亀井内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要
(雑誌・フリー等の記者)

(平成22年3月26日(金)9時22分~10時05分 場所:金融庁大臣室)

【大臣より発言】

今日は、閣議の中身は別に…。閣僚懇で、昨日の新聞なんかは、だいぶ仙谷(国家戦略担当)大臣の発言をいろいろ紹介していますが、彼(仙谷国家戦略担当大臣)が、「もう一度、全閣僚の意見を聞くようなあれ(場)を作って、もう一度、そこで協議したらどうですか」みたいなことをちょっと言っていましたから…。よく意味はわかりませんけれども、それについてはご承知のように、政治の政策決定のプロセスというのは、官房長官なんか関係閣僚を決めて、それについて関係閣僚で協議して具体的な中身を決めて、それを総理に報告をして、了承を得て、それで閣議に出していくというプロセスをとっています。

だから今度も、(民主党との)政策会議というのは9回ぐらいやりましたか。社民党、国民新党との間でも数回やって、そうした協議を各党との間でもし、さらに国民のいろいろな層の方々からも意見を聴取した上で、関係閣僚である原口(総務)大臣と協議をした結果、決めて、それを総理に報告し、了承を得て合意したもので、もう、それをもう一度、「政策決定のプロセスの根っこから元に戻せ」と言ったら、それは、もう政治にならなくなりますよ、と。これは当たり前の話ですよね。

そういう意味で、将来、郵政事業をどう展開していったら良いのかと。国政全般で影響がある話ですから、各界、閣僚から、そういう意味でのアドバイス、ご意見をいただくのは結構だと。今、非正規社員からも意見を聴いたり、国民全体、日本中の方から意見聴取しているでしょう。そういう意見をお聞きしながらやってきたのでね。(それは、)今後ともやりますので、そういう意味では、閣僚からご意見を聞くのは当たり前の話、ありがたい話ですから、「それはもう結構ですよ」と。総理も、「そういう懇談の場を設けるから」ということでした。

それで、私は、駄目押しというわけではないのですけれども、「とにかく今までのプロセスは前提にしての話ですよね」と、「いや、そのとおりです」ということで、官房長官が明確に言っておりますから、もう一度、時計の針を元に戻して、というようなことではありませんから、「それは結構です」ということを言って、終わりました。

以上です。何か質問がありましたら。

【質疑応答】

問)

フリーライターの高橋清隆と申します。

今回の郵政法案については、他の、従来の法案と全く同じプロセスでやられてきたという理解でよろしいでしょうか。

答)

そうですね。これは、関係閣僚が協議して詰めていくというプロセスですから、その過程の中で、我々は非常に丁寧にやったつもりですね。各党の意見を聴取する、国民の方々の意見も聞くと。その上で、一応、法案の骨格を決めて合意したわけですから、「そのプロセスを前提に」ということですね。

問)

では、今日提案された協議の場…。

答)

「協議」ではありません。「懇談」です。総理は「懇談」と言っていましたよ。

問)

懇談の場では、あくまで大臣の決定を理解してもらうという…。

答)

「してもらう」と言って…。理解も何も、決めてしまったのです。決めて、総理も了解してしまっているのですから、全閣僚がそれをひっくり返してなんていう場ではないですよね。プロセスを前提にしていくことを確認しているのですからね。その上で、今後、郵政事業を…。だって、かんぽを合わせれば、250兆(円)ぐらい(の資金がある)でしょう。膨大な資金をどう運用するのかというようなことについて私が言った(のは)、それは、民間会社なのですから、政府が株を持っていても、民間企業の意思を強制的にどうするわけにいかないですけれども。(ただ、)政府も株を持っているわけですから、国家的な見地からの資金運用のあり方とか、いろいろなものについて知恵を出していくということは当然の話なのでね。そういうことを含めて、今後、郵政事業の全体の運用について、閣僚からご意見をいただくということはありがたいことです。私は「ありがたい」と言いました。ありがたいことですから、「ぜひお願いします」ということで。

問)

それによって、出資比率や限度額が変更になるということはあり得ない…。

答)

ただ、プロセスというのは、「日本郵政を良くしましょう」ということを議論して決めるわけではないので、具体的に、それは持株比率もあれば限度額の問題もあります。そういうことがプロセスの中身ですからね。それをゼロからということはあり得ません。

