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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成25年1月8日(火)11時23分~11時40分)

【冒頭発言】

昨年10月に発足したいわゆる欧州の恒久的な危機対応メカニズムであります通称ESM、ユーロピアン・スタビリティ・メカニズム、ESMによる初めての債券の発行が本日予定されております。日本としては、欧州の金融安定化というものが円を含む通貨の安定に資するという観点から、欧州自身の金融安定化に向けた今後のさらなる取組を踏まえつつ、外貨準備を活用してESM債の一部を継続的に購入していくという方針であります。また、今後日本は、ESM債を主要なユーロ建ての国債と並ぶ重要な投資対象と位置付けるということであります。

【質疑応答】

問)

来年度予算編成について伺います。大臣は常々民主党が設定した中期財政フレーム、新規国債発行額44兆円以下、国債費を除く歳出71兆円以下という目標にはこだわらないと常々おっしゃっておりますけれども、一方で自民党は野党時代、民主党予算については水膨れだと。減額補正や組替えを主張されてきました。そういうことを考えると来年度予算というのは71、44を下回ることが道義的には考えられるのですけれども、改めて44兆円という枠について大臣の考え方をお聞かせください。

答)

44兆円についてはこだわらないというのは最初から申し上げたとおりです。本予算については、これは自由民主党の中期財政計画というのがありますので、それに基づいて我々は対応していきたいと考えております。

問)

その場合、2015年や2020年の財政健全化目標については守られるということでよろしいのでしょうか。

答)

そうです。守りたいと考えているというのが正確かな。

問)

金融政策についてお聞かせください。先日の討論番組で、大臣が日銀との政策協定についてアコード、協定という言葉にはこだわらないというふうにおっしゃったと思うのですけれども、大臣の本意としては日銀と政府の間で何らかの合意文書は結ぶけれども、協定、アコードという言葉ではない、そういう言葉にはこだわらないという趣旨でおっしゃったのでしょうか、真意をお聞かせください。

答)

アコードをグーグルで引いてごらん。まず某自動車メーカーの車としか出てこないよ。新聞記者だってみんな分からないんだから一般が分かるわけないよと私はそう思うね。だからアコードなんていう言葉は某自動車メーカーの広告を手伝う気持ちは財務省としてはありませんので、そういった言葉はいかがなものかと。俺、聞いてこの言葉の意味を理解できなかったから引いたよ。引いたら某自動車メーカーの車しか出てこないから、ずっと行ったら最後の方にちょろっと出てくる程度の単語なのだから、これはもうちょっと別の言葉にされたらどうかねと、新聞記者だけが分かっても何の意味もありませんからと、僕はそう思っています。日銀については、我々としてはいろいろ今後とも協議を精力的に詰めていくことになるのですが、文書をもってきちんとしたものにしたいと思っています。いわゆる口頭とかというのじゃなくて、文書できちんとしたものにしたいと思っているということだけ申し上げられる。

問)

ESM債の購入ですけれども、今日すぐに買うということなのか、買う額というものまで決まっているのかというのを確認したいのですが。

答)

まだ幾ら発行されるか額も分かっていませんし、当然こちらも幾ら買うという額を決めているわけではありません。

問)

先程ありました日銀との合意文書ですけれども、今日一部報道で雇用の安定をその文書の中に盛り込むことの検討に入ったというような報道もあったのですけれども、その点についてお考えはいかがでしょうか。

答)

今の段階で、あれは某新聞だけの特ダネですか。おたくは特落ちされたわけ、あれは。確か某新聞にだけ書いてあったと記憶しますので、某新聞の方に聞いてもらった方がいいのだと思いますけれども、私共として今雇用というものをこの段階で、これは雇用というのは政府も非常に関係する話なので、日銀だけにおっかぶせるつもりはありません。

問)

13年度予算で1点確認させてください。今月中に政府案を閣議決定する方針ということでよろしいのでしょうか。かなり日程がタイトになっていますが。

答)

13年度ということは平成25年度予算ね、平成25年度予算を今月中に、1月末までに、やりたいと思っていますね。

問)

かなり日程はタイトですけれども。

答)

1日ずれただけでどうたらこうたら言うのが新聞だからね。発言には注意して言わんといかん、そんなところだけで足を引っ張られても何の意味もありませんから。

問)

ゆうちょ銀行とかんぽ生命の新規事業の見通しについて、あと郵政グループが要望している会社間窓口手数料にかかる消費税減免措置の見通しについてお願いします。

答)

例のかんぽ生命の話?前にも答えたと思うんですが、今、かんぽ生命の学資保険の改定等々については、これは確か昨年11月30日にいわゆる郵政民営化法によって少なくとも条件付きで認可ということにした一方、保険業法の方については認められないということで確かあげられたと思うと聞いていますので、この認可に付けられた条件というのがありましたので、これについて検討を更にしていかないかんという段階です。だから、今の段階でどこまで行っているということを言うわけにいかないんですが、ゆうちょ銀行の方に関しても同様で、住宅ローン、それから法人向けの貸付だったかな、あれは確か。そういったものについても、そういった新規業務については、去年12月に郵政民営化委員会が取りまとめたというところまでは承知していますけれども、金融庁の審査というのが進んでいるわけではありません。従って、認可の是非を判断するとかそういったような話の質問でしたら、今まだ審査をする必要の段階であって、まだ細目を述べるような段階ではないということです。

