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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成26年1月21日(火)11時08分〜11時21分)

【質疑応答】

問)

昨日の経済財政諮問会議で、法人課税の改革に関して、民間議員から日本が直接投資先としてアジア諸国と競争していくことに触れ、35%程度の法人実効税率をアジアの近隣諸国並みの25%程度に引き下げるよう提言がありました。大臣は財源に関して、これまでも課税ベースの拡大や他税目での増収策が必須と指摘されています。ただ、2014年度の税制改正大綱では設備投資減税などが2016年度まで予定されて盛り込まれています。こういったことをあわせて法人課税の改革がいつ頃を目標とすべきなのか、大臣のお考えをお聞かせ願えますでしょうか。

答)

昨日の経済財政諮問会議において、法人課税の在り方を検討するというのであれば、雇用とか所得の拡大を実現するためには、産業政策そのものを含めて大きな枠組みの中で検討を行う必要がありますので、ただ法人税を上げるとか下げるとかという話で行いますと、話が非常に矮小化されます。それから財政健全化という観点も考えておかなければいけないので、普通でしたら税収が伸びればその分だけ法人税を下げても良いのではないかという話が簡単に出てくるところですが、借入金が約1,000兆円、GDPは約500兆円、プライマリーバランスがまだバランスもしていませんという段階での話ではないのではないですかという2点を申し上げました。そういった話をして、他にも与党税調の中でも、いわゆる法人税を下げた時の政策効果というのはどれくらいあるのですかという話と、また課税ベースを拡大しないと、仮に35%から25%とかに10%仮に下げますと1%が約4,700億円ぐらいありますから、約5兆円の減収ということになります。5兆円分の減収を補うだけの財源というのをどこで探すのですか、課税ベースの拡大ですか。そうしますと、課税ベースの拡大というのは、いろいろありますが、そういったものをやられますかといいますと、これは財界はなかなかのまれないのではないですか。そういった点を考えますとなかなか難しいので、具体的なタイミングという段階の話ではないのかなと、今言えるところではそんなところです。

問)

昨日開かれました産業競争力会議で示されました成長戦略進化のための今後の検討方針に関してですが、方針では女性の活躍を支える社会基盤整備を進めるために働き方の選択に対して中立的な税制・社会保障制度の在り方が検討課題として盛り込まれています。現在、配偶者控除など専業主婦を優遇する税制がありますが、この税制の在り方について大臣のお考えをお伺いさせてください。

答)

所得税の配偶者控除が38万円あります。そうしますとそれに関してみんな働くという前提で、配偶者控除をやめましょう、ゼロにしましょうという意見もありますけれども、これはなかなかそうではなくて、少なくとも見直し、慎重な意見と両方ありまして、自民党はどちらかと言いますと慎重な意見の方が多いのだと思います。女性の就労を促進していかないと日本の今後の労働者の不足等々を考えますと、そういった点で中立的な税制に切り換えてしまいましょう、すぱっとという御意見も確かにあるのですけれども、いずれもこれは税に関する根本的な話ですから、そういったところはよく検討していただかないと、これは奥さん方にとりましては大きい話ですから、とてもではないですけれども簡単な思いつきみたいな話ではできませんので、きちんとした話をしていただきたいと思っています。法人税よりこちらの話の方が、与える影響が広範囲に及びますから、こちらの問題の方がより真剣な、熱心な論議をしていただかないと、うかつなことはできないなという感じがします。

問)

休眠預金の活用についてお伺いします。現在、自民・公明両党で議論されておりますが、預金者の資産を使うことへの慎重な意見だとか、金融機関側の事務負担をどうするかなど課題があると思います。大臣は、休眠預金の公共性、公益性の高い事業への活用について、どうお考えでしょうか。

答)

休眠預金の話というのは、急に、何も今に始まった話ではなくて、昔から、10年以上預貯金の出し入れがない、いわゆる動きがないものについては休眠預金扱いとするという話で、その金額が大体850億円ぐらい、それで払戻しをするのが350億円、残り500億円ぐらいという話でしょう。その話をどうするかという話ですけれども、報道としては承知しています。けれども、これを自公で方針を固めたということに関しては、承知していません。ただ、休眠預金を、例えば500億円というものは大きなお金ですから、それをいろいろな活動に活用させていただきますということになった場合は、死亡しているとか、意識がないとかいろいろな方がいらっしゃるでしょうから、そういった意味では国民全般の納得が得られないと、500億円を何に使うかは別にして、納得が得られる仕組みを考えないと、簡単に500億円余ったから、この分だけ厚労省に回しますというような話でもないのではないのかなという感じがしますので、金融庁だけで即答するというような種類の話ではないのではないかという感じがしています。

問)

昨日、経済財政諮問会議で法人税の議論がされたのですけれども、総理がレベニューニュートラルではなく、各国が税率を下げた際の効果についてということを調べてほしいと、おそらく趣旨は、法人税を下げて経済成長すれば税収が増える可能性もあるのではないかということを仰りたいのかなという理解をしました。しかし、逆に言いますとそれは捕らぬ狸の皮算用みたいになりかねないと思うのですけれども、大臣はこういう考え方もあり得るとお考えでしょうか。

答)

例えば交際費課税を緩和しました、飲み屋の売上げ、料理屋等々の売上げ、贈答品を含めて大量の売上げ増で景気は良くなっています、あれがすべて交際費課税のせいとは言いません。しかし、間違いなく景気の面でいくと極めて、景気の気の部分を良くしたことは間違いなく、それによって消費が促進されたことも間違いなく、街の繁華街が潤ったことも間違いありません。それの総額が幾らになって、幾ら影響したのかというのは、なかなか計算では出しにくい部分はありますけれども、そういったようなものは下げることによって起きる可能性、こちらの方で減りますけれども、こちらの方で増えますという部分で、国全体としては歳入、主計局の話と主税局の話と見れば、主計局としては正直言ってその分だけ出費が増えますと。ただし収入はもっと増えますというのであれば、国の経済を預かる、財政を預かる全体としてみればそっちの方が多くなります。その可能性はあり得ますよ。あり得ますけれども、それを景気が良くなりつつあるという時に、どの程度行うのかということになりますと、今度はそれによって幾らかと言われますと、少なくとも財政を預かる立場として見れば、いきなり10%で5兆円ですかと。正直、5兆円もどこからそんなお金が出てくるのですかという気がします。仮に2%下げ、約1兆円ということになったとします。みんな喜んだかといいますと、今年少なくとも約2.4%税率を下げた時に、ありがとうございました、大変助かりましたと仰った財界人は、私の知っている中では少なくともゼロです。ですから、それだけの効果があるのでしょうか、あったのでしょうかと思ってしまいます。大きいですよ、1兆円のお金が動くのですから。そういった意味では大きいとは思いますけれども、だからどうでしょうかと思っていますので、私は少なくともしばらくの間、今の1,000兆円、500兆円と、プライマリーバランスの関係がある程度のものになって来ませんと、会社で言いますと利益、役所で言いますとプライマリーバランスが4兆円改善の目標が、5兆2,000億円の改善になりました、では、その分1兆2,000億円だけ予算をバンと増やしましょうという前に、少し待ってくださいと。1,000兆円の借金があることを忘れては駄目ですよという点を考えておきませんと、少し無責任なことになりかねませんという感じがします。これは検討してみる必要があります。

(以上)