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亀井内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成21年12月25日(金)10時37分~11時03分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

おはようございます。

今日は、閣議では11月の労働力調査が発表になりまして、残念ながら、完全失業者が331万人で、前年に比べて75万人ぐらい増えてしまったという厳しい雇用情勢の発表がありました。

消費者物価は、下げ方が、若干、11月は改善されているということですけれども、依然として、経済、雇用の状況というのは厳しい状況であると思います。

来年度予算編成、今日、決着を目指して、基本政策(閣僚)委員会、ワーキングチームも、昨日から、いろいろ最終調整に入っているわけでありますが、こうした経済の状況、来年度の景気をきちんと上昇させていくというための力強い予算になるようにということで、国民新党もそういう方向で、強く、いろいろと協議をしているところであります。今までのところは、地方重視、地方への梃子入れというようなこと、また、具体的な、地方での内需の創出、役に立つような内容の、かねてから我々が主張しているような、電線の地中化とか、都市緑化、立体交差というようなことも個々には相当入ってきておりますので、いよいよ最後の詰め、折衝を、今日、やっていく予定であります。

以上。何かありますか。

【質疑応答】

問)

まさに予算の話なのですけれども、これまで大臣は、今、おっしゃったような社会資本整備などを積み上げれば、「95兆円規模は最低限必要である」と発言されてきました。また、その財源については、「特別会計から15兆円程度出せば良い」と。仮に、財務省が拒否したら、「主計局長の首を切れ」とまでお話しされてきましたけれども、大臣のこれまでのご発言と現在の検討状況のギャップというか、どのように見ていらっしゃいますか。

答)

まだ、主計局長の首はくっついているようですから(笑)。「特別会計から思いきって出せ」ということについての、政府での努力は続いていると。総理も、私にかねがね「そうすべきだ」と。それをやった上で国債発行という手順を踏まなければ国民も納得しない、というお気持ちを持っておられたようでありますから、そういう努力を含めて、あろう限り国民生活に万全を期していく、経済に万全を期していくという観点からの努力を、今、やっている最中であります。

問)

総理のことなのですけれども、昨日、総理の資金管理団体の偽装献金問題で、東京地検特捜部が、元公設第1秘書を在宅起訴、元政策秘書を略式起訴としました。総理は、嫌疑不十分で不起訴となっていますが、総理の政治的な責任について、大臣はどのようにお考えになっていますか。

答)

私は、さっき総理にも申し上げたのですけれども、秘書に対して厳しい監督指導をやっていくのは、政治家の当然の責任でもあり義務でもあるわけですけれども、会計帳簿の処理状況、お金の出し入れその他について、これを信頼している秘書について、細かくすべてを政治家が掌握していくということは、あなた方が政治家をやってみればわかるのです。政治家になってみてください、わかりますから。そんなことできるはずがない、ということをあなた方は要求してしまうので、それは私だってそんなことはできません。そんな、一々、札束を勘定して帳簿と合わせて。こんなことをやらなければいけないのだったら、政治家の仕事はできませんよ。私だって、年間何億円ですから。私などは、特に、零細の方から献金をいただいていますから、一々それを全部調べ上げて、というようなことを秘書がきちんとやっているかどうかまで、また、その秘書を私が点検するなどということをやったら、大臣の仕事なんかやっていられません。それが現実なのですよね。政治家に対して倫理は強く要求すべきだし、きれいに集めてきれいに使っていく、これに尽きるのですよね。秘書について信頼できないで、一々、政治家本人が金勘定をやるみたいなことを…、誰だって、そんな秘書は雇いませんよ。信頼できるから任せているのです。それが「監督不行き届きだ」と言われ出したら、ほとんどの政治家は政治家をやっていられませんよ。私などもやっていられない。ここには、うちの秘書は来ていないですか。それぞれの分担をさせながらやらせているのです。

総理だって同じですよ。総理の場合は、愛情深きお母さまの愛に支えられての政治活動をやっておられたのでしょう。私のおふくろも愛情深いけれども、お金がないと。その違いがあるだけの話で、私のおふくろも、必死になって私を支えてくれました。

問)

では、今のお話ですと、政治家は、秘書が悪いことをやっても、結果責任もとらなくても良いのでしょうか。

答)

だから、ちょっと待ってください。あなたもジャーナリストでしょう。言葉を選んだらどうですか。それは、法律に反することは良くないですよ。

問)

だから、結果的に…。

答)

