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亀井内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成21年10月16日(金)09時14分~09時41分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

閣議では特別にございません。

私の所管のことについては、モラトリアムもいよいよ法案化に向けて最終段階に入っております。併せて(金融)検査マニュアルを抜本的に変えますので、視点は何度も言うように、金融機関の財務内容はどうなっていくかということもさりながら、金融機関としての役割、社会的責任をきちんと果たしているかどうかという視点での検査をし、ある面では変えていきます。借り手にコンサルタント的立場で融資等がなされていっているかどうかということが、一つの金融機関の健全性、財務内容の健全性と同時に大事だと考えておりますので、そういう観点で法案の成立と大体同時頃にこれをやる(金融検査マニュアルの変更)予定でおります。そのために、今までの小泉・竹中の金融思想とも言ってもいい、弱肉強食の社会をつくっていく方向での金融政策に基づく金融検査、恐らく心ならずだろうと私は思うのだけれども、これに従事をしてきた検査官の今までの経験、今後どうあるべきか、私が今言っている新しい政権の金融政策の中でどういう検査のあり方がいいのか、という意見を現に検査をやっている検査官に聞きたいと思っております。昨日、副大臣とも相談し、長官にも指示をいたしまして、今日の4時から、金融庁の会議室で集まっていただいて、そういう話を直接聞かせていただく予定であります。より良きものをつくり上げる努力をしたいと思っています。

それと、ここは郵政見直し関係の記者の方も来ておられるのですか。それも26日から国会が開かれることになりましたので、26日からの本会議に郵政見直しのための株資産の凍結を盛り込んで、その中に見直しの基本方針等も、できれば基本的な部分を盛り込みたいと思っております。最初はそれとは別に基本法を出そうかと思っていたのですけれども、1か月程度の国会の中ではなかなか難しいとなれば、そこの中に盛り込もうかと。そしてその前に郵政見直しの基本方針を閣議決定したいと。これを来週の閣議で決定したいと、今、その検討をさせております。

おかげさまで、これも順調に。この郵政見直しへ向かって何度も申し上げますが、小泉改革なるものでガタガタにされた郵政事業をその前の形に戻す気は全然ございません。地域のために、国家のために生き生きとした郵政事業をつくるというようなつもりで、そういう決意で、この臨時国会から出発をいたします。

以上です。

【質疑応答】

問)

ちょっと今のお話とダブルかもしれませんが、政権発足から1か月経ちまして、その間、既に貸し渋り法案に関しては、大分作業も進んでいらっしゃると思うのですけれども、この1か月間を振り返って、大臣としてのご感想をまずいただけたらと思うのですが。

答)

前に申し上げたように、私は新政権が歴史的使命を帯びて神の手によって生まれたと確信をしておりますが、そうした歴史的使命を果たすために、今、政権は全力投球を始めております。私もそうした守備範囲の中で、後追う限りの努力をしたいということで、今、モラトリアム、モラトリアム猶予法案でもいいけれども、まだ正式名称は決めておりませんけれども、これの作業と郵政見直し作業に取り組んできました。ちょうど1か月ですね。1か月の間で、大体、それぞれ私が当時予定していたとおりの内容、また作業が進捗をしていると。3党が本当に一致結束をして、努力していただいている。また、それぞれの役員がこれに対して全力を挙げて頑張って努力をしてくれているという感じがいたしました。非常に大臣としてありがたいなと、今後とも、市場原理至上主義に基づいてガタガタにされた日本を私の所掌範囲を通じてちゃんとしていきたいし、私はまた(基本政策)閣僚委員会のメンバーでもありますから、私の守備範囲以外についても、そういう責任を積極的に果たしていきたいと思っております。そういう観点から、公取(公正取引委員会)を呼ぶのは来週何日ですか。

事務局)

公取は、今、水曜日か木曜日で調整中です。

答)