問)

フリー(ジャーナリスト)の岩上です。

今回の「騒動」という言葉を使っていいかどうか…。

答)

全然、騒動ではないのですよ。私にとっては、「スパイス」ぐらいの話ですね(笑)。

問)

新聞の報じ方は、少なくとも「騒動」のように見える…。

答)

あいつらは、そう書かないとおもしろくないから書くだけのことですよ。

問)

騒動になる以前の問題だとしても、とりあえず今回の件は、仙谷(国家戦略担当)大臣の勇み足なのでしょうか、それとも(平野)官房長官の調整不足なのでしょうか。

答)

いや、やはりマスコミの書き方ではないですか。私は、仙谷(国家戦略担当)大臣にも言いましたが、この間も、「国家戦略上、郵政のあり方というのは非常に重要だから話をしよう」と。この間も、彼と話しているのですよ。だから、(今朝も)「あなたと話をしたな」なんて言ってね。「だから、そういう問題は、今後ともよく話をしていこうや」と。彼も国家戦略で、中期でいっていますからね。「そこでやりましょう」と言っているわけですから、別に、対立しているわけではないのですけれども、彼のものの言い方が、「プロセスをひっくり返す」みたいな言い方をしたから誤解を生じているのだと思いますよ。

問)

閣内対立であるかのように…。

答)

対立なんてものではありません。私は、昔から、仙谷(国家戦略担当大臣)と仲が良いですから。彼が大臣になる前から仲が良いのですよ。彼に「埼玉から、自民党から出ろ」と言って誘った関係もあるのですよ。それぐらいの関係ですから(笑)。昔、断られましたけれどもね。

問)

東洋経済新報社の浪川です。

昨日も大塚副大臣にお聞きしたことで、もう一度で恐縮なのですけれども、発表なさったこのペーパー(郵政改革に関連する諸事項等についての談話)上なのですけれども、預入限度額というのは、従来、本法ではなくて政省令でやっている部分ですよね。

答)

そうです。

問)

そうですよね。根本的な方向を定めるという意味では、本法での部分についてこうすると。例えば、新規業務を届出制にするのか、認可制なのかとか、大幹のところがあって、その後に枝葉の政省令があると思うのですけれども、わざわざ政省令の部分を早く出されたというのは、大臣は、何か喧嘩を売ろうと思っていたのですか。

答)

何で私が喧嘩をするのですか。あなたと喧嘩するのですか(笑)。

問)

いえいえ、私は喧嘩しません。怖い人とは喧嘩はしません(笑)。

答)

誰と喧嘩するのですか。私は総理と一心同体ですから。

問)

「(ゆうちょ銀行の預入限度額が)2,000万(円)は嫌だな」という人と喧嘩をやろうかなと思ったのではないのかなと。

答)

だけれども、私はそんな喧嘩なんかしません。私が喧嘩なんか嫌いだと分かっているでしょう。

問)

では、なぜ、わざわざ政省令の部分から出したのですか。

答)

だって、皆さん関心があるでしょう。

問)

サービスですか。

答)

サービスではありません。関心があることだからです。だから、これは、まず法律が成立するときに実施しようと思っているのです。二段階でいきますけれどもね。だから、やはりある意味で不安に思っている、どうなるのかなと思っているわけですから、これはこうやりますと(示す)。法律だって、もう4月の半ばごろには出しますからね。だから、その前に、どうなるのかなという関心が皆さんあるわけですから、関心のある部分については…。私はオープンな男ですから。

問)

金融タイムスの大嶋です。

政府がユニバーサルコストを払うこととか、非正規社員を正社員にするということはプロセスの中には入っているのですか。

答)

それは、プロセスの中に入っていますよ。

問)

入っているのですか。

答)

それは当然です。今の、非人間的な扱いをしている雇用形態を変えるということは、この郵政改革で心臓部です。

問)

ファイナンシャル・タイムスの中元です。

古川(国家戦略担当副大臣)さんは、「限度額を引き上げて、郵貯がもっと(日本)国債にたくさん頼るようになると、国債増発の規律が効かなくなるのではないか」というようなお話をされていましたけれども、これについてはどう思われますか。

答)

そういう意見は、政策会議に出てきて発言すれば良いのですよね。彼は、何を担当しているのですか。

政務官)

