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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成26年4月8日(火)9時08分〜9時25分)

【質疑応答】

問)

先ほど2月の国際収支が発表されまして、5カ月ぶりに経常黒字を回復しました。直近の数カ月、1兆円を超えていた貿易赤字の縮小が要因としては大きいと思うのですが、まず5カ月ぶりの黒字回復についての所感をお願いします。

答)

毎年11、12月は配当支払い、それから中国の春節の関係で1月というのは輸入が増える、毎年収支はそうなっていませんか、傾向値で。毎年そうなっています。ですから、別にそんなにいきなりというわけではなく、去年も同じようにこうなってという話ですけれども、貿易収支の影響が一番大きいのだとは思います。貿易赤字が5,334億円になっており、第1次所得収支の黒字が1兆4,593億円になっていますので、その2つが要因として大きいのだとは思います。先行きとしては、やはりLNG、液化天然ガスの値段の話と為替と原油の価格と金利、そういったようなものでこういうものは動いていきますので、そういったものの動向を見ておかなければいけないということに尽きるのだと思います。基本的に一番大きいのは、貿易収支の赤字というのが一番大きな要因です。ですから、その主たる要因はエネルギーだと思います。

問)

先週金曜日の経済財政諮問会議で、民間議員が来年度予算についても中期財政計画の目標を上回るプライマリーバランスの改善を求めました。この提言についての受止めと来年度の予算編成にどのように反映していくのか、大臣のお考えをお伺いさせてください。

答)

2015年度におけるプライマリーバランスの赤字対GDP比を対2010年度比で半減ということで、2014年度で4兆円、2015年度で4兆円改善することで半減となる予定だったのですけれども、昨年度はそれが5.2兆円改善できました。国債の新規発行も1兆6,000億円減らせましたというところがうまくいっています。5.2兆円ですからプラス1.2兆円を景気対策に充てましょう、補正予算とかそういった景気対策に充てましょうという説もないわけではありませんでしたが、これはプライマリーバランスの赤字幅の縮小と言いますか、財政再建を優先させるべきということで、1兆2,000億円多く返せましたので、それを引き続きやりましょうと。うまく税収が上振れした場合は、そういうことをやりなさいと言っておられるのだと思いますので、最初からそのつもりですが、傍らその増えた分だけ法人税の実効税率を下げなさいと言われますから、どちらを優先されたいのですかと申し上げたと記憶しております。基本的には成長率3%を今後とも維持しても、財政支出が今のままだとしますと、2020年になってもまだ赤字が12兆円残るはずですから、財政支出等々を含めて構造改革というものをきっちりやりませんとなかなか2020年のプライマリーバランス黒字化目標まではいかないということなのだと思います。経済財政諮問会議の御説は当然といえば当然なのであって、我々としてもそちらの方向で考えていかなければいけないと思っているのですけれども、4−6月期の消費、7−9月期の反動減の後の動き等々を見ながらでないと、まだ今の段階で言える段階ではありません。

問)

国際収支の件ですが、年度で見ますと今年4月からこの2月まで、今日出た数字を足しますと大体2兆円ぐらいの経常黒字になっています。そうした中で、一方で双子の赤字、経常収支の赤字を懸念する声も強く、輸出・輸入の関係を見て貿易赤字がこれだけ厳しいですと、そういった懸念も強まってくると思います。大臣はこの双子の赤字について、そういったところは十分頭に入っていらっしゃるとは思うのですけれども、やはり懸念して動かなければいけないのかという点と、国際収支の、先ほどエネルギーが要因だということでしたが、数字で気になる点があればお伺いさせてください。

答)

