渡辺内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成20年3月11日(火)9時35分~9時53分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

おはようございます。

平成20年4月1日から導入される内部統制報告制度は、企業等に過度のコスト負担をかけることなく、効率性と有効性のバランスをとりながら整備することを目指しています。

しかしながら、実務の現場では、一部に誤解に基づいた過度に保守的な対応が行われていると聞いております。

そこで、「内部統制報告制度に関する11の誤解」として改めて制度の意図を説明することにいたしました。

併せて、制度の円滑な実施に向けた行政としての対応を公表することにいたしました。

内部統制報告制度の導入にあたっては、過度に保守的な対応にならないよう、制度の円滑な実施の観点から指導中心の行政対応を行う予定であります。

詳細につきましては、総務企画局企業開示課にお問い合わせください。

以上です。

【質疑応答】

問)

日銀の人事なのですが、今日、候補者の所信聴取があります。総裁、副総裁候補お三方の顔ぶれについて大臣のご感想をまずお願いしたいと思います。

答)

前回も申し上げましたように、「誰がなるか」も大事なことですが、「何をやるか」はもっと大事なことなのです。アメリカ経済の後退が鮮明になってきている中でデカップリング戦略が取れるのかどうか、アメリカ経済の後退が日本経済に波及しかねない状況の中でマクロ政策の重要な一翼を担う金融政策をどう執り行うかが問われる場面だと思います。是非、今日のヒアリングでは、そのような観点から率直な質疑が行われることを期待いたします。

問)

新銀行東京なのですが、通常、子会社の経営悪化の責任というのは親会社の経営陣、特にトップの責任が問われても仕方がないと思うのですが、新銀行東京の場合はそれが石原都知事に当たると思いますけれども、そのあたりの責任の所在について大臣はどのようなご見解をお持ちでしょうか。

答)

東京都の場合は、親会社と子会社というか株主なのです。したがって、主要株主として、銀行経営が良くないということであれば立て直す責務があるわけです。この点は銀行法においても明らかなとおりです。今、株主としての責務を果たそうということで議会に立直し策が諮られているわけでありますから、まずはその議論を見守りたいと考えております。

問)

株主の責任として立直し策を出す責任があるということですが、今回、議会に400億円の追加出資、並びに業務を大幅に縮小するということが出されています。ビジネスモデル自体は大きく変わらないのだと思うのですが、これで本当に立直しができるのか、銀行界などを含め各界から抜本的に無理であるという意見が圧倒的に強いわけですが、大臣はどのようにお考えでしょうか。400億円の出資で立直しができるとお考えでしょうか。

答)

銀行の経営見通しについてコメントはいたしません。

新経営陣の津島さん(代表執行役)の記者会見などを聞きますと、1万9,000先に貸出を行ったうち、デフォルトしたのが2,300先ということでございますが、9,000先は立ち直ったということをおっしゃっていたと理解いたします。今現在1万3,000先に融資があって、これらが全部デフォルトするわけではないわけです。そういたしますと、お客さんに対して銀行としての責務をきちんと果たすことは大事なことなのではないのでしょうか。

いずれにしても、都議会で経営立直しの方策について議論をされるわけでありますから、それを見守りたいと思っております。

問)

新銀行東京なのですが、都議会での議論で400億円の増資策が仮に否決された場合、本格的に利用者、預金者への何かしらの不利益なり影響が出てくると思います。仮にそうなった場合の対応策を金融庁はこの段階で何か考えているのでしょうか。

答)

議会の結論を先取りして私がコメントする立場にありません。(都は)大株主としてきちんと責務を果たす、都議会はそのチェックを行うということでありますから、都議会の議論に先立って私がコメントすることは控えたいと思います。

問)

責任に関してですが、今回の報告書はあくまで旧経営陣側のやり方に責任があったということで都の責任についてほとんど触れられていません。そもそも(銀行を)作るという意思決定をしたのは都であって、石原都知事が公約で掲げたものでもあったという意味でも、全責任を旧経営陣に押し付けるというやり方を率直にどうお考えでしょうか。

答)

その答申でしょうか、私はまだ読んでおりませんのでどのような捉え方をしているのかはコメントいたしません。いずれにしても、ビジネスモデルが当初の予定どおり行かなかったということは事実でありましょうから、この問題については大いに追及していく必要があろうかと思います。

問)