問)

先程のアコードで雇用の話がありましたけれども、大臣就任されたばかりの時にインタビューの際に雇用の話をお聞きした時には日銀に雇用の責任まで負わせるのはどうかとやや否定的な印象だったのですけれども、先程のおっしゃりようだと日銀だけにというふうにおっしゃっていて、これは日銀と政府で共同で責任を負うということならば文書に書き込むこともあり得るのかどうか。

答)

日銀としてそれをのむかね。雇用を認めているところというのは世界中でどこにある?FRBだけだと思うんだ。だからそれをやるのに当たっては、これはちょっと今のこの段階で日銀とやるには、物理的にも時間的な点から考えても無理があるかなという感じはします。雇用というのは厚生労働省に限らず経済産業省、ありとあらゆるところに関係してきますので、これを日銀に押しつけちゃうというのはちょっとどうかなという感じはしますね。

問)

日銀総裁ですけれども、この間インタビューで出ていたようですけれども、改めてどういう資質を持った人が望ましいのかを教えていただきたいのですが。

答)

今世界の中央銀行の中で最も内容がしっかりしているのは日本銀行。FRBやらヨーロッパ中央銀行、ECBに比べても内容は極めてしっかりしている。また通貨を見ても、これだけインフレになりながら戦後、昭和20年この方1ドル360円から円高になっていったというのは、通貨というものの価格を維持するというのは中央銀行の仕事ですから、その意味では360円、80円、4.5倍にしてのけた日本銀行というところはしっかり仕事をしているという、僕はそういう評価ですけれども、そういう評価をやってきた日銀、当然のこととして世界の中央銀行総裁会議なんかに行けばそりゃ集中しますよ、ここに。その時にやっぱり一言も言葉が通じねえというのはいかがなものかね、今の時代は。だからある程度の語学、何も最初から英語で全部しゃべれる必要なんて全然必要もないし、ほかの銀行の頭取でも英語の下手な人はいっぱいいますから別に驚くことはないのですが、ある程度の話ができるのが必要だと思うのが1つ。それからこれは大きな組織ですから、何でも個人プレーでやっちゃうとか、学者みたいに組織をあまり動かしたことのない人がやるというのもどうかねという、危ない感じがします。いろいろな組織で他の業種の方から我々も大使で採用したりいろいろしたことがありますけれども、大きな組織を動かしたことのない方が入ってこられた時は、大体大使館の中のコミュニケーションやら何やらであまりうまくいかなかったという記憶がありますので、そういった意味では組織をある程度知っている人というのと、あとは健康だろうね。これだけあっちこっち行かされるとなると、健康はしんどいなと思いますね。あの人達は国会答弁が財務大臣と比べて大分少ないだろうから、その点は楽なのかもしれませんけれども、それでも時差と朝の3時とか4時とかにじゃんじゃん各国から電話がかかってくる、あれに耐えられるだけの体力というのは能力以上に必要かもしらんね。今の日本銀行の総裁というのはそういうことになるんじゃないかと思いますけれども、大きく言えばその3つかな。

問)

今朝、安倍総理と会われていましたけれども、どのようなお話をされたのでしょうか。

答)

安倍総理との話は11日、いわゆる例の経済対策の話が主です。

問)

昨日、あおぞら銀行の筆頭株主であるアメリカの投資ファンドのサーベラスが、株式の大半を売却すると発表しました。2000年に日債銀が破綻して、その後、筆頭株主になってから9年を経て、今度は経営権を手放すことになったわけですけれども、アメリカの投資ファンドの傘下をあおぞら銀行が離れるということに対する受止めと、また今後のあおぞら銀行に望むことを株主の政府としてその2点をお願いします。

答)

個別の銀行の話であって、株式の売却について、どうだとかこうだとかというのを金融担当大臣として述べるというのは、あまり適当じゃないと思いますので、それに対するコメントは控えさせていただきます。

問)

中央銀行の総裁の資質ですけれども、今例えばFRBではバーナンキさんという学者出身の人、イギリスの中央銀行、イングランド銀行のキング総裁も学者出身で、割と今の世界の中央銀行は学者の人も多いのですけれども、そういう人はやっぱり望ましくないとお考えですか。

答)

育ってきた環境というのをバーナンキにしても前のイングランド銀行のエディ・ジョージにしても、ああいった人達というのはそれぞれ銀行の経営をやったことがあったり、いろいろしていた人もいますので、組織というのをそれぞれ知っている、動かしてきた経験があるのだと思いますけれども、そういう人の方がこういった大きな組織を動かしていく時には、やっぱり経験というのはすごく大きいなと私、自分の周りを見ていてそう思っていますので、今の意見でいくと世界中は学者だからこっちもなんていうつもりはありません。いわゆる出自は問わない、誰がどうであろうと今の時代に合った能力のある人を選びたい、選ばれるべきと思っています。

(以上)

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