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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成25年7月16日(火)11時01分〜11時26分)

【質疑応答】

問)

今週末にモスクワでG20の財務相・中央銀行総裁会議が開かれます。大臣が出席された過去2回のG20では日銀による金融緩和、いわゆるアベノミクスが大きな関心を集めましたけれども、今回の会合ではどういった点が中心的な議題になるとお考えでしょうか。それと前回の会合の共同声明では、日本に対して信頼に足る中期財政計画の策定が求められましたけれども、この点について大臣は今回の会合でどのように御説明されるつもりでしょうか。

答)

何が話題になるか、アベノミクスが話題になれば決して悪いことじゃありません。少なくとも、この十数年間に日本の経済政策がG8、G20の主要議題になったことはありませんから、その意味においては良いことだと思いますね。何が議題になるか、租税回避という話は話題になる可能性は十分ありますね。あれは前回のG7でこちらが提案した話がG8の首脳会議の議題に上がった話だと思いますので、引き続き議題になる可能性はあるかもしれません。中期財政計画については、これは8月何日ですから、それまでの間に我々としては作って出していく。それを出すのは9月のG20首脳会議、サンクトペテルブルクで出すことになると思います。

問)

租税回避がG20で次回の話題になるというところであると思うんですけれども、それ以外に今、新興国の経済成長の鈍化が、日本経済にも大きな足かせになる可能性があると思っています。新興国の経済成長の件ですが、大臣はその辺りどう御覧になられていて、G20で注目されている点というのがあれば教えてください。

答)

新興国の経済成長についてどう考えるか、新興国とひとくくりに言いますけれども、新興国も随分内容が違いますからね。かつてBRICsと言われて、すごく景気の良いような話が書いてありましたけれども、いずれも今BRICsというのはそれぞれ経済の成長に関して、もしくは国内の事情に関して問題を抱えているところが多く見られるということになりつつありますし、新興国と言っても内容が全部違いますので、一概には言えません。日本の場合は、何となく日本の新聞を読んでいるとアジアと言ったら韓国と中国しか書いていませんけれども、その他の国々との関係というのを見ていると、いわゆる通貨の交換を現地通貨で行うのを邦銀の間でうまくそういったのが成立したり、いろいろな意味で経済に関して現実的な、現場で仕事をしたら分かる、そういったような部分に関しては、随分具体的に日本の邦銀もドル建てではなくて現地通貨建てでいろいろな形を進めているというような形になりつつありますので、進んでいるところ、進んでいないところ、いろいろあると思います。

問)

中国のシャドーバンキングについては、大臣から中国側に聞くといったような発言とかあるんでしょうか。

答)

どれくらいの総額になっているか中国自身がつかめていない話で、いわゆる中国の4大銀行以外の銀行というのか、昔であれば無尽みたいなものなんでしょうけれども、無尽みたいなものでお金を集めてファンドにしているのか、ちょっとよく実態が分かりませんので、いい加減なことは言えないんですが、地方自治体が開発している開発事業、土地の開発が主ですけれども、土地の開発事業に対して、建物は建ったが、夜電気がついていないじゃないか等々よく指摘されているところなんです。そこに関して中央政府としては投資としてはいかがなものかという規制に乗り出したということなんでしょう。それによって中央銀行からの資金の流れが止まった、既に開発はしている最中、今さら止められないということになっているんだと思いますが、その分をシャドーバンキングと称する地方の行政体向けに地方で作った一種の投資ファンドみたいなものなんでしょうね、あれは多分。シャドーバンキングの定義がよく分かりませんけど。そういうものに集まるお金の桁が大きくて、何百兆あるんだかよく分かりませんけど、一説によれば200とか300とかいろいろ言いますけれども、政府が言う数字もあまり当てにならない上に、その政府が分からないと言うんですから本当に誰も実態がつかめていないという状態の経済こそが問題ですね、私達に言わせたら。ですから、そういう状態の経済になってきているというのは、かなりいろいろな意味で土地とか不動産に関するバブルというものがはじけつつあるのかなと思わないでもありませんけれども、いずれにしても、状況としては経済成長率に大きな影響を与える可能性というのは十分に秘めているという感じはします。実態を誰もよく分かっていないから言いようがありませんけど、何となくクエスチョンマークとして思って見ておかないといけないでしょうね。

