英語版はこちら新しいウィンドウで開きます

自見内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成24年1月6日(金)11時08分~11時24分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。

1点は、米国への出張についてでございます。

本日の閣議において、1月8日(日)から14日(土)までの日程で米国に出張することにつき、ご了解をいただきました。今回の出張では、世界の経済、金融の現状と安定に向けた取組みや、IFRSに対する方向性を近い将来決定するとしている米国の動向等について、当局関係者等と意見交換を行うことといたしております。FRB(連邦準備銀行)のバーナンキ議長、またSEC(米国証券取引委員会)のシャピロ委員長等と会う予定にいたしております。

それから、もう1点でございますけれども、資金の貸付けを行う特例民法法人・少額短期保険業等に係る規制の見直しについてでございますが、今般、資金の貸付け等を行う特例民法法人、いわゆる旧公益法人、に係る規制及び少額短期保険業に係る規制について、内閣府「国民の声」に提出されている規制緩和要望等に対応した見直し措置を講ずることといたしました。

見直し措置の主な内容といたしましては、二点あります。

第1点は、貸付事業を行う特例民法法人が一般法人に移行した場合においても、資金需要者等の利益を損なうおそれがないと認められる一定の法人については、引き続き貸金業法の適用除外とする措置であります。

第2点は、少額短期保険業者について、平成17年当時共済事業を行っていた者は一定の範囲で経過措置を5年延長する措置であります。

そして、最後でございますが、具体的な内容につきましては、後ほど、事務方よりご説明させていただきます。

以上でございます。

【質疑応答】

問)

為替の話で、特にユーロ安、これが年末年始に1ユーロ100円を割るところまで進んでいます。世界の金融システム、日本の金融システムに対する影響をどう見ているのかお聞かせください。

答)

欧州の財政・金融問題等への懸念から、世界的にリスク回避の動きが生じており、そういったことを含めて、確か去年10月だったと思いますが、私がドイツ、あるいはフランス、イギリスに行きまして、イギリスのキング総裁をはじめ、英国金融サービス機構の長官、ドイツ連銀の副総裁等、色々な政策決定者の方々と意見を交換させていただきました。

今、お話がございましたように、ユーロに対しまして、昨日5日でございますが、対ドルで1.27ドル台へ、また対円では98円台までユーロ安が進行するなど、為替市場で不安定な動きが見られていると承知いたしております。

我が国の金融システムについては、総体としては健全であり、安定しておりますが、内外の経済・市場の動向や、我が国の金融システムに与える影響については、引き続き注視してまいりたいと思っております。

問)

総合取引所構想について、今年の通常国会に法案を出すということでこれまで言っていますけれども、議論の進捗状況はどうなっているのか。

答)

総合的な取引所については、金融庁、農林水産省、経済産業省の副大臣・大臣政務官で構成する「総合的な取引所検討チーム」において鋭意検討を行っていただいているところでございます。金融庁といたしましては、「総合的な取引所」の実現に向けて、次期通常国会に所要の法案の提出ができるよう、関係省庁と連携を取りつつ、引き続き、議論・検討を進めてまいりたいと思っております。

ご存じのように、これは新成長戦略にもはっきり明記してあるわけでございますから、私が何回か申し上げましたように、それぞれの省庁、穀物だとか原油だとか色々ございますが、これは閣議決定させていただいた成長戦略でございますし、また政治主導でもございますから、きちんと約束どおりまとめていきたいと思っております。

問)

オリンパスの問題で、ウッドフォード元社長が復帰を断念しました。これについての、まずご感想をお聞かせいただけますか。

答)

そういうことは、今朝の新聞報道で、承知はいたしておりますが、色々なお立場で、個々の問題でもございますし、ご判断されたのだろうと私は思っております。

いずれにしても、大変大きな社会問題にもなった問題でございますし、やはり非常に、日本の市場全体に対する信任の問題でもございますから、関係者がそれぞれに法と証拠に基づいてきちんとやっていただくということが(重要だと思っております。)私は、日本の市場というのは非常に公正で、透明性の高いものだと、ここ10年、20年の動きを見ております。我々が28年前に国会議員になった頃に比べれば、やはりフリー・フェア・グローバルなどという金融改革もございましたし、そういった結果を受けて橋本内閣の時代から、大変きつい金融危機をはじめ非常に色々なことがございましたが、そういったことを経て、日本の市場というのは非常に公正で、公平で、透明性の高いものだと確信いたしております。

問)

その一方で、粉飾を見過ごしてきた現経営陣は、まだそのまま残っているのですけれども、こうした状況を放置しておいてよいと大臣は思われますか。

答)

そのことにつきましては、ご存じのように、基本的には私が今さっきも言いました、個々の事案に関しては、私の立場としてコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。しかし、一般論として申し上げれば、金融商品取引法上の法令違反に該当する事実があると疑われる場合には、証券取引等監視委員会において、厳正な調査等が行われるものと承知しておりまして、本件においても、必要な対応がとられているものと考えております。

