亀井内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要(雑誌・フリー等の記者)

(平成21年10月9日(金)13時01分〜13時28分 場所:金融庁大臣室)

【大臣より発言】

今日の閣議の前の基本(政策閣僚)委員会での主な議論というのは、一つは今後の基本(政策閣僚)委員会のことについて、ご承知のように、あそこで内閣の経済、外交、安保、あらゆることの最終決定がなされるわけです。そういうことを前提に、この連立政権は出発したわけですから。経緯等々は、皆さんご承知のように、その前は我々3党で、閣外にそうした与党連絡協議会みたいなものをつくって、そこで政策の合意をした上で、それで内閣が出すということを私どもと社民党は主張したのだけれども、民主党の方は、それは駄目だと言って…。民主党は、案外頑固ですね。ということで、どうしても駄目だと、閣内でやりたいということなので、それは妥協したのです。それで、閣内で、基本(政策閣僚)委員会ということで両党の党首が入って、3党党首でそうした基本問題については協議して、そこで合意形成しようということでできているのだけれども、前々から、私は菅(副総理)さんにも総理などにも言ってきたことだけれども、そこでやはり党首同士だけでパッと議論してみても、そう簡単にすぐに「オーケーだ」と言えない場合もあるし、いろいろ問題が出てくるわけだから、スタッフというか、補佐みたいなものがやはりいた方が、「また党に帰って党とも協議しなければ」みたいなことを言わなくても、党の政策責任者みたいなものをそこに加えておけば、基本(政策閣僚)委員会ではその場でパッパッパッーとスムーズにいくのではないかということから、「置いたらどうだ」ということを前々から言っていたのだけれども、今日も「それをやった方が政権としてうまくいくよ。時間がかかるから」と言ったら、これは「検討します」ということを言っておられましたから、何らかの形でそういう形になっていくと思います。これが一つ。

それと、もう一つは、私は強く話をしたのだけれども、これはこの間、総理に差しでお会いしたときも、総理に強く申し上げたのだけれども、前政権がまともな予算を組んだら良かったのだけれども、まともではない予算を組んで、補正予算も選挙目当てのああいうばら撒きですね、本当にひどいです、こんな補正のやり方というのは。中身がいろいろ問題になっているけれども、額を積み上げるために、各省にぼんぼん「出せ、出せ、出せ」とやってしまって、そして要らないところに出してしまっているので、もらった方がどうやって処分したらよいかわからないみたいなところがあるのですよ、国民の税金を。

その結果、国民生活がそれでちゃんとなるのか、うまくいくのか、あるいはこの経済がそれでうまくいくのか、そういう観点ではなくて、あれは選挙買収ですよ。定額給付金は典型的だけれども。とにかく票を買おうと思った定額給付金は、買おうと思って金は撒いたけど、それは結局効果がなかったというのです。ああいう(選挙)結果になってしまったわけだけれども、そういう補正予算を執行停止にかけていくのは当たり前の話です。だから、今、一生懸命、仙谷(行政刷新会議担当大臣)さんが頑張ってやっていますが、それをやるのは当然だということで、私どもでもそういうことで、今日も「当然だ、もっとやらなければいけない」と。しかし、前政権、自公政権がつくった予算をそうして切るだけでは、やはり「国民生活は大丈夫なの」「経済は大丈夫なの」という、心配があるのですよね。簡単に言うと、駄目な支出でも、やはり経済には若干でもプラスにはなっていくのです。だけど、より効果のある形で政府は出していかなければいけない。前政権がやったことは無駄なのです。だから、それを今、切っているのだけれども、切るだけではなくて、外需が期待できない、今、中国が若干あれだけれども、中国にしても、中国の自由主義経済下における本当の自然の内需が持てるかというと、中国の場合は、人為的な内需という面もあります。だから、それだけに頼っていると、やはり危ない面があります。アメリカは、依然としてあんな状況で、だから、総理がおっしゃっているように、内需を拡大していくという経済運営、これは全く正しい話なのです。外需に頼らないでね。

そういう状況で、「さて、内需は大丈夫か」ということになってくると、前政権の予算をカットするだけで内需が出てくるのかと。前政権は、選挙目当てもあるから、執行を8割方前倒してどんどんやれとやってしまって、9月ごろまでに8割方、もう執行してしまっているのです。そういう状況下で、本年度後半、来年にかけて、「日本経済、内需が大丈夫か」という問題があるわけです。だから、その内需を、民間の自然の内需に期待して、今、大丈夫かというと、ご承知のように、今、デフレの状況も進んでいる中で、残念ながら消費というのは非常に低調です。設備投資だって低調です。こういう状況でずっと今から推移していった場合、「あれは前の政権が、自公政権がやった予算で日本の経済は動いているのだから、わしらは知らぬ」というわけにいかない。新政権として、やはり切るだけではなくて、そういう内需を出していく努力をしなければいけないわけです。