問)

成長戦略を正式に決定してからは初めてのG20になると思います。どの辺に重きを置いて各国に説明したいとお考えでしょうか。

答)

日本としては第1、第2とそれぞれ矢を放った形になっていますけれども、第3の矢というのを今からスタートさせたばかりですから、これがどう影響が出てくるか。また、成長戦略とかといったような形でさらにいろいろな案が出されてくると思いますので、そういったものでいわゆる日本としては、基本としては規制があるおかげで成長しにくい、そういった分野に関しては規制を取り払って成長しやすくするとか、いろいろな意味で我々としてはこれまでの状況から違ったものを作らない限りは難しい。しかし、選挙で、7月21日で答えが出ますから、その答えを見た上で、我々としてはアベノミクスという経済成長といいますか、選挙に勝つのは手段であって、目的はいわゆるデフレ不況からの脱却が目的ですから、デフレ不況を脱却するために法案、規制緩和、いろいろなものをやる、それが参議院で止まるというのを解消するのが目的ですから、選挙に勝つのは単なる手段ですから、その意味では7月21日になればそれなりの答えは出てきている状況にありますので、今、マスコミが書いている記事が本当かどうか知りませんけど、あまり当てにしたことはないですけどね、当たらないから特に。そういった意味では、本当かどうか知りませんけど、そういった形になるのであれば法案としては参議院で最終日に自分達で出した法案を自分達で流すなんていうわけの分からないことにはならなくなる状態が最低3年は続く可能性がありますから、それは経済政策としてはよりスムーズに事を運用しやすくなる状況になるんだということは言えると思いますね。

問)

G20の関係で、新興国の景気の減速は、一面にはアメリカの金融緩和策の縮小がもたらしているという指摘も新興国の一部を中心にあると思います。この辺の影響についてはどういう議論が交わされ、大臣としてはどういう見識で臨みたいとお考えですか。

答)

新興国はマスコミによればとは言いませんけど、新興国はついこの間まで金融を緩和することによってお金が流れ込んできて大変だと言ったのは、新興国なんじゃないの。その答えはどうしたんですか。今度は止めたら大変だと。いずれにしても大変なんじゃないの。そういういい加減な話なんじゃないんですかね。それはマスコミが書いている記事がいい加減なのか、本当にその人達がそう言っているのか、よく分かりませんね。私は直接大変になったということを、緩んでいる時はいろいろ緩められたら大変だということは言われたことがありますけれども、アメリカが来年になったらという出口の話をした途端に金融が締まって足らなくなって、大変だ大変だという話を新興国から直接聞いたことはありません。

問)

アメリカの金融緩和の縮小が始まるということで、新興国の資本が出ているとか為替への影響が出ていると。幾つかの新興国からアメリカの金融緩和の縮小に対しての注文が付くんじゃないかということも言われたりしているんですけれども、今回のG20の議論でその辺について具体的に何か、どういう見通しなのかというのがあれば教えてください。

答)

そういう話が本当に出ますかね。今まだそういう話を、あの話は今すぐの話じゃないですからね。今すぐでない話を今すぐしますかね。注文を付けるのは、言い方はいろいろあるかもしれませんけれども、ついこの間までは緩め過ぎて問題だと言っていたんでしょう。それが来年締めますと、今締めるんじゃないですよ、来年になったら出口を考えますといった話で、どこに文句がつけられるのですかね。どうしてほしいですか、じゃあ。

問)

足元で為替レートの動きが直近では起きているという話で、外貨準備高が新興国も減ったり影響が出ているというところで、報道とか見ている限りではそういうことも言いたい新興国もあるというようなことを聞いているんですけれども、大臣はどのようにお考えかお聞かせください。

答)

