英語版はこちら新しいウィンドウで開きます

松下内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成24年6月26日(火)9時26分~9時50分  場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

閣議でいくつかありましたが、古川国家戦略(担当)大臣から、女性の活躍促進による経済活性化を図りたい、そのための行動計画という話がありました。男子も育児休業を取って、そして子育てをするという「育メン」ですね。それから、女性の公務員採用、全体で減員、減らすという計画があるけれども、政府が掲げた30%目標ということについては、しっかりと努力していただきたいという話がございました。

それからもう一つは、外務大臣の方から、世界的にサイバー攻撃を受けていますけれども、サイバー犯罪に関する条約、これを受けるということで、国際協力の話がございました。

以上でございます。

【質疑応答】

問)

昨日、SMBC日興証券の執行役員が、インサイダー取引、金商法違反の疑いで逮捕されました。既に証券取引等監視委員会が強制捜査に入っていた案件ですが、この逮捕という事態の展開を受けて、所感をいただけますでしょうか。

答)

誠に遺憾に思っています。私が就任してちょうど3週間になりますけれども、その間に、国会においても、記者会見のこの場においても、この話題が常に出てきておりまして、どういう背景でこうなっているか、非常に気にしているところです。やはり会社のガバナンス、自分達だけがその立場として持ち得ている情報、こういうものが不正な形で利益を受けるという形に使われていくということのガバナンスの問題は、非常に残念に思っています。

証券会社は、インサイダー取引等の不公正な取引を防止するという観点からも、公開買付等の法人関係情報を厳格に管理する必要がある。しっかりやってもらいたい。それから、実効性ある内部管理態勢を整備していただきたい。そして、高い法令遵守意識や職業倫理を持って業務を遂行してもらわなければ困ると思っています。仮に、この証券会社の業務運営等に問題が認められた場合には、法令に則り、厳正に対処していくことになります。しっかり対応したいと思います。

問)

政治の方の問題ですけれども、今日、「社会保障と税の一体改革」の法案が採決となっておりますが、それを受けまして、閣僚、また連立を組んでいらっしゃるパートナーとして、どのようにご覧になっているのかご所感をいただけますでしょうか。

答)

閣僚としても、個人としても、現在の経済情勢はございますけれども、十分事前に必要な対応はとるということは当然のこととして、私は、消費税の引上げ、これを決定することは必要だと考えています。もちろん、色々な議論の中で、その前にとるべき対応があるということもまた当然でございますし、それはしっかりと取り組むということの上で、私としては消費税に、今回の国会、本会議ではしっかり臨んで賛成したい、そう考えています。国民新党も同じ考えで、昨日の委員会等でもその話は、(国民新党の)中島国対委員長から質疑の中で示されておりますので、しっかり対応していきたい、そう思っています。

問)

SMBC日興証券に野村證券と、日本の証券会社がインサイダーに関与しているケースが相次いでいて、非常に市場の信頼が揺らいでおります。これは、個社の話ではなくて所管大臣として、市場全体の信頼回復にどう取り組んでいくか、また、改めて証券会社経営陣に言いたいことは何かあるでしょうか。

答)

私が就任してから3週間、この間、国会やこの記者会見場の場所においても、また、その他の仕事の仲間との色々な話の中にも、このインサイダーの問題がひっきりなしに出てきていますし、私自身も驚いていることは事実です。先ほど申しましたように、やはり証券会社というのは、インサイダー取引等の不公正な取引を防止しなければいけないということは当然のことでございまして、法人関係情報を厳格に管理する、そして実効性ある内部管理体制を整備する、高い法令遵守意識や職業倫理を持って対応してもらいたいというガバナンスの本質そのものにかかっていると思っていまして、しっかりと対応してもらいたいということを、私は強く申し上げたい、そう思っています。

問)

これだけ問題が相次いでいる中で、証券会社だけの取組みでは防ぐことが難しいのではないか、新たな抜本的な改革が必要なのではないかという指摘もありますけれども、それについてはどういうお考えでしょうか。

答)