だから、スクラップ・アンド・ビルドのスクラップは一生懸命やっているのだけれども、ビルドの方もやっていかなければいけないわけです。それを、だから1月ごろの補正というのを考えているのだろうけれども、それにしても、かつての自公時代のように役人に任せて、そういうものを補正として組ませるみたいな話ではなくて、政党主導でやると言っているのだから、政党・政治主導でやっている以上は、我々政治家が、政府がどういう支出をすれば、内需が創出できるのか、政府支出で内需がどう創出できるのかという、しかも、無駄ではない、自公政権がやったように無駄ではなくできるのかということを、各省に任せておいて「補正予算を出せ」というようなことをやっていかないで、内閣として、鳩山政治を実現していくという大戦略に基づいて、各省庁がそれぞれ有用な事業内容とかいろいろなことを考えていくということをやらなければいけないわけです。切ることにも、各省一緒で、「切らなければいけない」と、みんなこうやっているわけだよね。そういうビルドのほうのことを、残念ながら取り組んでいないのが実態だから、「これは大号令をかけてやらなければいけないですよ」ということを、私はこの間、総理にも申し上げました。総理は、全く同じ意見です。全く私と意見が一致しておられる。今日も、基本(政策閣僚)委員会で、私は総理に申し上げたのと同じことを申し上げて、皆さん方と話をして、どうするかということを検討してくださいと。今日、そのあとは閣議があったものだから、もうそこでおしまいになってしまって、菅さんも、また平野(官房長官)さんも、「では、こういう方向で考えましょう」とか「こうやりまします」とスパッと言われたわけだから、時間はなかったのだけれども、次の基本(政策閣僚)委員会なりいろいろな機会で、私がお願いしたことはちゃんと取り組んでくれるだろうと、私は思っていますけれども。

以上。そういうことです。何かありますか。

【質疑応答】

問)

郵政の見直し、郵政事業の見直しですが、これは国鉄の民営化と郵政民営化が違うのは、郵政事業は利潤を追求したら失敗するのです。というのは、もう「釈迦に説法」になりますから詳しく言いませんけれども、私、僻地(へきち)も都心の真ん中も、それから元郵政官僚もずっと取材したのですが、郵便の…。

答)

いや、そういうことはちょっと、この場では時間がないから、また別な機会に教えてください。

問)

はい。

問)

フリージャーナリストで岩上安身と申します。

まず、質問の前に、ちょっとお願いと提案なのですけれども、この会見というのは、全部、金融庁の方のホームページに起こし(概要)がアップされていますよね。前回も、既に出ております。他の記者クラブの記者会見もそうですけれども、質問者の名前、社名が一切上がっていないですね。せっかくですから…。

副大臣)

ごめんなさい、この会も?

問)

この会も。それで、どこのだれが、どんな社が、どんな媒体が、どんなフリーが来て、どういうふうな質問をしたのかということも、できればこうやって私ども名乗っているわけですから、アップしていただきたい。

副大臣)

それは問題ないですね。

広報室長)

ちょっと個人情報保護の関係があるかもしれません。

ちなみに、第1記者会見の方も、社名や名前はないですよね。

問)

はい、そうです。それはわかっておりますけれども、やはり…。

副大臣)

それでは、岩上さん、記者クラブも記者クラブのルールで彼らはやっているのですが、我々は記者クラブをオープン化したいと言って、そのための試みとして、今、これをやっておりますが、この会合も、これは参加者全員の何がしかの合意がないと、今、岩上さんのご意見だけで決めるわけにはいきませんので、その件は新ためて、ちょっとお預かりするということでよろしいですか。

問)

お考えいただくと。もちろん…。

答)

嫌だという人もいるだろうしね。

問)

そうです。だから、選択制で良いと思いますが、質問者の方もどんな質問をしているかということを、国民の前に我々の姿も晒す責任というのはあると思いますので。

副大臣)

では、今からご発言になられる方は、お名前を出してもよいという人は、まずご発言のときに、「自分は名前を出してもよい」とおっしゃってください。名前を出したくないという方は、一応、社名とお名前を言っていただいた上で「名前は伏せてください」と、それぞれおっしゃってください。その上でご質問ください。