平成25年4月から平成26年2月までの経常収支の累計が、6,735億円の黒字になっているのだと思いますが、今後ともこの経常収支の先行きというのは、経済情勢とか天然ガスの値段とか原油の値段とか、プラス金利もあるでしょうけれども、そういったような動きによるものが大きいので、今後の動きを注視しなければいけないところだと思います。やはり貿易収支のところの石油・ガス等々に、今は原発が止まっていますので、その分だけ輸入がどんと、2兆5,000億円ぐらいになっているのだと思います。そういったようなもののマイナス効果は非常に大きい、貿易収支としては非常に大きいのは確かですけれども、傍ら、日本の場合は今GNI、国民総所得が特許料や配当や金利というようなもので入ってきている部分がかなり大きいので、そういったようなところも見ませんと国全体としては消費財を売って利益を出し、貿易収支を黒字にしていた昔と違って、今は消費財の比率が減って資本財の比率が増え、今7対3ぐらいになっていないかな、それぐらいの比率になっています。そういった意味から言いますと、内容が大変変わってきている点は十分注意しておきませんと、貿易立国と言いますけれども、日本の場合はGDPに占める貿易の額というのは15%以下になってしまっていますので、昔とは全く違った形になっている点もよくよく考えておきませんと、その面だけ見ていますと、国全体としてのバランスとしては間違ったものになってしまうと思います。

問)

今日発表された国際収支ですが、10−12月期の確報値も出ました。それを見ますと、2013年通年の知的財産等使用料の収支が、初めて1兆円の黒字を超えました。日本はかねてから知財立国を標榜していますが、この現状を大臣はどのように御認識されていますでしょうか。

答)

前年に比べて3,853億円増えているのですけれども、今申し上げたように物を売って、簡単に言えば耐久消費財を売って、繊維やオートバイや自動車を売ってというようなことで稼いでいるより、会社を買ってその会社の配当とか、資金を貸してその金利とか、特許を貸与するなり売却するなりして得た金額とかというものの方が、いわゆる消費財を売るよりはるかに大きなものになってきています。特許権とかロイヤリティいうものがそれだけ多くなってきているというのは、よく日本再興戦略の中において、オールジャパンとしては、技術立国とか知的財産立国とかいろいろな言葉を使っていましたけれども、そういった流れとしては成長戦略というものに、確実にその方向に沿って動いていると判断すべきなのではないでしょうか。もっと大きいですよ、こういったようなものはこれから。もっと大きくなっていくと思います。

問)

昨晩、アメリカ財務省の高官が記者との電話会議で日本の財政について発言しておりまして、デフレ脱却を阻むような過度に急激な財政再建策は回避すべきというふうに発言しているようなのですが、G20を前にアメリカからこういうコメントが出ていることに対して、大臣の御所見をお伺いさせてください。

答)

アメリカの高官の話ということですけれども、アメリカのやっていることと我々のやっていること、我々のやっていることとヨーロッパのやっていることと比べてみて、日本の財政再建は急激に急いでいるというような数字にはなっていません。

問)

今週末からワシントンでG20が開かれますが、今回ウクライナ情勢をめぐって欧米、それからロシアが対立する中で、このウクライナ情勢をめぐっては支援の話、それから世界経済に与える影響についてどのような議論が行われる見通しでしょうか、大臣のお考えをお聞かせください。

答)

見通しについては、そこまでにまた動くでしょうからよく見えていないところだと思います。アメリカとEUとの温度差もありますので、我々としてはIMFのミッションチームとウクライナ当局との間で経済改革プログラムについて両者で検討し、事務レベルで合意したというところもありますので、合意した内容等々についてG20で意見が交換されるというところがまずはスタートなのではないかなと思います。よくまだ見えてきていないように見えます。今のところ、ウクライナ、クリミア、キエフやら何やら、いま一つ見えて来ませんので、何となくヨーロッパの、EUの中でも結構まとまって一致してこれをという意見は見えてきませんから、我々としてはその対応はよくよく見極めなければいけないところでしょう。アメリカともEUとも随分違うでしょう。

問)

政治の話になるのですが、昨日、みんなの党の渡辺代表が8億円を借り入れた問題で責任をとって辞任することになりました。本人は違法なところは何もないという説明でしたけれども、このことについての大臣の御所感と、責任野党と首相に呼ばれた党の看板である渡辺代表が辞めたことで、政権運営もしくは野党再編に与える影響について、大臣はどのようにお考えでしょうか。

答)

今の話は他党の話ですから、こちらとしてはあまりどうのこうの言う筋の話ではありません。また、返したということに関して、どうやって返したかみんな興味があるところでしょうが、話を聞いていて、それに関する説明責任は十分に果たされていないというように感じます。ただ、いずれにしましても他党の話ですから、こちら側からどうのこうの言う筋の話ではありません。

(以上)