今、内部でも、我々のほうでも、色々検討はしておりますし、最近のこういう頻発している事例の内容をしっかり整理、そして確認した上で、必要な対応について検討して答えを出したい、そう思っています。

しかし、何よりも、やはり当事者のガバナンス、責任、そして自分の置かれている立場、その仕事が何なのかということを、しっかりと認識してもらわなければいけないと思います。そこが極めて劣化しているのではないかということを強く申し上げたい、そう思っています。

問)

先ほども質問がありましたけれども、消費税関連法案、今日、衆議院の方で締総(締めくくり総括質疑)、採決も行われるという予定になっていると思うのですが、そもそも法案自体は、首相が「政治生命をかける」とはっきりおっしゃられている中で、民主党内では離党、造反の動きも出てきている。野田政権自体が大きな節目を迎えていると思うのですが、このような状況について、大臣はどうお考えなのだろうかということについて伺えればと思っております。

答)

民主党と連立を組んでいる国民新党として、やはりしっかりしてもらいたいという気持ちは強く持っています。

3%の消費税(導入)の時も、5%に(引き上げた)時も、私はその状況をよく分かっております。私は、山中(貞則)先生の弟子でございまして、3%の消費税を上げるときの議論と選挙、そのことをぜひ皆さん方にも知ってもらいたいと考えています。

平成元年に、3%に上げました。そして、自民党の税制調査会長の山中貞則先生が、激論の末、それを決めた。そして、平成2年に衆議院の総選挙がありました。竹下内閣です。山中先生は、25票差で落選しました。私は薩摩半島ですけれども。そのときの衆議院選挙の土井たか子社会党委員長は、鹿児島県の大隅半島の山中貞則選挙事務所の前で、第一声をやったのです。「庶民の敵。国を滅ぼす。」と、大変激しい口調で批難されて、そして落選されました。社会党は、マドンナブームで勝利したのですけれども、竹下内閣もそれで壊れました。

その後、平成5年、山中先生は復活当選されました。その時に、私も初当選でございまして、私は自民党でしたけれども、議員総会のその席で、司会者が「山中先生が当選されました。どうぞ一言、お話をお願いします」と言われた時に、山中先生はこう言われました。立ち上がって、「感無量です」と。その次に、こう言われました。「俺はお前たちを許す。消費税3%の責めは、おれ1人が落選したことで負う。俺はお前たちを許す。」こう言われました。今でも鮮明に頭の中に残っています。私の初当選でした。それは、山中先生が落選したときのその選挙で、山中1人を悪者にして、みんな「自分はこの消費税に反対だった。しかし、山中が決めたことだから。」ということにして当選してきたのではないかということを山中先生は知っておられて、しかし、「それを許す。俺が1人落選することでその責めを負うということでよろしい。」こう言われました。竹下内閣も壊れました。それほど消費税というのは、誰でも税金を上げるということは反対する。快く思わないのは当然ですけれども、国として決断しなければならない時は、国論が二つに分かれている時でも決めなければいけないことがある。そのことを山中先生は私たちに示されたのだと、今でも鮮明に覚えています。

5%に上げる時には、政権が交代しておりまして、衆議院の議長席には土井たか子委員長が座っておられました。消費税5%を決定するときの議長席には土井たか子委員長が座って、「異議ありませんか」ということで、賛否色々ある中で、これも決まったわけでありまして、それほど政治の舞台で消費税というのは、大変重みのある決断をし、重みのある政局の中で決まってきたということなのです。

ですから、今回の税と社会保障一体改革について、国論を二分する議論が起こることは当然だと思っていますし、これはそうあってしかるべきだろう。しかし、決める時には決めなければいけないし、政権与党としても、この国を思うための責任、国をよくするための責任を果たしていかなければいけない。そう思っています。今日の本会議は、緊張してその動向を、今、見ております。

問)