問)

今、大臣がおっしゃられたことに関して、自公(連立政権)の組んだ補正予算を今までカットしている。そして、今度、新しい補正予算といいますか、政府支出をつくらなければいけないとおっしゃっていて、その中身の実際の差、どのような違いが生まれるのか、それを教えていただきたいと思います。

答)

簡単に言うと、これは鳩山カラーと言ったらおかしいけれども、それを表に出したものをやるわけですから、抽象的には「友愛」でしょうけれども、それを実現するには「友愛」という抽象的なことではしょうがないわけだから、それを実現するための具体的な、私なりに考え方はいろいろありますよ、それは。例えば、社会資本整備にしても、無駄ではなく展開していくのは幾らでもあります。昨日も台風が来たけれども、災害のための防災、あるいは地震のための防災公園をやるだとか、あるいは太陽光発電みたいな、そういうものを今までのチャチな形ではなくて、政府支出を思いっきり出していってやっていくとか、あるいは電力会社だけに任せないで、電線の地中化、全部やってしまえばよいのだと。道路に沈めるだけで、道路が広くなるでしょう。街も綺麗、地震にも強くなる、そういうことに思い切って金を出していくとか、これは国交省の前原(国土交通大臣)さんの所管だけれども、やることは幾らでもあるのです。

地方の中小・零細業者の未来に向けて元気の出てくる、有用な、具体的な仕事を出す方法は幾らでもあります。特に今の地方は仕事がなくて、どんどん潰れているわけです。それを、やはりちゃんと仕事を出していく予算を、組めばよいと私は思う。それは、無駄ではないですよね。ゼネコンが、ガバガバッと儲けるために無駄なものを作るというようなことではなくて、これをやったから大きな台風が来ても安全だな、がけ崩れがないと。がけ崩れ防止だって、私は建設大臣もやったけれども、危ないところが2万カ所以上もあるのです。

だから、そういうようなことを含めて、本当に大事なものを社会資本整備でもやっていくということ、それだけを考えたって幾らでもあるし、あと、介護関係だって、介護現場というのは、今、大変な状況なのです。そういうことに対して、思い切って手を入れていく。それと、環境問題と言っているわけでしょう。環境などについて、エコカーなどで今やっているけれども、そういうCO225%削減につながっていくような対策、国が奨励するという補助金を思い切って出していって、やはり政府が金を出していって、この環境事業を手伝っていくようなことも、幾らでもあると思います。それが、やはり内需をどんどん押し上げていくわけで、黙ってしまったら切られただけになってしまうのだよね。それは、時間がなくなってしまうから今全ては言えませんけど。

問)

ファイナンシャル・タイムズの中元と申します。

ローンの返済条件の変更についてなのですけれども、これをやると、最終的に問題を先送りするだけで、どこかにしわ寄せが来るという危険性もあるかと思うのですけれども、それに対してはどのように対応されるのでしょうか。

答)

これは、他の外国の新聞社に同じことを聞かれた。不思議ですね。だけど、こんなことは当たり前の話なのです。これは、私は総理にも言ったのだけれども、うちの守備範囲でやっていることというのは限られているのです。返済猶予されたからといって、その企業が生き生きと生き延びるということにはならないのです。仕事がどんどん出ていくようにしなければいけないですね。うちの守備範囲ではないところですね。

また、仕事の出し方が、儲かりもしないような値段はほとんどが公正取引法違反です。そういう形で大企業が下請や孫請、小さいところへ出していくやり方を変えさせて、仕事も出す。その出し方も、ちゃんとそこらに金が行くような形で仕事を回していくということをやらなければいけないのです。そういうこともやっていくということと、また、ローン返済を猶予したからといって、新しい事業展開をしていくための資金だとか運転資金を貸さないということはさせません。今度は、それもちゃんと新しいそうしたニューマネーをいただく側をどんどん入れるような形で、この法律はやっていきますから。その結果、不良債権の分野に入れてしまって、それで特に小さい、中小の金融機関とかが貸出し、その他不自由になることがないように一生懸命手当てを検討してくれと。延ばせれば良いというものではないのです。その企業が将来ともきちんと生き延びていくためにはどうするかという視点から法案を検討しています。

ただ葬式を先に延ばすみたいな話だったら、その当事者もノー・サンキューです。だったら、今すぐに葬式をやった方がいいのだから。

外国と違って、うちはその場その場で、とにかく借金がある人はやるけれども、その場限りと、そんなことはしません。先まで面倒を見ると。

問)

