渡辺内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成20年3月21日(金)8時59分~9時11分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

おはようございます。私の方からはございません。

【質疑応答】

問)

日銀総裁が空白となりまして、日本発の新たな金融不安を招くという指摘もあると思いますが、それに対する大臣の受止めと、こういう事態というのは早く打開した方が良いと思いますが、既に二人の人が不同意ということで否決されていると思いますが、今後の打開策、大臣なりのお考えをお聞かせ願います。

答)

日本発のパニックということはなかろうとは思います。しかし、目先は若干落ち着きを取り戻しているとは言え、金融・資本市場の動揺が根本的に収まったかと言えば、なかなかそういう評価には至っていないのだろうと思います。したがって、これからどういう対応の仕方があるか。例えば、アメリカにおける公的資金の投入、あるいはかつて70年代、60年代には外貨建てTB(割引短期国債)なんていうのを出したこともありました。カーターボンドとか、60年代にはローザボンドというのを出したこともありました。そのような事態に立ち至るのか。はたまた協調行動が採られてECB(欧州中央銀行)が協調利下げを仮にやるとすれば、その時、日本の中央銀行は協調行動に加わるのか否か、そういうことを考えていかなければいけない。そういう可能性がないとは言えないと思います。したがって、こういう時に中央銀行の司令塔が不在であるというのは、非常によくないことだと思います。代理が置かれるにしても、やはり総裁と代理とでは明らかに違うわけであります。G7や中央銀行総裁会議において日本の影が薄くなる。また、協調行動を仮に採らなければいけない時に日本だけが後手後手に回ってしまうということがあってはならないと思います。したがって、2回も同意人事が残念ながら否決をされてしまったわけでありますから、あまり姑息なことを考えずに3度目の正直、これをできるだけ早い機会にトライをすべきだと考えます。

問)

報道でありましたように、みずほ証券と新光証券の合併が再延期ということになったという報道がありますけれども、サブプライム・ローン問題について、改めて恐縮ですが、今後の日本の国内金融機関に与える影響について大臣の現時点のお考えを改めてお聞かせ願えればと思います。

答)

個別の合併、その他の経営判断に係る事項についてはコメントいたしません。サブプライム問題が日本の全体としての金融システムに与えている影響というのは、かねて申し上げているとおり、重大なダメージを与えるということには今のところなっておりません。しかし、個別的にそうした問題のあおりを受けているところはございます。それぞれの金融機関において適切なリスク管理をやっていただくということが何よりの基本でございます。そして、リスク管理の上に経営判断においてそれぞれの生き残り戦略を考えていただくということになるわけであります。目先、資本市場が若干の落ち着きは取り戻しておりますけれども、我々としては、警戒水準は更に高くしていくことが必要と考えております。

問)

日銀総裁空白の責任として、政府側の責任を問う声もあります。武藤副総裁が否決されたにも関わらずまた元大蔵次官の田波さん(国際協力銀行総裁)を出してきたというやり方について、福田総理の責任を問う声があるのですが、これについて大臣はどのようにお考えでしょうか。

答)

かねて申し上げているように、誰がやるかということよりも、何をやるかということの方がもっと大事なのです。何をやるかという議論の中で冒頭私が申し上げたように、協調行動を求められることがないとは言えないわけですから、そのような場合に備えて、日本のマクロ政策の一翼を担う総裁として国際的な協同歩調を求められたときにどうするのかという議論をきちんとやっておくべきなのです。残念ながらそのような議論が行われないで、誰がやるかという議論があまりにも先行し過ぎてしまっているのではないでしょうか。

問)

日銀総裁が不在である一方で副総裁を代行とした新体制が今日からスタートします。それに対する注文や期待をお聞かせください。

答)

総裁が不在ですから、代行がおかれるわけでありましょうから、仮に総裁不在のまま協調行動を求められるという場合がないとは言い切れません。したがって、総裁が不在の場合にそのような判断を求められた場合には、積極果敢に行動をしていただきたいと思います。

問)

公務員制度改革なのですけれども、官房長官の会見で本日閣僚懇談会が行われると聞いております。今後の閣議決定に向けたタイムスケジュールについてと、改革の方向性について一言お願いします。

答)

かねて申し上げているように、3月中の決着を目指したいと考えております。そのために各方面で議論が活発に行われていくことを期待いたします。また、一部報道で最初の私どもの案が、幹部職員について内閣人事庁のみがたたき台原案を作るということが後退したのではないかという報道がありますが、それは間違いです。各省事務方案というのは出てくるという前提で、幹部職員については内閣人事庁が適格性審査を行うというのが最初からの案なのです。各省事務方案に対して適格性審査が行われ、必要があれば内閣人事庁が別のたたき台を作る、そして広がった選択肢の中から大臣が原案を作成するというのが当初からの案でございますから、この点は間違えないようにお願いをしたいと思います。その点、後退したということは全くございません。

今日、閣僚懇が行われる予定でございますが、ぜひ事務方の意見を大臣が発表するということは避けていただきたいと思います。今日も地方分権改革に関して、増田大臣からそのようなご発言がございました。また、総理の方からも事務方だけのやり取りだけではなくて、大臣が政治家としてこの問題をリードしていくべきだという主旨のご発言があったわけです。分権改革というのは、まさに官僚主導から政治主導へ、中央集権から地方分権へ、こういう一連の構造改革の中の一環の話です。我々としては、こうした表裏一体の問題を議論し続けているわけでありますから、ぜひ、今回の公務員制度改革においても、閣僚、大臣閣下には、事務方のシナリオにのるのではなく、政治家としてのご発言をいただきたいと考えております。

(以上)

サイトマップ

ページの先頭に戻る