国家戦略です。仙谷(国家戦略担当大臣)さんの下です。

答)

だからそれは、そういう偉い人の下にいるからといって威張らないで、出てきて発言すれば良いのですよ。

問)

国債の増発につながるとは思いませんか。

答)

あなたは美人ですけれども、もうちょっとそういう…。それは、単純な判断というのはおかしいのではないですか。国債を消化する財源があるから国債を発行するのではなくて、国債を発行したくてしているわけではないのですよ。ただ、その国債の受皿として市中消化していく中で、それ(国債)を買うものとして郵貯が使われていたということであって。そういう意味では、国債の買手の原資が何かと言ったら、東京三菱だって買っていますし、いろいろなところが買っているわけでしょう。

だから、そこらが豊かになるということは、国全体にそういう余力があるということ、国全体が豊かだということですよ。アメリカにはその余力がないから、日本が買ってやっているのですよ。あなた、この話を(記事に)書いておきなさい。

問)

(日本)国債の増発にはつながらないと…。

答)

だから、それはダイレクトにつながる話ではないですよね。ただ、あなたがおっしゃるように、気分的に「あそこが引き受けてくれるから大丈夫だ」ということがあるかも(しれませんが)、そのことと国債をどんどん発行して良いということはつながらないですね。やはり、借金は少ないに越したことはないわけですからね。借金をするのは、(借金)せざるを得ないからしているわけですから。それが緩むという…。生き方も同じです。お金を貸してくれそうな人がいれば、借りなくても良いのに借りて、つい「金貸してくれよ」と。お金をうんと持っていると思えば言いたくなるという意味で、心理的なことはあるかもしれないですけれども、やはり本質的なことではないと思います。

問)

先ほどの懇談の話なのですけれども、「プロセスに変更はない」という部分もありますけれども、変更がないのに懇談は行われる(という)ことの意味は、大臣はどのように…。

答)

だから、今、言ったでしょう。我々は、非正規社員から(の意見聴取を)、今週は大阪でやるでしょう。国民、各界、各層からも意見を聴取しています。政策会議で、彼(田村大臣政務官)なんかが国会議員からもご意見を聴取してくれました。ましてや、大臣から郵政事業の今後のあり方について意見を聞くということは、我々にとっても非常にありがたいことです。郵政事業を直接担当している者としても、非常にありがたいと。

問)

聞くだけですかね…。

答)

聞くだけではないですよ。今後、良いものがあれば実行してね。

問)

フリー(ジャーナリスト)の佐々木です。

5年前の小泉政権のとき、郵政(民営化)法案が通ったときは、竹中担当大臣がしょっちゅう小泉総理と会って、総理の全面的支持を得ているということで求心力を持たせて法案を成立させたと思うのですが、今回の見直しで、亀井大臣が個人的に鳩山総理と会ったのは何回ぐらいで、総理からはどういうお話がありましたでしょうか。

答)

もう総理と会わなくたって、ある意味で、本当に基本的な考え方が一心同体ですから。(総理と私が)会っている姿を皆さん方に一々見せて、カメラに晒さなければならないということもないわけですし、電話で済むことは電話で済めば良いのですよ。鳩山総理と私が会って、目を見つめ合わせなければ話が通じ合わないという関係でもありません。

問)

特に、このテーマで、お二人でじっくり話し合う機会を設けたということはないと…。

答)

これは、今までずっと話していますから。これは、何も昨日今日の話でもないですしね。こういう問題は、3党連立を組む前からの話ですし、ずっといろいろ協議をしてきました。そういう中で決めていることですから、ある日、突然決めている話ではありませんから。民主党なんかは、元は、預入限度額を500万(円)と言ったのでしょう。

政務官)

昔、そうですね。

答)

昔はそう言っていましたけれども、民主党自体がガラッと変えたわけですよ。だから、そういうことの中で、鳩山(総理)さんも、昔、(民主党の)幹事長をしていましたから、週に一回、金曜日に11時から、幹事長(鳩山総理)、菅(現財務大臣)さん、直嶋(現経済産業大臣)さんと、私、久興(亀井久興 現国民新党顧問)、自見(現国民新党幹事長)の3対3で、毎週、1時間以上ずっと話をしてね。そういう関係の中で、当然ながら、この郵政問題というのは、この選挙を共闘していくという中の一つの大きな柱だったわけですからね。当然、いろいろな問題を協議してきているのです。ある日、突然プロポーズして、ハッと胸がときめいて、「はい、結婚しましょう」というのと違うのですよね。