問)

アメリカのイラン制裁の影響が日本の金融機関にも及ぶのではないかという懸念がありますけれども、大臣はそういった懸念についてどのようにご認識されていらっしゃいますでしょうか。

答)

これは、今、進行形の話でございまして、対イラン制裁に係る米国の動きは承知いたしておりますが、我が国の銀行を含めて、イラン中央銀行との取引のある外国金融機関が制裁対象となりかねないことについては懸念いたしております。今後、政府全体として適切に対処してまいりたいと思っております。

問)

東洋経済の井下です。

(中小企業金融)円滑化(法)なのですけれども、今回に限り延長するということなのですが、1年後の景気動向で、より景気が悪化して総合的な出口戦略を図るということもままならないような状況もシナリオとしては考えられる中で、現段階でもう再延長はしないのだということを以って延長を決めたその意図を、もう一度、教えていただけないでしょうか。

答)

中小企業金融円滑化法については、極めて厳しいリーマンショックの後、亀井(前)大臣のときに制定させていただいた(法律で)、それから私が何回も言いますように、政権交代のときの衆議院選挙で、6つの共通政策というものを民主党と社民党と国民新党で出させていただきましたが、その政権交代した選挙の前の公約にも、この中小企業に対する「貸し渋り・貸しはがし防止法」を成立させるということが入っておったわけでございまして、やはり私も、中小企業を視点に置いた金融のあり方というのは非常に大事だと常々思っておりました。それまでの金融行政が、大銀行の優位といいますか、国際競争力を上げるためにはやむを得ない時代もあったわけでございますけれども、そういった意味で、政権交代もするからには、やはり中小・零細企業の立場から金融(対策)が必要だと思っておりまして、そういう精神を受けて、亀井(前)大臣が連立内閣の中で、中小企業者等の資金繰りを支援するための臨時措置として制定された法律だと聞いております。亀井(前)大臣にお聞きしましても、当時、金融界、銀行界から非常に抵抗があった、反対があったということはお聞きいたしております。しかし、結果は、金融機関による円滑化への対応は、基本的には定着してまいりましたし、一方、貸付条件の再変更等が増加している問題を指摘する声もございます。これは、私が何回も申しましたように、基本的に私がお預かりしておる民間金融というのは、人様のお金をお預かりして、それに一定の利子をつけて返すというのが民間金融機関の大原則でございます。そういった意味で、これは人のお金でございますから、(金融規律というのは)健全性の確保、あるいはモラルハザードの防止を図るということも、金融の基本的に大変大事なところでございまして、金融規律の確保を図るとともに、中小企業に対して事業再生等の支援措置、出口戦略を集中的に講じていくことが適切だと考えております。しかしながら、同時点においては、仮に同法を廃止した上で総合的な出口戦略を進めた場合、中小企業に対する金融の円滑化に欠けるような事態を招くようなおそれもございます。中小企業はまさに420万社、日本の法人の99.7%(を占めており)、2,800万人の方が働いておられまして、やはり効率的、機動的な質の高い中小企業が多数存在するということが、日本の経済の国際競争力にも、また雇用の確保にも大変大きな役割を演じているということは、もう皆さん方は、よくご存じだと思うわけでございます。そういった意味で、このような点に鑑み、総合的に出口戦略を円滑に進めていく、ソフトランディングを図っていくため、今般、同法の期限を1年に限り再延長し、最終年度としたところでございます。

また、これを発表した次の日に、枝野経産大臣、あるいは中小企業庁長官のところに、金融庁から私、長官以下もお伺いしました。金融機関が持っているコンサルティング機能をしっかり発揮しなさいというのも、この前の1年間延長したときの中小企業金融円滑化法のポイントの一つでございましたが、今回は、金融のことは当然、金融庁あるいは民間金融機関にしっかり頑張っていただきますが、やはり全体的に中小企業の支援ということになりますと、これは中小企業庁の問題でもございますから、これは新聞で報道されているように、新たに経産省も中小企業の経営支援のところの法律を出すということを、はっきり経産大臣も言っておられましたので、そういったことと相まって、しっかりこの1年間、中小企業金融円滑化法の所期の目的を達するようにやっていきたいと思っております。

問)

政府・与党の社会保障改革本部が、本日、税と社会保障の一体改革素案を決定しましたが、大臣は常々、消費増税に関しては、議論することは厭わないというお立場でしたけれども、今回の決定に関してのご見解を伺いたいのですが。

答)

ご存じのように、今日、社会保障・税制の一体改革(については)、国民新党からも閣議の前に幹事長が出ておられました。当然、これは素案でございますし、閣議でも報告でございましたから、連立を組んでいる民主党は、年末の30日ぐらいまで結論がかかったようでございますけれども、そのことは報告でもございました。そういったことできちんと対処しておきました。

(以上)

サイトマップ

ページの先頭に戻る