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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成26年8月29日(金)11時19分~11時38分)

【冒頭発言】

金融危機の発生以降、世界的に金融規制に関する議論が随分進展しておりますので、このような金融に関する国際交渉における日本のプレゼンスというのを高めていくために、金融庁の組織を改正しました。金融庁に、次官級の金融国際審議官を設置しましたので、バイスコミッショナーだったのがバイスミニスターということになろうと存じます。本日29日付で、制度・監督にかかわる豊富な経験、知識等々を有しております、各種の国際会議の議長などを務めております、河野正道国際政策統括官を就任させております。

【質疑応答】

問)

平成27年度予算の概算要求が本日、事実上の締め切りということになるのですけれども、各省の予算要求の総額を積み上げると100兆円の大台を超えることになるかと思います。これを予算査定の中で絞り込んでいくという作業になるかと思うのですけれども、その絞り込んでいく額のイメージのようなものがおありなのかどうかということと、例えばどういった分野をどういった観点から絞り込んでいくというようなお考えなのかという点についてお聞かせください。

答)

去年が99兆2,500億円、最終的に96兆円だったと思いますので、100兆円に本当になるのかどうか知りませんけれども、全部足していって今日各省のものが全部積み上がるということになっているのだと思いますが、これまでも8月31日までにという話をしておりますので、今日金曜日でもありますので、最後の取りまとめの作業を進めていると認識しております。概算要求の総額について報道がなされているというのは承知していますけれども、実際の数字について今幾らになっているかということにつきましてコメントできる段階にはありません。いずれにしても、27年度の予算で我々がやらなければいけないことは2つ、経済の成長と財政の再建、この2つをやっていかないといけないということになっていますので、7月25日に策定した概算要求基準に基づいて施策の優先順位というものをきちんと洗い直して、無駄の徹底排除等々、いろいろメリハリのついた予算というものにしていかないといけないのだろうと思っております。

問)

今朝、7月のいろいろな経済統計が出て、いろいろな数字があるのですが、とりわけ家計の消費支出が前年同月比5.9%減ということで、かなり消費がまだ戻ってきていないのかなという感覚があるのですけれども、この経済統計、7-9月期というのは非常に大事な時期だと思うのですが、この受け止めといいますか、増税後の反動がちょっと長引いているイメージをお持ちなのかどうかという点についてお聞かせください。

答)

御指摘のあったとおり、7月の実質消費支出というものの数字が前年同期比マイナス5.9%ということになっており、前月比は3%マイナスということだったので、マイナス幅が拡大したということだと思いますが、7月は雨が多かったし、悪天候などの影響もあると思います。また7月の販売の方の統計では小売販売額は前年同期比0.5%プラス、4カ月ぶりにプラス転化していますので、いろいろなことを考えなければいけないと思いますけれども、いわゆる消費税の増税による反動減というのは、少しずつではありますけれども薄らぎつつあるというような認識はしております。これはもうちょっと注意深く見ていかなければいけないところでしょうね。

問)

概算要求についてお尋ねします。優先課題推進枠4兆円について各省からは、例えば外務省が日本の正しい姿を海外に伝えるために500億円要求したり、額は小さいですが厚生労働省が危険ドラッグ対策というものを盛り込んだりしています。この特別枠と言われるものを去年では1兆6,000億円査定で削り込みましたけれども、今年はそれ以上に削る見込みがあるのでしょうか。

答)

ものによります。だからこの段階でこれは削ってこれは削れないと、今の段階で言うようなことはありません。ものによります。

問)

今の質問に関連で来年度の概算要求に関して、この特別枠の中に地方創生というものが掲げられていて、各省からこの地方創生に関して要求が上がっているのですが、大臣も先程おっしゃられたように財政健全化の目標がある中で全ての要求を通すわけにはいかないと思うのですけれども、どういった観点で地方創生の事業について査定をするべきか、お考えをお聞かせいただけますでしょうか。

答)

永田町とか霞が関にいると分からなくなっている人が世の中にいっぱいいますけれども、地方を回ってみて今就職率が一番高い大学はどこですか。

問)

秋田の国際大学。

答)

福井大学だと思うけれども、私の知っている範囲では。2番は毎年変わっているけれども、この7年間、1番は福井大学、2番は7年間では4回は九州工大でみんな地方なんですよ。東京にいたのでは全然理解できないくらい地域によって違うんですよ。どうして違うんだと。歩かないと全然分からないのだと思うのですけれども。今の話で地方創生という話は、これはどうしてもアベノミクスの中で一番抜けているところと言われる部分になっていくので、今後の人口減等に合わせて、地銀がどうするとか、そこにある企業がなくなればそこに人が住めなくなるとかいろいろな問題が複合的な話ですので、そういったようなものを全部やっていくところはきめ細かくやらなければいけないのだと前から言われている話です。今、特別枠でいろいろ要望が上がってきているので、地方創生に関してもまずは要求からということで、どんなものが上がっているのか、内容はよく知りませんけれども、この前の有識者との懇談会を2日続けて総理出席のもとにやらせていただきましたけれども、北海道とか徳之島だとか、そういったところから出てこられた方々の話も何となくみんなの言っている話と全然違うような話が出てきていましたから、なるほどと思ってすごく参考になりました。そういう意味で今からどういったようなものをやるのかというのが1つあるのですが、大事なことはそのプロジェクトを誰がやるかですよ。Aさんがやったらうまくいくけれども、Bさんがやったらうまくいかない、C地区ではうまくいったけれども、D地区では全然うまくいかない、よくある話だから、そういったのはよくよく見ていかないといけないところなので、大事に丁寧にやっていかないと失敗するかなという感じがしますので、これは丁寧に対応していかなければいけない問題だと思っています。