問)

週刊朝日の川村です。

一昨日の、大塚(副大臣)さんの会見のときも、預貯金額の平均値とか中央値とか、要望額なんかを調査なさって、要望額が2,000万(円)ちょうどぐらいだったという説明をいただいて、そういう状況なので、限度額が2,000万(円)であれば、ほとんどのニーズを満たすだろうと考えて2,000万(円)になさったとおっしゃったのですね。ただ、そのほとんどのニーズを満たすような額にした場合、国が出資しているという信用力が非常に強力で、お金はたくさん集まってしまうだろうと思うのですが、その辺はそれで良いのかということと、先日、大臣との懇談の席で「お金がたくさん集まったら、また(日本)国債をたくさん買えて、財政的には良いかもしれませんね」と私が申し上げたら、「そんなことをしたら詐欺ではないか」とおっしゃったのですけれども、その辺、その貯金額とか預入額がたくさん集まった場合に、国債以外に使えるような仕組みというのは、ちょっと、アイデアとしてどんなふうに思っていらっしゃるのか。

答)

最初の質問ですけれども、今の民間金融機関には限度額がないのですよ。幾らでも預けられるわけです。それを、郵便貯金は1,000万(円)で抑えているわけです。現実、そうなっているというわけですよ。だから、「それは政府の暗黙の保証があるからだ」ということを民間金融機関の方々はおっしゃるのですけれども、そんなことを言い出したら、三菱東京(UFJ銀行)とか三井住友(銀行)とか、メガバンクというのは絶対に潰れないという絶大な信用もあるでしょう。政府の暗黙の信用と同じぐらい(信用が)あるでしょう。

農協だってそうですよね。農林中金は、そういう物凄いあれ(信用力)があります。誰も、潰れるとは思わないでしょう。だから、そういう意味の信用力はあるわけですよ。「政府が株を持っているから、郵貯については特別な信用力があるのだ」なんていったら、(もう)片方もあるわけでしょう。だから、私は、信金・信組については、「あなた方がメガバンクに比べて信用力がないのなら、『小っちゃな信用組合に1,000万円以上預けたら、万一の場合大変だ』と思う(人がいる)ことで預金が集まらないのなら、ペイオフ(限度額)を上げてあげましょうか」という話で、「それでメガバンクに対抗できる信用力をつけてあげましょうか」と(言ったら)、「結構だ」とおっしゃった。

だから、私が言っているのは、郵便貯金には、政府が株を持っているという暗黙の信用力で、預金者が預金しやすい環境があるということだけで、現実問題としては、(預入)限度額を上げるのはおかしいという議論にはならないのですね。

問)

そうすると、ゆうちょ銀行もいつかは潰れる可能性もあるということですか。

答)

それは、物事は、形あるものは必ずなくなるのですから、それは分からないですよね。あなたや私の寿命だって、いつまでも…。だからそれは、郵貯にしたって、出資比率3分の1という形で親会社というのが存在しているということもあるし、また、同じように(預金)保険機構にも入るわけですから。それで、結局、当然ペイオフの適用も受けるわけですから。そういう意味では、金融機関と一緒ですよ。

それと、今日、前原(国土交通)大臣も言っていましたけれども、集めたお金の運用をどうするのかという問題。今、8割ぐらい(日本)国債になっているでしょう。だから、今度、この郵貯(資金量)が増えるのか減るのかは、やってみないと分からないですけれども、これをもっと地域経済のために使う方法はないのか、あるいは国全体にとって有用な使い方がないのかというようなことを…。これは、日本郵政自体が考えることですけれども、政府も株を持っているのですから、政府の立場から、「こういう展開もしたら良いのではないか」というアドバイスをする場合もあると思うのですけれどもね。

ただ、結局、齋藤社長のもとに、(日本郵政が)資金運用のノウハウを具体的に持っているかどうかが心配な点です。だから、ノウハウがないのに、権限というか力だけ与えてしまった場合は、リスクの高い商品に手を出すということだってないわけではないでしょう。そうした場合には、とんでもないことが起きるわけですから、これも、現実問題は、そういう人材養成を含めて、運用については、そろりそろりと進んでいくということをしないといけないでしょうね。

