衆議院財務金融委員会における麻生財務大臣兼金融担当大臣の発言要旨

(平成26年2月18日)

(はじめに)

財務大臣兼金融担当大臣の麻生太郎でございます。

本委員会の開催に当たり、一言御挨拶を申し上げます。

(日本経済の現状と財政政策等の基本的な考え方)

第二次安倍内閣においては、デフレ不況からの早期脱却と経済再生を図るため、「大胆な金融政策」、「機動的な財政政策」、「民間投資を喚起する成長戦略」の「三本の矢」を一体として強力に推進してまいりました。その政策の効果もあって、実質GDPが四・四半期連続でプラス成長になり、物価についても底堅く推移するなど日本経済は着実に上向いてきております。

まずは、このような景気回復に向けた動きやデフレ不況からの脱却への期待を、確実な成長軌道につなげていく必要があります。このため、「第三の矢」である「日本再興戦略」の実行を加速・強化してまいります。同時に、政府、経営者、労働者が、「経済の好循環実現に向けた政労使会議」における取りまとめに基づいて、それぞれの役割を果たしつつ、互いに連携して取組を進めてまいります。これにより、企業収益の拡大を賃金上昇、雇用・投資拡大につなげ、消費拡大や投資の増加を通じて更なる企業収益の拡大を促すという経済の好循環を実現することが重要であります。

これらの取組により、保険料収入や税収の基盤でもある強い経済を取り戻し、あわせて、消費税率を引き上げることにより、社会保障の安定財源を確保しつつ、持続可能な社会保障制度を構築し、次世代に引き継いでいきます。

本年四月に実施する消費税率の引上げに際しては、反動減を緩和して景気の下振れリスクに対応するとともに、その後の経済の成長力の底上げと好循環の実現を図り、持続的な経済成長につなげるための施策を講じます。具体的には、昨年十月一日に閣議決定した「経済政策パッケージ」に基づく「好循環実現のための経済対策」及び先に成立した平成二十五年度補正予算を速やかに実行に移してまいります。平成二十六年度予算・税制改正とあわせ、消費税率引上げによる影響を緩和するための取組を、転嫁対策とともに着実に進めてまいります。

日本銀行が現在取り組んでいる金融緩和を円滑に進めるため、また、今後、民需主導の持続的な経済成長を実現する上でも、日本の財政に対する信認を維持することが重要です。一方、日本の財政状況は、デフレ不況や少子高齢化等の要因によって悪化が続いてきました。それに加え、リーマンショック後の経済危機への対応などにより、近年さらに悪化が進み、歴史的に見ても、諸外国との比較においても、極めて厳しい状況にあります。財政への信認を確保することで人々の将来への不安を払拭し、持続的な経済成長につなげていく必要があります。

こうした点を踏まえ、政府としては、国・地方を合わせた基礎的財政収支について、二〇一五年度までに赤字の対GDP比を二〇一〇年度の水準から半減、二〇二〇年度までに黒字化するという財政健全化目標を掲げております。今後、これらの目標を着実に達成していくために、引き続き税収を拡大させるとともに、各年度継続して歳出を効率化していく必要があります。こうした考え方の下、「中期財政計画」に沿って、今後とも、歳出・歳入両面において最大限の努力を行ってまいります。

(平成二十六年度予算及び税制改正の大要)

続いて、平成二十六年度予算及び税制改正の大要を御説明申し上げます。

平成二十六年度予算は、デフレ不況からの脱却・経済再生と財政健全化をあわせて目指す予算であり、日本の競争力の強化につながる未来への投資や、生活の基盤を守る暮らしの安全・安心といった事項に予算を重点化しております。

また、社会保障・税一体改革を実現する最初の予算であり、消費税増収分を活用し、社会保障の充実と安定化を図ります。

基礎的財政収支対象経費は、七十二兆六千百二十一億円であり、これに国債費二十三兆二千七百二億円を合わせた一般会計総額は、九十五兆八千八百二十三億円となっております。

一方、歳入につきましては、租税等の収入は、五十兆十億円、その他収入は、四兆六千三百十三億円を見込んでおります。また、公債金は四十一兆二千五百億円となっており、前年度当初予算に対し、一兆六千十億円の減額を行っております。

この結果、国の一般会計における基礎的財政収支につきましては、「中期財政計画」における「平成二十六年度及び平成二十七年度の各年度四兆円程度改善」との目標を大きく上回る、五兆二千四百七億円の改善を実現しております。

平成二十六年度税制改正におきましては、デフレ不況からの脱却・経済再生に向けた税制上の対応、税制抜本改革の着実な実施、震災からの復興支援のための税制上の対応等を行うこととしております。

具体的には、設備投資の促進、研究開発投資の促進、所得や消費の拡大に関し、次元の異なる税制上の対応を講じます。こうした観点から、生産性向上設備投資促進税制の創設、中小企業投資促進税制の拡充、研究開発税制の拡充、所得拡大促進税制の拡充、復興特別法人税の一年前倒し廃止、交際費課税の緩和を行います。このほか、給与所得控除の見直し、地方法人課税の偏在是正のための取組、車体課税の見直し等を行うこととしております。

(今後の金融行政の在り方)

続いて、現下の金融行政について申し述べます。

冒頭に申し上げた安倍内閣の「三本の矢」を一体的かつ強力に推し進めていく上で、金融機関が、さらに一層、金融仲介機能を発揮し、企業の再生、成長と地域経済の活性化に取り組んでいくことが重要です。このため、金融機関に対し、中小企業等に対する新規融資を含む成長分野等への積極的な資金供給や経営改善・体質強化等の支援に取り組むよう促してまいります。

日本の金融・資本市場の総合的な魅力を高めるため、インターネットを通じて多数の者から少額ずつ資金を集める仕組み、いわゆるクラウドファンディングに係る規制、上場企業に係る開示規制、ファンドの販売を行う金融商品取引業者に係る規制等について、所要の制度整備を行うこととしております。また、保険会社を巡る経営環境の変化に対応するため、保険募集等に係る所要の制度整備を行うこととしております。

このほか、アジア諸国への金融技術支援に全力をあげて取り組むとともに、国際金融規制改革にも積極的に貢献してまいります。

いずれにせよ、現在、日本の金融システムは、総体として健全であり、安定しておりますが、内外の経済・市場の動向や、それが日本の金融システムに与える影響につきましては、引き続き、高い関心を持って注視してまいります。

(提出法律案の概要)

今後、御審議をお願いすることを予定している財務省関連の法律案は、平成二十六年度予算に関連するもの四件であります。

まず、平成二十六年度税制改正を実現するものとして、デフレ不況からの脱却・経済再生などの観点から所要の施策を講じるための「所得税法等の一部を改正する法律案」及び「地方法人税法案」でございます。

次に、「関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案」でございます。

最後に、「国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案」でございます。

また、金融庁関係の法律案は、金融行政における取組に関して制度整備を図るための「金融商品取引法等の一部を改正する法律案」及び「保険業法等の一部を改正する法律案」の二件でございます。

法律案の詳しい内容につきましては、今後改めて御説明をいたしますので、よろしくお願い申し上げます。

(むすび)

今後とも、皆様のお力添えを得て、政策運営に最善を尽くしてまいる所存であります。

林田委員長をはじめ、委員各位におかれましては、御理解と御協力をお願い申し上げます。

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