マスコミが現地でどういう具合に情報をとって言っているのか知りませんけれども、少なくともこうしてほしいという答えは、緩めたら流れ込む、締めたら出ていく、どうしてほしい、どれぐらいにしてほしいという具体的な話が出てこないと言われた方も困ると思いますけどね。常識的にはそうだと思います。自分の都合の良いことばっかり世の中いきませんから、それは。ですから必ず大幅に緩めたら、それによっていわゆるきしみが出る、締めたら締めたできしみが出る。ですが、少なくとも日本の金融緩和というのはデフレ不況、正確には資産デフレ不況からの脱却が優先順位の1番ですから。日銀の金融緩和やら何やらは全てそれが目的ですから、日銀の金融緩和は単なる手段、そういった意味では目的と手段が何か一緒くたになっているような話がよくありますけれども。今の新興国の話も、それによって自分の通貨がどうなるとか、それからいわゆる資金繰り的に言えば、短期資金で回しているところが多いから短期資金で引上げが起きるとか、ECBでバーゼル3とかいろいろな形で自己資本比率を引き上げられた場合に、ECBからの資金の供給量の絶対量が減りますというのは、それはECBにとっては当然のことを言っているんでしょうけれども、それによって影響を受けることも考えてもらわなければいけないという話は分かります。けれども、ついこの間まで多過ぎると言っていた人が、一カ月したら足りないなんて話は通る話ですかね。新聞はあおって書くからそうかもしれませんけれども、中央銀行総裁という人がついこの間まで足りない、困ると言っていたのがいきなり逆のことになったからといって言えますかね。中央銀行総裁というのはそんな軽いもんだとは僕は思いませんが。新聞じゃないですから、中央銀行総裁の立場として、なかなかそんな簡単に説を変えられますかねとは思います。

問)

今日、東証と大証が統合して取引が始まりましたけれども、金融担当の大臣として、世界3位の規模にもなるわけですけれども、この市場に対する期待、あるいは受け止めというのはどのようにお考えかお聞かせください。

答)

少なくともシステムに齟齬を来して、「なかなかうまくいきませんでした。」というどこかの銀行みたいなみっともないことはなかったですね。あの銀行、まだやっているのかな。よう恥ずかしくないね。僕は、ああいうのは理解できないんだけど、そういったみっともないことはなかった。今からやって、デリバティブまでやるのが、あと1年ぐらいあるのかな。そこまでの間、こういったものがうまく運用されていくというのは、良いことだと思いますけどね。今日も、それによってぐちゃぐちゃになって、株が下がったとか上がったとかということもなく、株が100円前後というところなんでしょうから、そこそこうまくというか、予想通りにスタートして良かったなと思っています。

問)

新興国経済の件ですけれども、先ほどBRICsについて、各国によって事情が違うので一概に言えないという話でしたけれども、インドもかなり景気が減速してきていますし、中国も昨日ああいう発表がありました。ロシアもなかなか資源が不調だと。ブラジルも景気が減速してきて、しかもインフレが続いているということで、ややスタグフレーション的な動向が出ていると。これまで世界を引っ張ってきたBRICsをはじめとした新興国がここで減速してきているということは、これから外需も含めて経済を立て直していこうという日本にとってもやや新興国にブレーキがかかってきてしまうことは、決して望ましいことではないと思うんですけれども、こういう現状についてどのようにお考えでしょうか。

答)

少なくとも今言われたようにBRICsの最後の南アフリカを含めて、今言われたような状況になっていることは事実なんだと思います。日本の場合、確かに円安によって外需がという話がよく出ますし、事実それによって輸出関連企業というのは軒並み利益を出せるようになったというのは確かですが、しかし忘れてもらっては困るのは日本のGDP約5兆ドルのうち、今5兆2,000億ドルぐらいになっているのか、そのうち日本が外需に回っている分というのは15%ぐらい、残りの85%は内需ですから。だからそれによって直接大きな影響がGDPというものに与えるかと言ったら、日本の場合は国内総生産というものの話であって、国民総生産じゃなくていわゆる国内の内需が85%、したがって、今回の場合もいわゆる第2の矢とかという部分とか、また第3の矢も内需がどれくらい伸ばせられるかというところが非常に大きな部分なんだと思います。そういった意味では、別に外需で人様の利益を食って日本だけの利益を出そうというのではなくて、日本の国内の需要を高める、しかもその国内の需要は日本の中に寝ている個人金融資産1,500兆とか、企業が持っている資産と言いますか、含み資産と言いますか、抱え込んでいる資産というのが200何十兆とか、そういったお金が外に出てくるということを我々は期待しているのであって、そういった意味では今のような影響というものは当然考えておかなければいけないものだとは思いますけれども、それが直接日本に大きな影響を与えて、日本のGDPの伸びを著しく損ねるというような感じはありませんね、私には。