それと、やはり他の金融機関との協調。信金・信組やいろいろな第二地銀とか、そういうところとの協調の中で、そういう役割を果たしていくということも考えなければいけないと思いますね。あなたがおっしゃるように、非常に難しい分野です。

問)

報知新聞の久保と申します。

先ほどもお話があったのですけれども、格闘家の前田(日明氏)さんと、昨日、お会いして…。

答)

はい。いい男ですね。

問)

具体的に、選挙区の話まで踏み込んで、比例なのか東京なのかということまでお話をされたのかどうか、評価について。

答)

これは、非常にナイスガイですからね。私は、「やれ」と言っておいたのですよ。小沢(民主党幹事長)の顔をピシャッと引っ叩いてきたというからさ(笑)。まあ、実際に引っ叩いてきたわけではないでしょうけれどもね(笑)。

やはり、そういう気概のある政治家が少ないでしょう。だから、そういう意味では、私は、「あなたが政治に出てくれば良いのだ」と言ったのです。

問)

外国人参政権の面でも考え方が一致した…。

答)

そうです。外国人参政権についても彼は反対。帰化していますけれどもね、彼は。そういう立場ですけれども。なかなか、非常に考え方がしっかりしているのですね。

西村君もそうですけれども、西村君も凄いですよね。癌と戦いながらリングに上がっているのですからね。その中で、生命の尊さというか、そういうものを噛み締めながらやっている人物は、口先だけの評論家ではなくて、現に、癌と戦っているような人間が政治の場に出てきて、人間の命のあり方、ただただ生物学的に生きているのではなくて、命のあり方ということまで真剣に、深刻に考えて生きている。彼はそうですよ。だから、「無我」という一つのあれを言っているのですけれども。私は、そういう男が政治に出ることは、大変大事だと。ちょっと(記事を)書いてくださいよ。

問)

選挙区までは入っていない…。

答)

西村は入れましたよ。

問)

前田さんは調整中…。

答)

はい。だから、これはまだ、「あなたみたいなのがあれだから、とにかく頼むわ」と言っておきました。

問)

金融財政事情の吉田でございます。

郵政の関係なのですが、一昨日、会見で、大塚副大臣が「施行の時期は2年後の4月以降ではないか」というお考えを…。

答)

いやいや、そんなことはありません。2年後ということはありません。そんな長々とそんなことをやって、事業体は生きていますから。

問)

どれぐらいとお考えでしょうか。

答)

遅くとも、来年の4月ごろまでですか。大塚(副大臣)君とも話したけれども、それは間違いないですよ。それは、ちょっと君の聞き間違いではないですか。少なくも、来年の7月ぐらいまでにやらないと間に合わないですよ。

政務官)

ちょっと確認してみます。

答)

あなたと事務方でやっているから…。

問)

「2年後」とおっしゃっていましたよ。

答)

嘘ですよ、そんなの(笑)。聞き違いですよ。2年後ではないですよ。2年後と言っています?言うわけがないですよ。だから、来年の4月ぐらいまでの話ですよ。

(ただ、)これは、私たちだけで言っていて、日本郵政の準備状況がどうかということと絡んでくる話ですからね。できるだけ、そこらを見ながら施行すると。

問)

大臣は、以前から「民間の中小金融機関の立場にも配慮する」と繰り返し言われてきていまして、一昨日、早速、信金とか信組の業界団体が「限度額の引上げは反対だ」と声明を出したりしているのですけれども、これはどうお考えでしょうか。

答)

前から反対と言っておられますからね。だから、私なりにそういう状況は、2,000万(円)の(預入)限度額についても配慮しているつもりですよ。片方では青天井という人もいますし、国民新党と社民党(の中に)は3,000万(円)という人もいますし。それは、それぞれの立場でおっしゃるのですけれども、要は、皆さん忘れてならないことの一つは、さっきも言った、預金者の立場、国民の立場という視点を忘れてはいけないですよ。

問)