法律に反することは良くないけれども、ただ、そのことについて秘書が、自分の私腹を肥やすとか、悪意によって行動している場合と、そうではなくて法に反するような処理をやってしまった場合と、やはり法律違反の場合だって、いろいろ中身の差があると思いますよ。

あなただって、法律違反をぜんぜん犯さずに生きていられますか。

問)

いや、いっぱいしていますよ。

答)

しているでしょう。だから、程度のものなのです。あなたが塀の中に入るようなことをやっていないだけの話であって、毎日の日常生活で人に迷惑をかけている場合だってあるわけでしょう。私だってそうです。

だから、秘書の行為について、もちろん結果責任みたいなものはありますよ。「それがない」ということを、総理も言っておられるわけではないのです。だから、それは秘書を辞めさせられたのでしょう。

問)

ただ、その結果責任、秘書を辞めさせて、ああいう謝罪会見を開くということで、多分、普通の人の感覚から言うと納得感は得られにくいという…。

答)

どうしたら良いのですか。

問)

端的に言うと、それはやはり総理をお辞めになるしかないのではないかと。

答)

では、あなたの社は、記者がしょっちゅう不祥事を起こしているではないですか。社長が、その都度辞めるのですか。

問)

珊瑚事件のときは辞めました。

答)

それは、だから程度の、そういう中身の問題だと。そうでしょう。

問)

では、今回は、そこまでの程度の問題ではないということですか。

答)

それはそうですよ。それだったら総理が務まる人などいないですよ。さっき言ったように、そんな薄氷を踏むような思いで政治家をやれますか。「あなたがちょっとしたつまらないミスをやるのではないか。やったら私は社長を辞めなければいけない」と言って、おろおろしながら社長がやれますか。あなたを(例に)出して、悪意を持っているから言っているのではないですよ。例としてわかりやすいから、そういう言い方をしているのでね。それは、悪意を持ってそうした行為を行っている場合は、結果責任を問わなければいけない場合もありますよ。

それと、今、あなたは政治資金規正法をどう思いますか。規制のあり方にしたって何だって、しょっちゅう猫の目のように変わってくるでしょう。そういう極めてテクニカルな法律ですよ。そのテクニカルな法律の中で、政治資金規正法に基づいた処理をやっていくわけですけれども、その中で、やはり鳩山総理の秘書は、やってはいけないことをやってしまったわけですけれども。

あなたのことばかり言ってはおかしいですが、あなたは特徴のある質問を私にするから、あなたを覚えてしまったので、あなたのことばかり言って申しわけないのですけれども、今まで、政治資金規正法違反でどれだけの政治家、秘書が俎上(そじょう)に上ったか。それは、法律を守らないということは悪いのです。悪いことは間違いないのですけれども、一方では、政治資金規正法という法律自体が犯罪者を作っていないか、という反省があってしかるべきだと思いますよ。

問)

ただ、その裏側には、公的資金、いわゆる税金で政党助成金を出すようになったというのとトレード・オフがあるのだと思うのですけれども…。

答)

はい、それはそうです。そういう問題はありますよね。だから、公的助成金を出していれば、国民の税金を使っているわけですから、これについて極めて透明化を求めるというのは当たり前だと思いますよ。

だけど、一方では…、あなたばかりと言い合って、あなたと討論会みたいになってしまったのですけれども、例えば、「政治活動をこのお金でやってください。頑張ってください」という善意の寄附者がいるでしょう。その善意の寄附者は、1円までの領収書を、「献金した自分以外の第三者が、自分が献金した金の使途についてまで、1円までのそういう手続をずっとやってくれ」とまで望んでいますか。

問)

法律はそうなっています。

答)

法律はそうなっているでしょう。そういうことを含めて、それはあなただって、取材費の領収書を上司に出す時に、1円までの領収書を確実に求められてしまったら、現実問題として、記者の取材活動に相当制限が生まれてくると思いますよ。

だから、そういう意味を含めて、私は、法律ができているのだから否定するわけではないですよ。私は、否定することを言っているのではないですけれども、そういう意味でも、今の政治資金規正法というのは極めてテクニカルに、政治の浄化という目的に照らして、それが良いのかどうかという、私は問題点があると思います。あなたは、そう思わないですか。

問)

テクニカルな面は直して良いと思うのですけれども、今回、私が聞いているのは、総理がやられたことが、そのテクニカルな問題だと思わないと…。

答)

