渡辺内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成19年10月5日(金) 9時32分~9時48分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

おはようございます。本日の閣議について私の方からの報告はございません。

8月末に、独立行政法人についての各省からの回答をいただきましたが、ほぼゼロ回答でございました。そのため、再検討をしていただくこと、そして減量・効率化有識者会議で検討してもらうことにいたしました。有識者会議の方では9月26日からヒアリングをスタートいたしております。先月末までに各省からの再回答がまいりましたが、廃止・民営化という観点からはゼロ回答に近いものでありました。一部廃止ですとか、そういった細かい見直し案はございましたが、大きなものはなかったということであります。このため、これまでのやり方をさらに進めるとともに、パブリックコメントを求めることといたしました。つまり、国民の皆様からご意見をいただくということでございます。国民から広く知恵をお借りしたいということであります。来週にも行革事務局のホームページ上で、各省の整理合理化案や、有識者会議でのやり取りを公開いたします。そして、パブリックコメントの募集を開始いたします。コメントは、担当大臣である私に直接送っていただける仕組みにいたします。各省から民営化という提案は出てきておりませんが、国民の方から、例えば経済界からこの業務部門は民営化してもらえるなら自社で買い取りたい、などというご意見もあるいは出てくるかもしれません。そういったご提案がありますと、この改革は、非常に先に進んでいくことが予想されるわけでございます。また、国民のほうから見て、この仕事は、この業務は、この事業は、本当は必要ないのではないか、というご意見も出てくることが考えられます。我々にとっては大歓迎でございます。他方、パブリックコメントをやりますと、しばしば組織的ご意見が出てきたりいたしますが、それは歓迎しないということでございます。私の方からは以上です。

【質疑応答】

問)

生保の不払い問題に関してですが、本日各社が午後、結果について公表すると思います。報道ベースでは調査対象範囲、失効返戻金を含めるかどうかで各社の対応が分かれているという状況があるようですが、金融庁が全容解明ということで調査を命令していたと思うのですが、不払い・支払い漏れというものが残っているのではないか、長引く懸念がでていると思うのですけれども、その点について大臣のご認識をお伺いしたいのですが。

答)

現時点では、各社からの報告は私のところにきておりませんので、その全容については把握しておりません。今日中にそれぞれの会社から発表があると思いますので、まずはそれを待ちたいと思っています。今ご指摘の返戻金は、実態がよくわからないところがございまして、この際実態も含めて、きちんと表に出していただくと、膿を出していただくことが大事かと思います。こういったことが延々と繰り返されることがないように、今回は徹底してこの解明を進めたいと思っております。

問)

先週末に、五味前金融庁長官が法律事務所の方へ移られたわけですけれども、いわゆる、天下りの問題というのとは性質が違うとは思うのですが、公務員制度改革をリードしてきた大臣として、前長官の身の振り方についてどう思われているのかお聞きしたいと思います。

答)

結論からいいますと、大変結構な再就職だと思います。つまり、我々は能力とか経験を活かした、いわば、知見活用型再就職は大いに勧めるべきであると思います。官と民の垣根を低くすることは、人材流動化が行われるわけですから、これは日本の活力につながっていくと思います。今までの天下りは、人事の一環としてはめ込んでいくわけでありますから、これでは本人も嫌々ながら、受けるほうも嫌々ながらみたいなところがたくさんありまして、これは人材の有効活用につながりません。金融庁の斡旋とか一切なしで、ご自身の知見を活用した再就職が行われたというのは、これからの国家公務員の再就職モデルとして大いに賞賛すべきことではないでしょうか。是非、こういうモデルケースがどんどん拡まってほしいと思っております。

問)

生保の不払いですが、不払いの件数の規模が膨らんで報告されるのではないかという見通しがありますが、生保の体質自体は変わるのでしょうか。行政としての行政処分の対応についてはどのようにお考えでしょうか。

答)

今日の結果発表を待って判断したいと思います。今までの体質が、これから先延々と続くことは絶対に困りますので、この際徹底して解明をし、その結果を判断していきたいと思っています。

問)

不明な点があれば、さらに調査を命じてから、そういった行政対応をお考えになうこともあるのでしょうか。

答)

まず、今日の結果を待ちたいと思います。

問)

独法について、この時期にパブコメをやる狙いと、これをどうやって整理合理化計画に反映させていくのかお聞かせください。

答)