週刊ダイヤモンドの鈴木と申します。

郵政の件でお聞きしたいのですけれども、今まで、郵政グループというのは、「民間金融機関と全く同じ競争条件になったから、新規事業をやらせてくれ」と政策会議でもずっと言っていらっしゃったのですけれども、もし、消費税の減免というのが出てくると、そこがまた狂ってきて、また民間金融機関の方々が反対の声を上げるのではないかなということが考えられるのですけれども、その辺り大臣はどのようにお考えでしょうか。

答)

結局、消費税をあれ(減免)したほうが良いというのは、従来は、内部でのやりとりだったのが、小泉さんや竹中さんがバサッと切ってしまったわけでしょう。だから、その中を移動するときに税金を払うことになったと。それは結局、今度、組織を変えてしまうわけですけれどもね。やはり、そういうことはちょっと不自然ですし、おかしいのではないかという。その一方で、ユニバーサルサービスを課して、そういう公的な責任も課しているわけですから、そういう面では、やはり消費税をあれ(減免)したほうが良いと。

ただ、これは、まだ菅(財務)大臣と詰めているわけではないですから。菅(財務大臣)が「聞いてない」なんて(国会の)委員会で言って、「おまえ冷たいことを言うな」と、「木で鼻を括ったようなことを言うな」と言ったのですけれどもね(笑)。これは、税調の話ですからね。

問)

では、やはり公的な部分を背負うという意味では、その辺の競争条件の優遇みたいなものがあり得るというお考えで…。

答)

だからそれは、民間についても競争条件というのはできるだけなる(平)にしていったほうが良いと。だから、さっきペイオフの話をしたのです。(中小金融機関が)メガバンクに対抗する(ことができる)ように、「あなたたちの信用力を上げてやる」と(言うと)、「嫌だ」と。難しいのですよ。それぞれ、「これをしてもらいたい」と言うと、「これは嫌だ」という話になるわけでしょう。そこらを、金融庁としての立場、あるいは政府全体の立場でどう判断をしていくかと。

問)

不動産経済研究所(不動産経済ファンドレビュー)の中澤です。

確認というか、資金の運用方針は、懇談会で大臣のほうからいろいろご意見を聞いて、具体的に、日本政府は株主として日本郵政に伝えるのか、それとも何か政省令とかそういった形で政策会議のプロセスにまた乗せるのか、どちらになるのでしょうか。

答)

これは、総理もおっしゃったので、これは「懇談会」であって「協議会」ではないのですよ。懇談会でいろいろな意見を言ってもらって、それを私と原口(総務)大臣がこなしていけば良い話であってね。そこで一つの方向を出して決定して、(政)省令に反映させるとか、そういう話ではありません。それは、我々がこなす話ですから。

問)

あくまでも、株主として齋藤社長に伝えるという形…。

答)

だから、それをこなした上で、今後の郵政事業の展開の中で、そういう良い意見が出れば…。悪い意見があればこうやります(とり入れないです)よ。良い意見が出れば、それを反映した仕組み、また法律を作って。まだ作っていないのですから。

問)

法律を作るかもしれないと…。

答)

過程の中で、そういうことも反映しながらやっていくということだと思います。

問)

日本証券新聞社の田口です。

郵政改革をした際に、やはり「民業圧迫」という話が一部では出ているわけですが、今後、ゆうちょ(銀行)という会社を金融機関として見るときに、その位置付けとして、民間の一部として見るのか、はたまた政府系金融機関として見るのか、そういった位置付けについて意見をお伺いできればと思います。

答)

これは、(出資比率が)3分の1超(かける)3分の1超ですからね。だから、そういう意味では、これは一般法の世界でやっていくわけですから、やはり一般の金融機関と同じですよね。ただ、ユニバーサルサービスについての責任を課すという面で、三菱(東京UFJ)銀行とかとは違います。公的に、山の中、島の中まで、そういうサービスをちゃんとやってくれるという、一つの責任を付与するわけですから、そういう面では、一般の金融機関にはない重い負担を持つことになりますね。

問)

そうしますと、もう実質、政府保証というのもついているという考え方も正しいという…。

答)

政府保証ということではないですけれども、やはり、国の公的な要請を果たしながら金融業を営んでいるという意味ではあります。ただ、政策投資銀行なんかとはちょっと意味は違いますね。

問)