消費者行政一元化についてですが、自民党の調査会が、関係省庁から消費者関係行政の部門と所管を切り離して消費者庁を作るという報告書を13日に提出することを決めたようです。金融庁も権限と人員を奪われるという形にはなると思うのですが、どういうふうに対応されるかお考えでしょうか。

答)

どういう議論が自民党の方で起こっているか私は詳しく存じません。貸金業法についてはご案内のように一昨年、私が内閣府副大臣のときに改正をしております。かなり思い切った改正でして、それまでの議員立法で「足して2で割る」という方式をやめた画期的な改正だったと思います。したがって、多重債務者問題が相当芯を食って大転換を見せているわけでありますから、そういう観点からこの問題は考えていく必要があるかと思います。金融庁のセクションがどうこうなるという話は、私のところには全くきておりません。

問)

外資規制ですけれども、先日空港の外資規制は一段落というか先送りという形になりましたけれども、今後Jパワー(電源開発)の、エネルギーの分野で安全保障を盾に規制を強化すべきだという議論も当然党内から出てくるとも思うのですけれども、その点について、Jパワーのエネルギーの規制についてはどうお考えなのでしょうか。

答)

これは、空港整備法の場合には当然のことながら金融庁に法令協議というものが来ることになっていたわけです。Jパワー問題というのは新たな立法を要する話とは違いまして、これは外為法(外国為替及び外国貿易法)の発動をするか否かという判断であって、これは甘利経産大臣の方でご判断されるものと思います。一般論として私の立場からは、日本市場が閉鎖的であるとか鎖国とかいうイメージを持たれることがあってはいけないと常々申し上げているとおりであります。

問)

そのお考えは今も変わっていらっしゃらないということで、経済産業省が外為法を盾に規制を強化するということがあれば、当然大臣としては反対の意を表明するということになるのでしょうか。

答)

先ほど申し上げましたように、この問題は甘利経産大臣のところでご判断をされる問題だということであります。

問)

消費者庁に関連する質問ですけれども、消費者庁発足によっても、金融庁のセクションの移動は今のところは考えられないという意味でしょうか。

答)

そういう構想があるという話は私のところにはきておりません。

問)

内閣人事庁の権限をめぐって、官房長(官)と大臣で対立しているのではないかという見方もあるのですけれども、その辺についてはいかがでしょうか。

答)

皆さんがどうお受け止めになられるかはわかりませんが、別に場外乱闘をやっているわけではございませんで、これは真摯に政府案の策定に向けて意見交換をやっているというだけのことでございます。決して場外乱闘ではございません。私の立場からは常々申し上げておりますように、真の議院内閣制への転換のために人事の内閣一元管理の実現という太い柱は覆されることのないように政府案の策定に努めているということであります。

もとより今回のプランというのは、「官僚内閣制」と呼ばれるような、大臣の人事権が形骸化してしまっている状況を改めるということが柱の一つであります。したがって、内閣の一員としての大臣が威令を行う、そういう体制を作るために人事庁という構想でサポートをしていこうということです。そういう観点から議論を進めているわけでありますから、これはまさしく政府案策定に向けた作業であるということが言えると思います。

問)

人事庁についてですが、昨日官房長官がおっしゃった総理からのいわゆる指示ですけれども、その中では人事の原案を各省大臣が作るとなっています。そうしますと、現在のような各省の人事権が残るということにつながる余地があるのではないかと思うのですけれども、これについてはどうお考えでしょうか。

答)

今回のプランでは、大臣が人事プランを策定するのに各省事務方だけでなく、例えば、私の方で懇談会の答申をもとに策定中のプランでは、指定職以上については人事庁がたたき台を提示できるということにしてあります。それは何ら大臣の人事権を侵すことにはならないどころか、大臣の選択の幅が広がるわけであって、内閣の一員としての大臣が内閣人事庁を使って人事権を強化するということにつながるのではないでしょうか。まさに内閣主導型の体制というものを実現していこうとすれば、内閣の一員としての大臣と内閣人事庁とがまさに一体となってこの人事の一元管理を行っていくというのは正しい方向性だと思います。要するに、「大臣の人事権」と称して各省事務方の人事権を守るという発想こそが、「官僚内閣制」と言われることにつながっていくのではないでしょうか。

問)

人事庁の性格付けについては、官房長官は人事庁設置法等において詳しく定義付けようという意向をおっしゃっています。これについては、基本法にはどこまで書き込む予定でしょうか。

答)

懇談会の答申を尊重して、基本法の策定作業は進めております。

(以上)

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