自見金融担当大臣挨拶「第87回信託大会」(平成24年4月16日(月))

ご紹介をいただきました、金融を担当させていただいております国務大臣の自見庄三郎でございます。

本日は、大正十五年創立であります信託協会主催の第八十七回信託大会にご案内いただき、挨拶する機会を与えていただきまして、北村会長を始めとした会員の皆様方に心から御礼を申し上げる次第でございます。また、皆様方には、平素より、金融庁の政策や業務の運営に多大なるご協力をいただいておりますことに対しても、この席をお借りしまして、厚く御礼を申し上げます。

本大会の御盛会をお慶び申し上げますとともに、私の方から二点申し述べさせていただきます。

まず一点目は、北村会長のお話にもございましたが、東日本大震災からの復興ということでございます。地震、津波、それによって引き起こされた原子力発電所の事故は、未だ収縮しておりません。まさしく国難でございましたが、我が国に甚大な被害をもたらした東日本大震災の発生から一年が経ち、政治や国民に与えられた重大な課題は復興であります。本年は、まさに「復興元年」とも言うべき重要な年であり、官民の総力を結集して、被災地域における本格的な復興を着実に進めていかなければなりません。

このような中、平成二十四年度税制改正において、復興支援として「地方公共団体が委託者となる土地信託に係る登録免許税の非課税措置」が措置されました。

復興に当たっては、公的主体の取組みはもとより、民間の力が最大限に発揮されることが重要であり、信託銀行等が長い間の歴史あるいはご苦労を通じて有しておりますノウハウや信託機能が十二分に発揮されることを心から期待しております。

二点目といたしまして、年金信託を巡る諸課題ということでございます。

AIJ投資顧問の問題を契機として、年金基金の運用に高い関心が集まっております。投資一任業者や年金基金のガバナンス・責任についてはもちろん、国会等では、運用・管理受託機関としての信託銀行の役割についても関心が寄せられております。

今回の事案を踏まえ、信託協会におかれましては、「年金資産管理業務等のあり方に関するワーキンググループ」を速やかに設置していただき、信託銀行としての対応等について実務的な検討を主体的・積極的に進めていただいていると承知しております。

金融庁といたしましても、あらゆる選択肢を排除することなく、実務慣行のあり方を含めて幅広く予断を持たずに検討を行い、大正十五年創立という歴史と伝統と、風雪に耐えた貴協会をはじめ関係省庁・団体とも連携して再発防止に全力を挙げて取り組んでまいりますので、よろしくご協力をお願い申し上げます。

最後になりましたが、信託は、財産の運用や管理のほか、流動化といった様々な面で活用され、経済活動に深く浸透しております。また、一連の信託関連法等の改正により、多様化するニーズに対して、より柔軟に対応することができるようになり、社会の関心と期待は非常に高まっております。

私は医者でございますから、皆様におかれましては健康にはご注意頂き、社会のためにしっかりと貢献していただきたいということを担当国務大臣として祈念をさせていただく次第でございます。信託業界の今後の更なる発展と、本日御出席の皆様の御健勝をお祈り致しまして、自見庄三郎の挨拶とさせていただきます。おめでとうございます。

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