フリー(ジャーナリスト)の岩上です。

確認なのですが、今回の郵政改革で2,000万円まで預入限度額をアップさせるということの意味というものを、この異論反論が出ているところで、改めて、ビデオも撮っておりますので、大臣のお口から国民に向かって説明していただくつもりで、なぜこれが必要なのか、その意義を改めてご説明いただけないでしょうか。

答)

やはりこれは、一つには、預金者の視点、国民の視点ですよ。国民は誰でも預金できるのですからね。やはり、その国民の視点、預金者の視点からの利便性、地域の住民の人たちの利便性、そういうことも考えなければいけないわけですよね。

逆に、この金融機関サイドからだけを考えるのではなくて、そういう面から考えた場合、他の金融機関は青天井になっているわけでしょう。それにゆうちょ(銀行)だけが、(預入限度額を)1,000万(円)で縛っているということ…。やはりこれは、預金者の立場だって非常に不便なわけですし、だから、やはりそれ(預入限度額)を上げるということを何年間やっていないのか、ちょっと数字はあれですけれども、非常に長い間、据え置いているわけですからね。私は、(預入限度額を)上げることは、やらなければならないことだと思っています。

問)

週刊朝日の川村です。

さっきの続きなのですけれども、これは、可能性としてお伺いしたいのですが、もし、ゆうちょ銀行やかんぽ(生命保険)が、物凄い左前になったときに、普通の株主は、潰れそうな会社からは資金を引きあげるわけですけれども、ユニバーサルサービスがあるので引きあげられないかもしれないと。そのときに、どちらを優先するのかという議論がもう一回出てくるかもしれないですが、(他方、)あまりに儲けてしまうと、今度は民業圧迫になると。非常に難しい、物凄い狭いストライクゾーンを縫うようにしていかなければいけないのではないかなと思うのですけれども…。

答)

それは、一般の金融機関も同じことなのですよ。やはり、経営がおかしくなっていくのか、ちゃんとなっていくのかということは、ゆうちょ銀行だけではなくて、一般の金融機関も同じような中で仕事をしているわけですね。

ゆうちょ銀行の場合は、やはり、ユニバーサルサービスをやっていかなければ(ならないと)。勝手に支店を閉店していったり、いわゆる合理化と称したことをやっていけば、ユニバーサルサービスに反するわけですから、そういう一つの大きな負担をしながら、かつ利益を上げていくということをやらなければいけません。だから、一つは、さっきから問題になっている限度額も、1,000万(円)に抑えろということだったら、そういうことができなくなるのではないかというおそれもあるし、また、小っちゃな郵便局なんかについてもメガバンクと同じような検査で、金融庁が、「あの資料を出せ、この資料だ、ここだ」と、何か月も前から検査にかかりきりみたいな形で負担が多くなっていくようなことであってもならないわけで、実態にあった形で、検査を変えていくようなこともやろうと思っていますね。

問)

儲け過ぎても、利益を上げ過ぎても、また批判されてしまいますよね。

答)

利益を上げ過ぎるというか、そういうことになるのかどうか。今、現実は、大変な状況になっているのですよね。そんな楽観的なことが考えられるような状況ではないのでね。嬉しい悲鳴が出るような状況になれば良いだろうと思うのですけれどもね。今はそうではないですね。

問)

負担との見合いで、いろいろな経営環境を郵政側に有利なようにしていけば、利益はおのずと上がってくるような結果にも…。

答)

やはり、それは良いことでしょう。それに負けないように民間金融機関も頑張れば良いのですよ。それと、民間金融機関もうんと儲かるように、国全体の経済を良くしていくという努力をしなければいけないのですね。

問)

東洋経済新報社の浪川です。

消費税の減免なのですけれども、おっしゃっている意味は分かるのですけれども、今度の日本郵政の形態は、親会社のところに局会社と事業会社が入るわけですよね。そして、その下に金融会社が二つあるわけですよね。内部取引というのはどこの部分を言っているのですか。事業会社と局会社の間ですか。それともその上(の部分)ですか。そうすると、親会社、事業株式会社としての内部取引ですよね。下とは親子関係ですよね。そうすると、ここについても内部取引と。

さらにもう一つ、将来的には、親会社の株の保有が3分の1になるわけですよね。そうすると連結子会社ではなくなるわけですよね。連結子会社ではない、要するに関連会社かもしれないですけれども、連結子会社ではないと。そういう間でも、内部取引として消費税の減免という考え方が貫かれるのですか。