日刊ゲンダイの小塚といいます。

今の話の延長線上で考えると、結局、グローバルにはいわゆるBIS規制があって、今度、新BIS基準というのも検討されていて、より銀行に対する不良債権の評価が厳しくなるという方向に流れているのですけれども、日本がそういう返済猶予というのをやるとすると、この間、(仙北)信用組合の前理事長もおっしゃっていましたけれども、そのBIS規制を日本の国としてどう考えていくのかということにつながると思うのですけれども、どうですか。

答)

これは、世界の中で、全部ではありませんが、世界の中にある冷たい国と日本は違うのです。日本は温かい国なのです。だから、みんなで幸せになっていくことを、みんなで協力してやっていく国なのです。だから、そうした債務を繰り延べしたからといって不良債権の分野に入れていくとか、その4%が3%に下がったからといって、というようなことはさせません。今度、金融(検査)マニュアルを変えますから。これは同時にやるのでしょう、出すのでしょう。

副大臣)

法律の後に、マニュアルの改定につながると思います。

答)

だから、マニュアルも変えますから、だから、少々それが下がったって、別に何ということはないですね。

問)

そうすると、ちょっとずれるわけですか、基準が。海外とのその辺の整合性というのはどうなのでしょうか。

答)

いや、外国で資金調達しているような、そういうところが8%です。そういうところと、やはり地方の、外国で資金調達をしていないようなところに、同じようなBIS規制のチェックをやる必要はないのです。分けて考えればよい話ですから。我々はそういう行政をやっていますから、アメリカの基準に日本の田舎の信用金庫まで合わせるようなことは全然必要ない。

問)

週刊エコノミストの濱條です。

時価会計の凍結と言っていらっしゃって、ただ、6月に企業会計審議会は、この2010年3月から国際化基準の任意適用を認めると。2012年には、もう2015、16年をめどに強制適用みたいな形のことを言われていますが、これは見直しですか。

答)

そんなことはやりません。

もう、日本は新しい時代に入っています。そうした国際基準が、アメリカもヨーロッパも日本も同じというのは理想です。そうはいきません。これは、国々にはそれぞれの営みがあるのです。会社の経営にしたって、それに合った形でやれば良い話であって、今だってアメリカとヨーロッパはそうでしょう。今度、ヨーロッパの方が来るようだけれども。それが違うのはある面では仕方がないことなのです。日本だってそうです。日本の経営は、やはり日本の実態に合った形で会計基準も運用していくべきで、恐らく将来一緒になっていくでしょう。

だけど、なかなか世界的に一遍にはいかないのではないですか。簡単に言うとそういうことです。四角四面なことをやらせるつもりはありません。

問)

では、6月の中間報告は、もう白紙という理解で良いですか。6月の中間報告は、白紙撤回ということですか。

答)

中間報告なんかしているの。

問)

前政権でやっているのですけれども。

副大臣)

いや、まだ中間報告の内容については、十分に検討した上で対応するということですから、それについて、今、ご回答は、ちょっと…。

答)

小泉・竹中のやったものを私は踏襲する気はないのです。それを、アメリカやそこらがあてにしていったら大間違い。そうですよ。

私は5月にアメリカへ行ってシーモアとかビューターだというけれども、この亀井静香をCIAが暗殺でもしない限りは、アメリカの言うとおりにはならないよと。わかりやすいでしょう。

問)

ザ・タイムズのレオ・ルイスです。一般の人々、つまり社会の利益というのは、大臣の考えで、株主の利益よりも優先されるべきものだとお考えなのですか。

答)

これは、株主もやはり一般国民です。そうした株主が、国民全体が幸せになっていく過程の中で、株主の方も利益を得ていく。国民が犠牲になる中で、株主だけが利益を得ていくということはあり得ないのです。長続きしないと思います。特に、日本の社会においてはそうですね。株主もまた一般の国民の一人であって、そういう観点から、私はそうした投資の関係についても、国はこうやっていくべきだと思いますので、株主が一時的に利益を得るということだけでは、結局、その株主もうまくいかないと思います。

問)

日刊ベリタの及川健二と申しますけれども、新党日本代表の田中康夫さんがおっしゃっていましたが、「この際だから、連帯保証人制度も撤廃してはどうか」という提言をされていましたが、それについてはどうお考えでしょうか。

答)

それは、連帯保証までやめたってうまくいくのなら、それが良いかもしれないけれども、現実問題は、なかなかそういうことを全部、「貸借関係で連帯保証は一切やるな」というわけにはいかないと私は思います。現実問題として。理想かもしれないけれども。

(以上)