何度も申し上げますように、今の中小企業、零細企業、商店のこうした大変な状況を、返済猶予とか新規貸付とか、そういうような梃子入れ、金融庁だけの梃子入れで解決できることではありません。守備範囲の中ではそれはやりますが、総理にも強く申し上げておりますけれども、総理も全く同感だと言っております。やはり仕事を出していかなければいけないわけです。そういう意味では、補正予算、また来年度予算編成、こうした中で日本経済に内需が創出をされてちゃんとしていくということについて、私なりに意見を言っていますけれども、同時に(これはただ)仕事が出れば良いというものではない。仕事をやったって儲からないというのではしょうがないでしょう。小泉改革の下でそんな状況になってしまったのです。だけども、私は、そういう仕事の出し方は日本経済自体を弱めていくと思っておりますし、また、中小・零細企業、そこに働く人たち、地域社会をガタガタにしているわけでありますから、ノーマルな契約関係、これが大企業と中小・零細との間になされていくような、私はそういう状況をつくらなければならないと思います。これは、狭い解釈をすると、ある面では私の守備範囲外だけれども。やはり公正取引委員会という役所もあるわけですから、それがノーマルな、正常な契約関係にあるかどうかということに強い関心を持って対応をしてもらわなければならないと私は思いますので、来週ちょっとおいでをいただいて、「何で私たちが金融庁に行かなければいけないのか」と思われるかもしれませんが、何度も言いますように、金融庁の対策、狭い範囲だけでどうこうなるものではありません。そういう仕事が出るようにする。かつその仕事がこなされていく過程の中で、国民全体に富の配分がうまくなされていくという状況をつくるために、私なりに努力もしたいと、このように考えています。

問)

今の公取委の話なのですけれども、それはお呼びになられてどのようなお話をされるということですか。

答)

これはかつて3年ぐらい前、この問題を国土交通委員会で取り上げてやったのです。「何だ、また守備範囲を離れて」とお叱りを受けるかもしれませんけれども、さっき言った返済猶予だけで助かる話ではない。こういう意味で、そういう努力をしたい。公取委の主管官庁はどこなのですか。

事務局)

独立した委員会です。

答)

独立しているのですか。では、もっとしっかりしてもらわなければ困りますね。まともな話し合いをしても、「談合だ」、「談合だ」って舌なめずりしてやったって、片方ではそういう状況があっても知らない顔をしているというようなやり方というのは。また私は非常に鋭角的な言い方をするから誤解が起きるかもしれないけれども、やはり経済活動万般について公取はしっかりと仕事をしてもらいたいと思います。

問)

意見交換ということなのか、何らかの要望をされるということなのか。

答)

それは要望でしょうね。意見交換をして要望。命令する立場ではありませんよね。

問)

公取の話なのですけれども、委員長を呼ばれるのですか。竹島委員長を…。

答)

幹部に来てくれと。事務総長でいいです。

問)

今までも大企業がそういう適正な値段で仕事を発注しない、いわゆる下請法違反みたいなものがあるとおっしゃっていましたが、具体的にはそういう大企業の下請関係とか、発注関係をもっと厳しく見たらどうかというようなところまで要望されるおつもりですか。

答)

だから、公正な取引がされているかどうかということに強い関心を持って、公取として対応をしていただきたいということですね。大筋で言えば。私の問題認識からすれば。私は、前も国交委員会でやりました。今始まった関心ではありません。本当に困っているのです。中小企業の私の友人なんかでもいるのだけれども、値引き交渉をビンビンされるから音を上げちゃって、「それは文書でください」と言うと、「文書ではしない、証拠を残すから」と、口答でピッピッピッとやっていくのですね。そうした実態でどこにも泣きついていけないと。せめて公取あたりがその辺りを合理的な、リーズナブルな、いわゆる取引関係、そういうものをちゃんとする責任が公取にありますよね。私は公取委の中身まで介入する気はありません。またあなたたちは、そうやってガーッとねじ曲げておいて、「けしからんやつ」って顔に書いてありますよ。そういう気はありません。

問)

しつこいようですみません。公正な取引が行われているかどうかの取り締まりを要望するということですか。

答)