答)

だから、税制上については、取引においては実態との関係が出てくると思いますよ。あなたがおっしゃるように、取引の実態の関係で見て、それを減免するのはおかしいという部分と、やはりこれは減免したほうが良いという部分があると。あなた(田村大臣政務官)のところで検討している中で、何かそんな意見はありますか。

政務官)

いえ、まだ、それはこれからです。議論はこれからです。

答)

今から議論していくことなのですけれども、大まかに言うと、いろいろな部分が出てくると。新しい日本郵政の、まだ株式の持株比率を決めたところなので、今、盛んに中身をいろいろと検討している最中ですから。その中で、あなたがおっしゃるように、やはり払わせたほうが自然だということも出てくると思いますし、そうではなくて、やはり、これは三事業一体という形でやってもらうわけですから、その中で消費税を取るのはおかしいのではないかという議論の部分と両方あると思います。

問)

ユニバーサルサービスに類したことを頑張っている民間企業は、ないわけではないわけですね。地方で頑張って、踏ん張ってやっている金融機関もそうですし、企業だってあると。そうすると、社会貢献的にはほとんど同じことをやっている企業があるとすれば、そこも消費税の減免があっても良いとお考えですか。

答)

それは、ちょっとイメージとして、あなたがおっしゃっていることがちょっと私には…。

問)

例えば、信金・信組だって、本当に経営が成り立たないところでも、まだ支店を出しているところはあるわけです。その部分については、ユニバーサルサービスと似たようなサービスをしているとすると…。ユニバーサルサービスが郵便事業限定であれば別ですよ。でも、大臣が全体のことをおっしゃっているとすると、金融事業もユニバーサルサービスの中に入るわけでしょう。そうすると、農協だって、信金だって、本当に過疎地で踏ん張っているところもあるわけです。(郵政と)同様に、国としての減免措置があっても良いと思われますか。

答)

だからそれは、私は、税制全般の中で、金融だけではなくて、ほかの分野だってあるわけですから、そういう全体について貢献度というか、いろいろな面に配慮して減免措置を講じたら良いというような部分が、いろいろあると思いますよ。それは、税制全体の問題になってくると思いますよ。

問)

ファイナンシャル・タイムスの中元です。

先ほど、ずっと「プロセス」のお話がありましたが、ちょっと日本の政治のことがよく分からないのですが、今までだったら、例えば、大臣が発表されて閣議決定される(まで)というのは、本当に「プロセス」だけであって、多分、その間でひっくり返るということはなかったと思うのですけれども、今回、「プロセス」、「プロセス」と非常に強調されているのは、日本の政策決定の過程、やり方が根本的に変わったということになるのでしょうか。

答)

だから、(変わることには)ならないと言っているでしょう。時計を逆に戻すことはしません。政権が発足以来やっているやり方、手順、それに従ってやっているわけですから、それを、急遽ここで変更することはありません。私は、今日、このことも閣僚懇で言っておきました。

問)

それは、発表があって(から)閣議決定までの間にひっくり返ることはないという…。

答)

(ひっくり返ることは)ありません。それを確認したわけです。

ただ、ひっくり返ることはないですけれども、今度、事業展開していくわけですから、そのことについて、また、今、法律を作っている最中ですから、それの中で参考になるような意見があれば、どんどん取り入れていくということは当たり前の話ですね。

問)

フリー(ジャーナリスト)の岩上です。

新聞等で、「今回のような事態は、かつての事務次官会議があれば起こらなかった」と、ちょっと皮肉気味に書いているところがあるのですが、大臣は、事務次官会議を廃止しなければこういうことは起こらなかったというふうにお考えですか。

答)

そんなことはないですよ。事務次官会議があろうがなかろうが、新しい政策決定プロセスの中で、ずっと進んでいっている話ですからね。私は、仙谷(国家戦略担当)大臣が、いわば要望的なことを言われたと受け取るのですけれどもね。だから、そういう要望的なことが、今後、そういう懇談会の中で話されれば、プロセスをひっくり返すようなことでなければ取り入れていくということになるというだけの話ですからね。事務次官会議廃止とは、あまり関係ないですね。

(以上)

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