問)

永田町の話になるのですけれども、幹事長の石破さんがこれから安倍さんと会う見通しです。石破さんをめぐっては幹事長を続けたいとか、安保担当相が、考えが合わないので引き受けたくないといった発言が与党内からも批判が上がっていますが、こうした石破さんの発言についてどうご覧になっているのかということと、安保政策に100%一致している訳ではないという方が内閣に入るべきかどうかについて御所感を伺います。

答)

それは私が答弁する話かね。普通この時期、話題に出てくる人は発言しないものなのだけれどね。30年間で見た私の中に培われている常識だね。ところが公共の電波を使ってばんばんしゃべる、珍しいなと思っていましたよ。帰ってきてから安倍さんに電話をされたのですかと言ったら、していないという話だったから。私の事実だけを積み上げたことに対する感想を言わせてもらえばそんなところです。

問)

経済部的な質問で恐縮ですが、2つほどありまして、1つはさっきの河野さんの人事の件なのですけれども、次官級ということになりますと、例えばG20でありますとか国際交渉の場で、例えばG20D、つまりデピュティーとして同席するようなこともあるのかどうか、今デピュティーは財務官ということになっていますが、一緒に同席することになるのかどうか。

答)

ものによってはあり得るとは思いますよ、ものによっては。全部が全部という訳ではないと思います、これは河野が向いている分野とかいろいろあるでしょうから。しかし、基本的には財務官ですよ。財務省の財務官が出ることになります。

問)

G20の場合はやっぱり財務官が。

答)

財務官。

問)

税制改正要望で、金融庁からNISAの非課税枠が120万円に、そして子供NISAが80万円で、合わせると200万円ぐらいになるのですけれども、大臣、以前100万円を毎月20万円で、240万円ぐらいの非課税枠がいいんじゃないかというお話もされていたと思いますけれども、これについて、いわゆる世代間の所得移転という話が進んでいくのかどうか、要望段階ですけれども、お聞かせ願います。

答)

最初に100万円という話が出た時に、個人金融資産が1,600兆円、現預金だけで860兆円、持っている人は、大多数とは言わないけれども、60何%以上が高齢者。そういう人達の中で、多分、投資なんていう発想に切り替わっていく人は、結構頭の柔らかい人で、普通の人は、新たに非課税の積立預金が出たぐらいしか考えていないというのは、聞いてみたら、ほとんどそうです。そういう人達にとって、月々お金を集めるということを考えたら、100万円は12で割ったら8万何千円で、面倒でかなわない。月々10万円だったら10万円、ないなら、次は5万円ですよ。だから60万円口が、かなり増えたのですよ。だから、月々10万円にしたらどうかと言って、来年度の要求が120万円ということになりました。ただ、子供というか孫に、1,500万円までの教育何とかというのをいろいろ考えて、去年、やったのが意外と好評かつ広範囲の額が集まっていますから、そういった意味では、子供がこういうような、80万円か何とかというようなもので、まずはスタートしてやってみて、増えなければ増えないでやめてしまえばいいだけのことなのです。それが、意外とやる人がいて、もらった子供の方も、意外とそういうものに興味を持ってくれさえすれば、それは決して悪くない話です。ミセス・ワタナベ、デイトレーダーをやっている女性がいっぱいいて、世界中では、ミセス・ワタナベと呼んでいます。そのデイトレーディングをやっている人が、こんなに増えるなんていうことを想像したのは、財務省では、1人もいません。しかし、現実問題はそうですから。金利もつかないのだったら、そういったようなものが意外と、訓練されれば1%、2%に回っていけば、それでいいじゃないか、というように、頭の考え方がシフトしていき、その最初のきっかけになるのであれば、これはこれでいいのであって。80万円で意外とその面から増えてきて当たれば、それはまた来年考えてもいいし。まずは、未成年者用、いろいろな表現があるのだろうけれども、そういうので考えてみたらどうですかということです。

問)

IMFのラガルド専務理事なのですけれども、財務大臣の時にビジネスの係争に不正に介入したということでフランスの司法当局の捜査対象になりました。IMFの第2の出資国の日本としては今後何か対応は考えていらっしゃいますでしょうか。

答)

昨日の「フィナンシャルタイムズ」に書いてあった記事の話ですか。

問)

そうです。

答)

私達が知っているのは「フィナンシャルタイムズ」のような報道しか知らない。だからそれに対して、本人の話を聞いた訳でもないし、何の話も聞いたことがないので、少なくとも日本じゃないところで起きている係争中の話で、昔の話に関してこちらの方からコメントするようなことはありません。

(以上)

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