問)

先ほどの中国のシャドーバンキングですけれども、実態がよく分らないというのが非常に懸念されるということだと思うんですが、今回G20の場で中国当局の方とも実際お会いするわけですけれども、その場である種、中国にどうなっているんだというような説明を求めたいというようなお考えはいかがでしょうか。

答)

こういうのはみんなの真ん前で、おい、どうしたというような話じゃないんですよ。英語も出来ますし、どうなっているんですかと聞けば、それはるる説明はするでしょう。ですが、みんなの前でどうなっているんだと聞く人もいるかもしれませんけど、日本としては少なくとも、周小川という方は、今回の全人代が終わった後唯一残った大物ですよ。なぜなら国際金融が分かっているのは、この人しかいないということで、財務大臣は代わりましたけれども、中銀の総裁は代わらなかったというような人ですから。韓国の中銀総裁の金氏にしても、この周氏にしても、両者とも国際金融が分かっているということですので、実態はこの人達がむしろ一番よく知っているのかもしれないとは思いますけれども、ただこの人達が地方政府に対して、地方に勝手にでき上がっていると言われるシャドーバンクというものが、どれぐらいの総額をどれくらいで回しているのか、多分知らないんですよ。ですから、影響がどうですかと聞いても、ミスター麻生、ドント・アスク・ミーというふうな話で、それはむしろほかの奴に聞いてくださいというぐらい言われても、それが一番正直な答えなのかもしれません。ですから、よく分らないから気味悪いなとみんな思っているんであって、やはり何となく、桁が大きいでしょう、早い話が。何百兆とか言うでしょうが。そのまた何百兆も簡単に100兆ぐらいすぐずれますから。400兆になってみたり300兆になってみたり、恐ろしい数を言ってみたりする人もいれば、いやそんなにないんだ、数十兆しかないという人もいます。あまりに差が激しいから、とてもじゃないけどこれは危ないですね、不安ですねという心理をあおられてしまうのですけど。とにかく全体主義でやってきた国が急に部分的なところだけパンと自由にやったところで、今までだと4大銀行でバンと締めたらそのままいったものが、地方政府に対するグリップが効かなくなってきているからそういった現象が起きているとなれば、治安が悪くなってきているのかなとかいろいろなことも、ほかのことも考えないといけなくなりつつあるのかなとは思います。よく見えませんね、本当に正直なことを言うと。多分これは日本の新聞の情報力が不足しているというなら毎度のことだとは思いますけれども、これは多分海外のマスコミもつかめていないように見えるんですね。アジアのマスコミが時々出すぐらいのもので、なかなか出てこないでしょう。ですから、気味悪いのですよ。ちょっと正直、桁がそんなに大きいということになったら、400兆なんて簡単に言いますけど、日本のGDPの80%が吹っ飛ぶという話は、それはちょっと大変な話になりますから影響は確実に出るでしょうし、それに預金してとか投資してリターンで10%だ15%をもらっているような人達は、そのお金で海外に行ったり日本に観光に来たり世界中を旅行したりしている部分が全部飛ぶことになります。それは一挙にクレジットクランチ、信用収縮がバンと起きますから、つぶれる銀行の絶対量がものすごく大きな問題なので、それが分からないからちょっと答えようがないんですけどね、これは。正直あまり大き過ぎると、それこそが問題になりますから。

(以上)