いや、それは、だから総理も「申しわけない」と言っているわけでしょう。「申しわけないことを秘書がやった」と。総理は、別にそれをかばっているわけでもなければ正当化しているわけでもないのですけれども、そういうことで総理が責任をとって辞めるなどということは…、うちの伊藤君(秘書官)が来ているけれども。事案によりますよね。伊藤君(秘書官)がそういうことをやったからといって私が大臣を辞めるというのは、それは事案によるわけです。それは、あなた、わかりますか。

だから、一国の総理の責任とは何かということ。やはり、政治を遂行すること、政策を遂行することですよ。国民から負託された政権交代という中で、国民が求めている政治をやることが鳩山総理の責任であって。それをみんな小姑みたいに、「辞めろ」とか「辞めるな」とか、各紙とも、今朝、書いているけれども、そんなのは、あまり良いことではないですよ。攻める場合は、もっと正面から攻めないと。

問)

郵政事業についてなのですが、ユニバーサルサービスを維持するための費用についてなのですけれども、これを一部、国が税金で負担するという…。

答)

誰がそんなことを言っているのですか。

問)

という報道が出ているのですけれども…。

答)

あなたの社が報道しているのですか。

問)

いや、うちではないですけれども。

答)

では、その社に聞いてくださいよ。

問)

これについて、現時点での大臣のお考えというのはいかがでしょうか。

答)

だから、よその社が報道していることを私が答えるわけにいかないではないですか。そうでしょう。違いますか。その社に聞いてくださいよ。うち(国民新党)はそんなことを言っていません。方針も示していないのですから。

問)

予算に関してなのですけれども、大臣は、かねがね「95兆円規模以上の予算の枠が必要だ」というようなお考えでおっしゃっていたかと思うのですけれども、今のところ「92兆円台になるのではないか」という見方も出ていますけれども…。

答)

それは、まだ、今、やっている最中です。あなたの社は、いつもそんなことを聞きますね、本当に。

今日、あなたの社の論説委員と意見交換するのでね。国民新党で、あなたの社とさっきの社か、分からず屋2社と、今日、やることにしているので。経済政策については代表的な2社ですね。

問)

それでも改めて、やはり、もしも仮に92兆円台であっても、大臣としては、場合によってはご了承されるというお考えでしょうか。

答)

あなたは、何でそういう質問をするのですか。「仮に」とか「仮定に」とか。今、一生懸命、下地(国民新党政調会長)が中心になってやっている最中でしょう。そんな仮定の話を政治家に聞いたって答えるわけがありません。

問)

いや、全くの仮定の話ではなくて、今、現在、確かに動いている話で、そういった、92兆円台という方向性で調整しているのは確かであると思いますし。

答)

そんなことは、どこが確かなのですか。

問)

まだ、確かに固まってはいないですけれども…。

答)

あなたの社が書いているだけではないですか。

問)

いや、各社とも書いていますよ。

答)

各社って、どこが書いているのですか。

問)

大抵のところが書いていると思いますよ。

答)

そこに聞いてみてくださいよ。私に聞いたってしょうがないことを聞いたってしょうがないでしょう。さっきの社と同じです。この場では、私に聞かなければいけないことを聞いてくださいよ。

いじめているのではないのですよ。だけど、そうでしょう。

問)

先ほどのご説明の中では、電線の地中化とか立体交差とか、地方活性化に向けた国民新党の主張が相当入っているというご認識を示されたのですけれども、であるならば、別に、金額、95兆円という規模にはこだわらず、納得のできる内容であれば良いというご認識で良いのでしょうか。

答)

また、あなたもそんなことを言っているけれども、いや、だから、私は前から言っているように、額も実需なのです。乗数効果を除いても、丸々、一応、それがたんす預金になれば別ですけれども。子ども手当てとか、たんす預金になる場合もあるかもしれないですね。なる場合もあるかもしれないけれども、やはりほとんど実需になるのですよ。だから、額もやはり重要なのです。だから、こういう経済の状況下においては、財務省の「嫌だ、嫌だ」、「出さない、出さない」などということに…、子どものやんちゃですよ。そんなものに左右されないで、財源はちゃんと確保して、「現在の経済情勢にちゃんと対応した予算を組んでくれ」ということを私は言っているのです。

問)

最近、自民党を離党される参議院議員が続いていますけれども、こうした状況をどう見ていらっしゃるのかというのと、国民新党として、将来的にこういった人たちと手を組みたいというお考えをお持ちかどうか、お願いします。