これは、2回既に各省から(回答を)いただいたわけです。これが極めて不十分であるということです。閣議でも2回この話は決定したり、申し上げたりしているわけでございまして、それでもこの程度なわけですから。101独法全面見直しというのは福田内閣の方針でもあるわけですから、国民の知恵をお借りする、国民の声で改革を進めて行くということでございます。是非建設的なご意見がたくさんいただけることを期待したいと思います。

問)

事業の買収提案みたいなものを歓迎するということですけれども、どういう事業に特に期待をされているのかということと、今お答えになかったのですが、12月の整理合理化計画にはどのように反映されるのでしょうか。

答)

いきなり買収提案をくださいと言っているわけではなくて、いらないものは廃止というのが正しいやり方なのです。一方、これは民営化してもやっていける事業ではないかという話も出てこようかと思います。ですから、いきなり買収提案をしてくださいということではなく、要するに、要・不要の判断を国民から聞かせていただく。中には枝葉として、これは民営化してもやっていけるではないかというご意見があれば、それはそれで大変結構なことですねということを申し上げております。12月の整理合理化計画は、まさにこのような国民の声も反映した計画にできれば良いと思っております。

問)

保険の問題なのですが、保険の窓販に関しては、生保各社が反対の主張を金融審の場でも言ったり、自民党の方でもいろいろ議論が出ているようです。これに対して金融庁はどういうふうにやっていくのか、大臣のご見解をお聞かせください。

答)

これは、前回も申し上げているように、いろいろな意見を今承っているということでございます。その際、金融庁のモニタリング結果についても丁寧にご説明をいたしております。自民党だけではなくて、民主党の方からもご意見をいただいたりしておりますので、そのようなご意見については謙虚に耳を傾けております。福田内閣の方針は、丁寧に仕事を進めて行くということでございますので、その流儀に倣ってやっております。

問)

保険会社の慎重な姿勢の理由として、銀行と生保のアフターフォローの責任分担のあり方をもう一度議論すべきというような意見が出ているのですが、これについては、銀行と保険の間の契約で済ませるべきという考えもある一方で、大きな枠組みを作って欲しいという考えもあるかと思うのですが、大臣はその点はどのようにお考えですか。

答)

そういう意見があることは承知しておりますので、いろいろなご意見を聞いて、モニタリング結果もご説明をし、最終的な判断をしていきたいと思っています。

問)

保険の不払いについて改めてご意見をお伺いしたいのですが、今回の全体の問題、一般論として何が問題で、金融庁としてどのような対応をされるのか、一般論として改めてお伺いできますでしょうか。

答)

本来払われるべき保険金が払われていなかったというのは、とんでもない話ではありませんか。公的年金の世界で起こったら、あのような大騒動になったわけです。民間は、私の理解では、もっとガバナンスが効いている組織だと。これは「親方日の丸」ではないですから、利用者・消費者からそっぽを向かれたら会社が潰れてしますわけでありますから、そういう観点からすれば、もっとしっかりしなければ大変なことになりますよ、という、言わずもがなの話ではないでしょうか。こういう問題がなぜ起こったのかというのは、いろいろな原因があろうかと思いますけれども、やはりビッグバンにいち早く突入をしたのが保険の業界なのです。ですから、商品の乱開発みたいなことが行われたり、あるいは支払い態勢が非常に不備であったり、ITシステムもそれについていっていなかったりなどがあったわけです。そういうことをこの際、洗いざらいあぶり出して、二度とこういうことが起きない態勢を作ってもらうことが肝心、要だと思います。

問)

公務員制度改革の制度懇の結論が2ヶ月ほど先送りされることが決まりましたけれど、その経緯と今後のスケジュールに与える影響についてお聞かせください。

答)

これは、改革先送りのような書き方がされていますが、そういうことは全くございませんで、要するに、議論をもっとじっくりと丁寧にやりましょうというだけのことなのです。これも福田内閣の方針で、とにかく丁寧に拙速を避けてという方針でございますから、全体パッケージ懇の方は理念を徹底して議論をやりました。ですから、もう3回くらいやったでしょうか。理念に沿って、では各論に入って行きましょう、という議論を前回からスタートしているわけであります。これはまさしく公務員制度の根幹に関わる議論なので、これを丁寧にやることについては、私は大いに歓迎でございます。したがって、そういう方針でやっているわけであって、これが改革後退ですとかいうのは、全く筋違いの論評だということを申し上げたいと思います。

(以上)

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