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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成26年10月31日(金)8時37分~8時51分)

【質疑応答】

問)

消費税率10%の引き上げに向けて来週から専門家を集めた、いわゆる点検会合が始まります。年内とされている総理の最終判断に向けて、この会合に期待すること、また大臣も出席されて御発言の機会はあるかと思いますけれども、どういった点を御質問されていくおつもりかお聞かせください。

答)

前回と同じなのだと思います。前回6・7回あったと思いますけれども、その間で私が発言したことは1回もないと記憶しています。今回も似たようなものでしょう。

問)

昨日の予算委員会で総理がPBの半減目標について国際公約とは違うというふうに発言していますけれども、これは大臣も同じ御認識なのかちょっとお考えをお聞かせください。

答)

コミットメントはコミットメントだと言ってきたと思いますけどね。

問)

その意味するところというのは、最大限それを守るべく努めるべきだという考えでしょうか。

答)

コミットメントはコミットメントでちゃんと守ろうとするのは当然です。もう妙な言葉の遊びに付き合うつもりはない。こういうのはちゃんとコミットしますと言えば、そうやってコミットしたこと以上でもなければ以下でもないと思いますよ。

問)

国会で政治と金の問題に時間が少し割かれているように見られて、地方創生など政策課題実現への影響も懸念されますが、どのようにお考えでしょうか。

答)

新聞の書き方が予算委員会の内容はほとんどそれしかやっていないような紙面構成になっていますもんね。実際に使っている時間は、松野頼久さんが言っていたと記憶していますけど、3対7ぐらいかの比率で、ちゃんとやっているのは7で、そういった政治と金の話は3割ぐらいじゃないかという時間割を言っていたけど、あれが本当かどうか知りませんよ。彼の話によるとそうだったと書いてあったのですけれども、紙面構成で言ったら逆で、大体7割あれしかやっていないとしか書いていないでしょう。現実問題として昨日の地方創生で言わせてもらえば、石破さんは度々呼び出されていましたけど、石破さんが答弁に立ったのは何回ありましたか。石破さんに対する質問の絶対量は、2・3問は出てくるのだと思いましたけれども、ありませんという方が多かったですね。だから、その意味では余り地方創生の話というのは出ていないように思いますね。

問)

今の地方創生の絡みなのですけれども、地方創生という文脈の中で地銀の果たすべき役割というのをどう考えられておられるか。地銀、第二地銀、金融行政としてどうあるべきかというところをちょっとお伺いできますでしょうか。

答)

これは昔から田中角栄「列島改造論」に始まって、地方の話というのは多くの総理大臣や内閣はこの問題に挑戦してきたのだと思いますね。結果として東京への集中が強まったという話ですよ。ということは、過去は失敗したということですね。その意味では、目的は達成しなかったのだということになるのだと思いますね。地方創生というのはこれだ、と思いつきで決めたのがそれだったのでしょうけど、竹下登という総理大臣がおられたのですけど、この方の場合は、地方自治体、村であろうと政令都市であろうと一律1億円と、ばらまきの極みみたいに報道されていましたよ。だけど、その後追いをやってそのお金をどう使ったかという検証をやるというような緻密な作業を報道はあまりしませんでしたから。その中で結果を見たらわかりますけれども、そのお金を使ってきちんとやっている町もあればどこかへ消えちゃったところもあるし、その金を基金にして地元の若い女性をずっとコンクールに出し続けたというところもあって、その人がジュリアードで洋化されたりして帰ってきたりするなんていうのをやってのけたところもある。だから首長さんというか、地方側のアイデアのいいところ、首長さんのリーダーシップによって差がつくことは、僕ははっきりしているのだと思いますね。基本的には上からの押しつけというのはだめだと報道するところもあるけれども、任せたらうまくいくのかといえば、うまくやってのける、それだけお金、権限等々を与えられたがゆえに、それをうまく使ってやってのける首長もいれば、どうしたらいいかわからないと困ってしまう人もいる。今回の場合、そういったものをやるのに何が大事かといえば、地方にある地銀は、その企業以外、その市以外、いろいろ付き合いが当然あるわけなので、地銀に限らず、信用金庫とか、広島市信用組合なんていうすごく能力のあるところもあります。広島市信用組合の山本さんなんかはすごいと思うけれども、こういった人のいるところとか、中国地方の山口銀行もそうだと思うけど、こういったところは間違いなく地方を使ってちゃんと目利きみたい人がいて、それを伸ばしていくところがあるのですよ。だからそういった意味で、やはり金融というものがこの話だったら、これはできたはいいけど何をしていいかわからないというようなものは、これだったら確かあの企業はこういうのを探していたなとか、そういったのが全部わかっているのは、地銀が一番情報量としては多いのではないですかね。だから、そういった意味では地方ということになると、都市銀行と違って地銀というのは転勤の絶対量が少ないですからね。だから、信用金庫とか、非常に地元に足がついているというような地銀の方が、東京から来た報道機関よりは地元の熊本日日新聞とか、西日本新聞の地方版の支局にいる人の方が、はるかに地方は詳しいわけですよ。だから、そういったような人たちの持っている情報とか、いろいろなものがあるのだと思いますけど、そういったようなものじゃなくて何となくこういう話をすると、すぐ日本の地方では、じゃあ、上からどんな予算がつくのですかとか、つく前にどういうアイデアがあるかというのを教えてくれさえすれば、それにあたって、じゃあ、この予算が総務省のこの予算ですよとか、何々の話ですよというのが出てくるように、アイデアを出すのはそちらですという意識の切りかえをしないとなかなかうまくいかないのだと、僕はそう思っています。ただ、これだけ何十年間も多くの人が地方、地方と言いながら東京に出てきたというのは、私がイギリスにいたから言うわけではないけど、イギリス、ロンドンと言ったら何となく労働者の町というイメージですよね。いいところの人は、みんな地方、郊外にいるんですよ。

例えば、IBMの本社はどこにあるのかと言われて、知っている人はほとんどいないのだけれど、あれはニューヨーク州の郊外にあるんですよ。そこでちゃんとやっているんですよね。他の大きな企業でも、皆ニューヨークとかシカゴにあるというのではなくて、今、あちこちでやれる。こっちはそうではないので、どうしてって言うと、やはり私の独断と偏見かもしれないが、日本人ってひなびたところより雅びたところの方が好きなのだと思うね。だから、例えば夜でも人通りのある町、繁華街という意味じゃないですよ、そういったような町で歩いている方が好きという人間性、特性があるから、これはなかなかうまくいかないのであって、そういったようなものが入ってこないと地方に人は定着しない、仕事も定着しない、企業も増えてこないということになっているのではないかなという感じはするのですけれどね。もうちょっとこれは詰めないとよくわかりません。これはちょっと日本にとってすごく大事な問題なのだと思っているのですけれどね。私は地方に住んでいるからつくづくそう思いますよ。

(以上)

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