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渡辺内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成20年7月25日(金)10時51分~11時04分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

おはようございます。

お手元に「PDF公務員制度改革を進めるに当たって(PDF:477K)」という紙をお配りしておりますが、これは、今週から本格稼動しています公務員制度改革推進本部事務局の職員に向けた私からのメッセージであります。

この紙を作るに当たって、一昨日でございますが、事務局職員とフリーディスカッションを行いました。係長以上、審議官クラスまで出ることができる人は全員参加をしてもらいました。現状どこが問題だと思うか、どういう改革を実現したいかといったことを率直に、それぞれの職員の話を聞きました。特に、若手職員の中で、官僚機構の現状について、大変強い危機感を持っている、なんとかしたいという思いを語る者がいました。非常に印象深かったと思います。彼らが誇りとやりがいを持って仕事をできるような公務員制度改革にしていかなければならないという思いを改めて強く持った次第です。

この紙は、ディスカッションの際に職員が語っていた思いや問題認識も大いに参考にしながら、私なりに考えて、改革を進めるに当たっての5原則として整理をしたものであります。職員に向けてのメッセージ、ないしは訓示でございますが、改革をこのように進めていくということを国民にも明らかにしておくべきだと考えて、参考までにお配りをしたところでございます。

私からは以上です。

【質疑応答】

問)

先ほど判決が出たのですが、ライブドアの堀江元社長に対する二審の高裁判決で、実刑判決という一審の判決が支持された形となりました。市場に対する情報開示のあり方など色々な問題を提起した事件であったと思うのですが、改めて大臣の所感を聞かせてください。それからもう一点、今朝発表された消費者物価が、15年半ぶりという大きな伸びになりまして、直接な所管ではないかと思うのですが、身近な物の値上がりというのが更に加速している感じがあります。これについても所感を聞かせてください。

答)

ライブドアの刑事事件の判決については、個別の問題ですからコメントはいたしません。一般的に、投資家を騙して損をかけるというのは、これは犯罪です。きちんと市場のルールに従った行動をとっていただくことが大事です。投資家が安心して投資ができないというのでは、資本市場そのものが成り立たなくなってしまいます。ですから、そういった資本市場のルールをきちんと守っていただくということは、何よりも一番の基本であります。その上で、マーケットというのは、できるだけ自由であるべきだというのが基本的な考えであります。

それから、消費者物価は、今朝の閣議でも発表されましたが、5月の値が1年前と比べて1.3%の上昇、今月が2%の上昇、1ヶ月で0.7ポイントの拡大をしております。一方、食料とエネルギーを除いた指数が0.1%の上昇にとどまっているということでありますから、まさに食料とエネルギーの、なかんずく、輸入したオイル、原油等が上がっているということが分かります。つまりこれが何を意味しているのかというと、輸入インフレが加速しているということであって、これは、一種の増税と同じ効果をもたらします。結局、こういうときには、交易ロス、日本から富が資源国に移転をし続けているということを意味するわけであって、これは、まさに今までの国家発展モデルでいきますとジリ貧になるということを示しているわけであります。こういうときには金融政策というのは、ほとんど効かないということになります。つまり、物価が上がっているから金利を上げるということはできないわけです。つまり、輸入インフレでありますから、日本国内で金利を上げることによって、こうした物価上昇を抑えるということが不可能に近いことなのです。金利を上げれば円高になって、輸入物価は抑えられるではないかという意見もございますが、そういたしますと、日本の景気を支えてきた輸出産業が、更にダメージを被るという副作用も出てまいります。

やはり、なぜこういう輸入インフレが起きているのか、なぜ原油価格や食料、穀物の価格が上がっているのかということを考えれば、やはりこれは、金融資本市場の不安心理に一番大きな原因があると思います。去年のいわゆるサブプライム・ショック以降、こうした小さな市場である原油、エネルギーのマーケットに大きな市場からお金が流れ込んでしまっているわけでありますから、この不安を取り除くということが肝心の話であります。日本の教訓に学んで欲しいということをかねて申し上げてまいりました。やはり、最終的な結論としては、公的資本の注入によって、この問題を解決していくことが求められるかと思います。

問)

公務員制度改革の件でお伺いします。この5原則の中の5番目に「各種会議の完全公開等」という文言がありますけれども、ここでおっしゃっている完全公開の念頭にあるのは、例えば総理がお出になる推進本部の他に、労使関係制度検討委員会ですとか顧問会議も含めて公開の対象とお考えになっているのか、また、その公開というのは例えばマスコミにもフルオープンするとか、そういう意味の公開ということなのでしょうか。

答)

やはり、こういう問題は公開ということが非常に大事なプロセスになると思うのです。かねて、官民人材交流センターの懇談会や制度改革の懇談会はマスコミにオープンにしてまいりました。また、ネット生中継もやってまいりました。やはり、こうした大改革を行うに当たっては国民の目線で改革を進めていくということが大事なことでありますから、是非そういったことを心がけたプロセスにしたいと考えております。

問)

それはマスコミにフルオープンにするということでよろしいのですか。

答)

今までそういうことでやってきましたので、当然そういったプロセスは必要になると思います。テレビカメラを入れるとか、フラッシュのカメラを入れるとか、そういった細かいところはまた別途相談ということになります。

問)

関連ですけども、今の5番目の項目に「初期段階から国民の意見募集等」ということで、「常に国民の声に耳を傾ける」とあるのですが、これはどういう事を想定しているのでしょうか。

答)

これは、総理がいつも言っておられる公務員の意識改革、そして、公務員たるべき者は常に国民の目線で物を考えていかなければいけないと、そういったことを踏まえてここに書いたところでございます。やはりプロセスにおいて、情報公開をしていくと同時に、今まではコンテンツができ上がってから、例えばパブリックコメントに掛けるとかいったことをやってきましたから、やはり議論の段階から、国民の皆さん、ご意見あったらお寄せください、ということを考えております。

問)

関連して、4番目で「運用段階での骨抜きを防ぐため、公務員が真に国民のために働くよう具体的なインセンティブを組み込む」とあるのですけれども、こういう具体的なインセンティブとはどのようなものをイメージされているのでしょうか。

答)

これも、先ほど申し上げた、フリーディスカッションの過程で出された提案でして、どういうことがありうるか研究していこうと思っています。

問)

成果が出る報酬とかそういうイメージなのでしょうか。もう少し何かイメージはありますか。

答)

要するに、これは運用段階での骨抜きを防ぐというためのインセンティブでして、公務員が省益でなくて真に国民の方を向いて仕事をしているのだという、そういう仕事をすれば公務員にも何がしかの恩恵があるのだよ、とそういうことを、具体的にどういうことがあり得るかということを考えていこうということです。精神的には、やはり国民が不信を持っている間はやはりなかなか国民に理解してもらえないと思うのです。しかし国民から信頼される、そういう制度になれば、まさに仕事をして国民が評価をしてくれるということになるわけでありますから、基本的にはそういうことを踏まえた上での話になると思います。

(以上)

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