し上げます。

国会の議論を通じまして、被災地を中心に地域の金融を立て直すことが日本全体の復興の最重点の要素であろうと考えております。その一つとしましては、国会でも大きな議論になり、まだ全てが収束しているわけではございませんが、先ほど大臣からご紹介のありました、「二重債務問題」について、さまざまなツールを用意し、地域の皆様方が解決を図っていただけるよう最善を尽くし、環境を整えていく所存でございます。

まず、1点目として、金融機能強化法により各地域金融機関の資本力をしっかり維持すること、そして、被災地を中心としてではございますけれども、これから先、過去の債務に対してどのような支援ができるのかということで、今まで都道府県単位で設けられておりました、「中小事業再生ファンド」に人的体制も整えつつ、買取りの機能、出資の機能、そしてデッド・エクイティ・スワップの機能などを整えよう、というのが政府の考え方でございます。これまでに、野党からもさらに他の提案も出てきている状況でございまして、買取りについてはどのような組織を使うのかなど、もう少し収束までに時間がかかると思われますが、どのようなものに決まるとしても、利用を図っていくという視点からは、地域で金融仲介機能を担っていただいている地方銀行、信金、信組等の債務者と真摯に向き合って、地方経済を立て直すという決意が必要であろうと思っております。日頃から地方経済を見ていらっしゃいます、財務局長、財務支局長、財務事務所長等の皆様におかれましては、是非、そうした実態をご覧になっていただき、適切なアドバイス等をいただきたいと思っております。

2点目でございますが、「二重債務問題」とは関係ございませんが、私が内閣府の中でいくつか担当しております職務のうち、是非、地域の財務局においてご協力いただきたい点がございます。

私は、これまで与謝野大臣の下で「社会保障・税一体改革」に取り組んでまいりました。先般、全体の方針が取りまとめられているところでございますが、その中で、将来、地域金融機関の皆様方にも利用価値が高いものになると思いますが、社会保障と税を一体として、国民の皆様方に分かりやすくご提供するため、「共通番号制度」の導入を提唱いたしました。

これにつきましては、金融庁としてもさまざまな分野から検討に加わっているところでございますが、将来の民間の利用ニーズというものを全国からどんどんくみ上げていただきたいと思っております。現在のところは、社会保障と税の分野において使うということを第一弾として取り組んでまいりますが、次のフェーズで、どれだけ民間ニーズをくみ上げて、国民の皆様方に「利用価値が高い」とご判断いただけるかということを決めていく際に、金融機関の役割というものは非常に大きいと思っております。

そうした意味におきまして、財務局長の皆様が地域金融機関の長とお話し合いになる機会はたくさんおありになると思いますので、是非とも、今の時期からこうした民間ニーズを金融機関が主導しながら拾い上げていく、そして、全体として民間利用を促進できるような将来計画を立てていく、こうしたことにお力をお貸しいただければと、与謝野大臣のご意向としても承ってまいりました。

この場をお借りして、お願いを申し上げるのは恐縮でございますが、是非、ご検討をよろしくお願いいたします。

日頃より各地域経済の実態をお知らせいただいていることに感謝を申し上げまして、私のご挨拶とさせていただきます。

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