取り締まりではなくって、公正な取引がなされているか、関心を持って、(もし)なされていない場合は公取が必要、権限があるわけですから。そういうことで、私が告発しているわけではないけれども、私も今までずっとそんな中小・零細企業の経営者からいろいろな話を聞いていますから、私は架空の話をしているのではありません。その中でひどくなってきているということを実感しているから。簡単に言うと、弱い立場だから言えないのです。駆け込み寺もないし。本当は公取が駆け込み寺なのだけれども、やっちゃうと今度は仕事がパーンと(なくなる)、そんなことになったら会社はお手上げになってしまうでしょう。中小企業というのは、非常に弱い立場にあるのです。では、「おまえのところに仕事を出さぬと、契約をしない」と言われたらおしまいでしょう。そういうことをいいことに優越的地位を利用して、どんどん値引きをしていくと。仕事があっても全然儲からないという状況に追い込まれていっているのですよ、今。

問)

その要望はどういうお立場としての要望ということになるのでしょうか。

答)

いや、私は、だから当然ながら中小・零細企業対策をやっているわけです。それを私の守備範囲では「返済猶予」というような形でやっているわけです。だけど、それだけでは解決できないから、仕事の出し方、仕事をつくることをやれと私は言っているのです。だけど、仕事を出しても、その出し方がちゃんとしないと、仕事はしても儲からないのではしょうがないでしょう。だから、そこを公正な取引がなされているかどうかという視点から公取に強い関心を持って見てもらいたいということを私は言いたい。

問)

つまり、一政治家としての要望というか。

答)

私は、一政治家です。一政治家であり、閣僚でもあります。

問)

閣僚として政府内にいらっしゃる立場として。

答)

私は閣僚ですよ。私は国務大臣ですから。また、私は閣僚経験者、基本(政策閣僚)委員会のメンバーですから。

問)

今の大臣の問題意識ですと、例えば下請法を改正する、制度・ルールを変えて解決する方法と、今のまま取り締まりをとりあえず強化してくれという…。

答)

「取り締まりを強化」というと、あなた方はまた私の顔を見て強権的なイメージで捉えるけれども、だから、公正な取引がなされているかという調査をしていくことが、公取の職務権限の中にあるわけですから、そういう立場から調査をした結果、そういう状況について前向きに積極的に対応していくと。私は架空のことを言っているのではないのですから。今、もうそういう状況になっているのですよ。皆さん方も新聞記者なら、そういう取材をしてください。コストダウンさせるということをね。コストダウン、コストダウンというのが、そういう形で言っているのですよ。そういう経済構造自体が小泉改革の中で是とされたのですよね。私はこのことを、去年の時もそうだけれども、今年経団連に行った時も、御手洗会長に何回も申し上げたのですよ。元請け大企業も、下請も、孫請けも、従業員もみんながこの富の配分にちゃんと授かっていくということでないと、日本経済全体がもたないですよということ。それを御手洗さんは「そのとおりだろう」とおっしゃっていますよ。「総論的にはそのとおりですね」と言って。でも裏の実態においてはなかなかそういっていないからということです。私は、別に野球で言うと、守備外に出ていってもちゃんとラインが引いてあるのだから、その観客席まで入っていってプレーしているとは思いません。グラウンドの中で私はプレーしていると。

問)

話は変わるのですが、返済猶予の件で、昨日大塚副大臣が、大臣はずっと当初から3年程度ということをしきりに強調されていましたが、特にそれは「当事者間でいけば、4年でも5年でもいいのだ」ということを大塚副大臣は言及されたのですが、それはそういう考え方でよろしいということなのでしょうか。

答)

それはそうですよね。それは、貸し手と借り手の関係で成立する話ですから、本来、そこらを金太郎飴みたいに、金融庁が「どういう契約にしなさい」、「返済猶予何年にしなさい」と言うべきことではないのです。また、これも時限立法で何年にするかという話はあるのだけれども、下請け、孫請けを含めて中小・零細企業や商店がこんな状況が何年も続くと思っても困るでしょう。やはり新政権ができて、バンバンと経済対策も含めて手を打って、仕事も出てくる、また仕事の出し方もちゃんと変わっていく、やはりこれで光が見えてくるという希望も持ってもらわなければいけないわけですよ。我々新政権でこんな状況を長く続かせる気がない。そういう意味では、とりあえず1年ぐらいの時限立法で、その時も残念ながら状況が改善されないということになれば延長することだってあり得るわけだけれども、とりあえず何年もこういう状況が続きますという前提のもとに基づいてこういう法律をつくるわけにはいかない。

問)