インサイダーの関係でお話を伺えればと思います。明日27日が、野村證券の株主総会になっております。広く投資家からリスクマネーを集めて、企業が投資あるいは事業活動を行うという意味では、その株主に対して真意を問うという大変重要な場だと思っております。そういった場で、一連のインサイダー問題について野村が説明する責任について、どのように大臣はお考えなのだろうかということについて、お話を伺えればと思っております。よろしくお願いします。

答)

日本の中心的な役割を果たしてきた証券会社として、当然、株主に対してしっかりと説明する必要はあると考えています。自らの会社のガバナンス、そして仕事の本質に関わる中核的な部分で、株主に対してどのように説明していくのか。これは会社のガバナンスや社員の倫理意識、職業意識等も絡めて、日本の中核的なこの分野での企業として、しっかりと説明責任を果たしてもらいたい。率直にそう思っています。

問)

現段階で、野村證券はこのインサイダーの問題が出てからもう数カ月たっておるのですけれども、まだ内部での調査報告というものが出ていない状況になっております。そういった状況で株主総会を迎えるということで、どう説明するのだろうかというのが、一つ気になっているところなのですが、こういった状況になっていることについてどうお考えなのでしょうか。

答)

まだ十分内容が解明されているとは私自身も思っていませんので、これはまず野村證券自身が、自分のガバナンスとして自ら責任を持って判断すべきことだと思っています。野村證券自身が、社外弁護士を含めて社内調査の十分性等を慎重に判断した上で公表されるものと考えております。

問)

そうすると、先ほどの総会のお話は、この調査自体はまだ十分解明されていないというお話だと思うのですが、総会では分かっている範囲において、しっかりと説明する責任があるとお考えだと理解してよいのでしょうか。

答)

そうですね。会社自身で自分のガバナンスの問題として、しっかりと責任を果たしてもらいたい。そう考えています。

問)

昨日、逮捕者を出したSMBC日興証券への行政処分なのですけれども、どういう観点で検討されていくのでしょうか。

答)

個別案件への対応についてのコメントは差し控えますけれども、一般論として申し上げますと、仮に証券会社の業務運営等に問題が認められた場合には、法令に則り厳正に対処していくということになります。

問)

今回は、三井住友銀行からの出向者ということで、いわば三井住友銀行によるインサイダー問題だと当然捉えられるのですけれども、そういう意味からも銀行・証券界に対する影響は大きいのですが、証券会社より厳密なコンプライアンス体制が求められるメガバンクの行員が絡んでいた。この点についてはいかがでしょうか。

答)

そういう報道があったことは、十分承知しております。

問)

報道ではありません。事実関係です。

答)

個別案件に関する事項でございますので、コメントは差し控えさせていただきます。

問)

スペインの銀行支援に関して、1,000億ユーロ規模とされていますけれども、これについて、まだ詳細は公表されていないようですけれども、規模や方法について、あるいはこの公表の仕方について、十分かどうか、そのご評価をいただければと思います。

答)

スペインが先週21日に公表したスペインの銀行に対する外部評価結果を受けて、昨日、スペインの銀行セクターに対する金融支援を正式に要請したということは承知しております。スペインの金融セクターの健全化というのは、市場の安定に向けた重要な第一歩と考えておりますが、いずれにしましても金融庁としては、欧州の財政・金融問題に対する欧州各国の政策や市場に与える影響については、引き続き高い関心を持って注視していくという所存であります。金額等については、色々言われていることは承知しておりますけれども、まだそのことについてのコメントは差し控えさせていただきます。

問)

低金利が続いていることで、生命保険の標準利率が来年4月より12年ぶりに引き下げられて、各社が保険料値上げを検討すると、このところ報道されていますけれども、これについてどのようにとらえていらっしゃるでしょうか。

答)

生保各社が、来年4月以降、生命保険料を値上げする旨の報道があったことは承知しております。金融庁としましては、生保各社の保険料について一つ一つコメントすることは差し控えますけれども、保険契約者等の保護の観点からは、将来にわたり保険金の支払いが確保されることが重要と考えておりまして、引き続きしっかりと監督してまいりたい。そう考えています。

(以上)

サイトマップ

ページの先頭に戻る