答)

私も離党したほうですから、4年前に。離党したら、除名されてしまったけれどもね。それは、今の人たちも、嫌になって辞めているのでしょう。「嫌になって」というか、今の自民党が、いる(所属する)党に値しないということで離党しているのでしょう。後のことはわからないです。連携するとかしないとかというのは、私は「去る者は追わず、来る者は拒まず」というのが主義です。人数だけ増やせば良いなどということは考えていません。我々は、結党のとき4人でした。田村(秀昭 元参議院議員)さんが来てくれて5人。数も大事ですけれども、政治は数だけではないのです。

問)

自民党からの離党者に対して働きかけるようなことは、これからしないということですか。

答)

だけど、自民党が嫌だという人だって、国民新党と考え方が一緒とは限らないですからね。だから、自民党が嫌いだからといったって、国民新党と同じ政策を持っているとは限らないから、「何でもいらっしゃい、いらっしゃい」ということは、私はいたしません。

問)

予算にまた戻るのですけれども、大臣が、また(基本政策)閣僚委員会等々で協議されると思うのですけれども、地方分もある程度入ったという評価もありましたけれども、あとはどんなものを…。

答)

だから、今言った、もっと地方に…。

問)

もっとということですか。

答)

はい、配慮しろと。子ども手当なども、地方に負担させるようなこともいろいろ言われているようですけれども、「もっと地方を増やせ」と。地方がカラカラになっていますからね。それと、医療費等についても、わずか、ちょっと増やしているようですけれども、私は、もっと手当てをしたほうが良いと思っています。

問)

子ども手当の分というのは、要するに、地方負担分が幾つかある部分で、それをという…。

答)

それだけではないですよ。「もっと自治体が思いきって使えるお金を増やしたらどうか」と。それと、「もっと電線地中化、都市緑化、防災事業とか、額をもうちょっと増やせ」と。

問)

それは、要するに「地方交付税交付金をもっと増やせ」ということですか。

答)

まあ、それもありますね。

問)

また予算の話ですけれども、「額も重要」と、昨日の会見でも「額が重要、額が重要」とおっしゃられましたけれども、これは、95兆円に最後までこだわられるという意味なのですか。

答)

また…。何度も言っているでしょう。「額は大事だ」と言っているのです。だから、それを「もっと増やせ」ということを、今、折衝しているわけでしょう。

問)

「92兆円以上より増やせ」ということを、今、言っているわけですよね。

答)

はい。それは額が大事ですから。

問)

そこの求めているものは「95(兆円)だ」ということですよね。確認です。

答)

また…。「最低95兆円ぐらい必要なのではないか」ということを主張しているわけであって、別に、私たちも子どもの喧嘩をしているわけではないですから。「それぐらいやらないと、現在の経済情勢においては日本経済がちゃんとしないよ」ということを言っているのです。

問)

しつこいですけれども、92(兆円)では満足しないということですね。

答)

もう、そういう質問には答えません。

それは、額だけで「92兆円なら良いか」、では「93兆円なら良いか」、「94兆円なら良いか」と。予算は、額も大事だし、内容も、中身も大事なのです。両方についてぎりぎりと、国民新党の…、うち(国民新党)がどういう予算要求しているかあなたは知っているでしょう。それを中心にやっているわけなので、ただ、一応、うち(国民新党)のあれ(要望)では95兆円ということを、一応、あれ(要望)して折衝しているという話なのであって、それを民主党が最終的にノーと言うかノーと言わないか。

幾らうち(国民新党)が言っても、例えば、うち(国民新党)は単独政権ではないですから。それは民主党もいる、社民党もいる。そういうガンガン協議の中で、一方では、財源を握っている財務省が「嫌だ、嫌だ」と言っている、それをこうやると。いろいろな、それが交錯する中で決まっていくわけですから、あなたが言うように一遍にいくとか、別にそういうわけではありません。私は、もう予算折衝は反吐が出るほどやりましたから、自民党時代、政党会長としても。私は、財務省などはこうやってやりましたから。出入り禁止とやって、「おまえたちは経理係だ、私が事業部長だ。政党主導だ。私が決める」と。私は、あの武藤(敏郎 元財務次官)などというのも出入り禁止にしましたよ。私は、嫌になるほど予算編成をやりましたけれども、そんなに単純なものではないのですよ。

(以上)

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