郵政民営化の見直しの関係で、2点お伺いしたいのですけれども、1点は来週にも閣議決定をされるという内容なのですけれども、金融のユニバーサルサービス等の理念のほかに、組織形態の話でありますとか、あるいは見直しの具体的なスケジュールが入るのかというところが。

答)

そこまでは、そんな入れません。簡単に言うと、3党合意に基づいて我々が合意していることを新政権の基本政策として閣議決定するということですね。

問)

もう一点、何度もお伺いして申しわけないのですけれども、西川社長の後任問題の目途というのは。

答)

いつも聞いているでしょう。関心があるのは分かりますよ。皆さん方の関心があるのはよく分かるけれども、今の私にそんなことを聞いたって記事になるようなことが出るわけないでしょう。配信するようなことが出るわけないでしょう。気持ちは分かりますよ。

問)

先ほどの閣議決定の話ですけれども。閣議決定するまでじゃなくて、3党合意で十分だとか、臨時国会や通常国会に基本法を出せばいいわけだから、閣議決定までする必要はないのではないかという声も。

答)

誰が言ったのですか。

問)

官邸の方だとか…。

答)

官邸の人間、誰が言ったのですか。

問)

民主党とか実際に…。

答)

民主党という人間はいないのです。

問)

閣議決定されるには、特に官邸とか総理の強い意思というのが必要だと思うのですが。

答)

これは小泉政権がやったときも、閣議決定した。我々もだから基本方針、基本法を臨時国会で出せれば、出して可決できればいいけれども、短いでしょう。そうなるとすれば、閣議決定で基本方針を確定しておくというのも一つの手でしょう。国民に対して明確にしていく。

問)

一つの手というのは。

答)

だから、基本法でやったっていいのだけれども、それはなかなか期間が短いから、では閣議決定で同様な基本政策を決定していくと、あとは国会でやればいい。まず内閣でやっていくというやり方ですね。

問)

大臣、すみません。もう一個だけ冒頭の話で質問があるのですけれども。

答)

だから、合同(会見)にしようと。あなたたちがそうしないから時間がなくなっちゃう。

問)

1個だけすみません、冒頭のお話で。先ほど金融検査マニュアルを抜本的に変えるというふうにおっしゃったのですが、社会的役割だとか、コンサルタント的立場、これを履行しているかどうかをチェックするとおっしゃったのですが、なかなか計量では難しい、数字では計れないような類の事柄だと思うのですが、どのように検査していく…。

答)

だから、それを今実効あるものにするにはどうしたらいいか。だから、4時から実際にやっている人の意見を直接聞くと言ったのです。

問)

まだ未定ということですね。

答)

だから、私はこんな頭でさ、勝手にやってみても実効性のあるものにならない可能性がありますから、実際やっている検査官に聞けば、全国を知っていますし、全部はこれから。できるだけの方たちに集まってもらいたい。

問)

その辺をディスカッションするということ。

答)

ディスカッションというか、どうしたら良いのか私は聞きたいのですよ。基本的に私の考え方はもちろん話しますけれども。それを、では検査マニュアルの中で生かしていくにはどうしたらいいのか、という意見を私が聞きたいということです。

問)

何人ぐらいが出席されるのでしょうか。

答)

そんなことは分からないですよ。私は事務方ではないですから。そんなこと聞かれたって分からないです。

問)

大臣、1点なのですけれども、郵政なのですが、基本法に関しては通常国会でやればいいということだと思うのですけれども、あえて閣議決定をしなければいけない理由というのはあるのでしょうか。

答)

だから、今も言ったでしょう。期間が短いから、基本法が成立するのか、期間的にと。郵政だけではなくてモラトリアムもあるでしょう。今度の(法案の)中身は、重いやつはうちのものばかりみたいなのです。そうであれば、とりあえず閣議決定をしておくと。あとは国会でやりますということです。

問)

鳩山総理は了承されているのですか。

答)

そんな細かいこと、全部私に任せると仰っているのだから。「総理、そういうことでしますよ」と言ったら、「駄目だ」とおっしゃることはないと思いますよ。

問)

これから相談ということですか。

答)

だから、方針を決めたら、もちろん総理には申し上げなければいけないし、総務大臣にもお話をしなければいけないし。

(以上)

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