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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成26年11月28日(金)10時02分~10時15分)

【質疑応答】

問)

今朝発表の10月の家計調査で2人以上世帯の消費支出は前年同月比4.0%減と7カ月連続のマイナスとなりました。減少幅は9月から改善していますが、増税や円安の影響が続いている状況が垣間見えます。大臣は今回の結果をどう受け止めますでしょうか。

答)

有効求人倍率等々は改善されて1.09が1.1に上がっているじゃないですか。それはありましたし、あとは経済指標の中で見ればそういったものも上がっていますので、消費の減っている分は前回マイナス5.6が4.0と少しずつ幅が減ってきてはいるのだと思いますけれども、雇用環境が上がってきていますし、着実に改善はしているのだという感じはしますので、消費関連の指標というのは引き続き弱い動きが出ているとは思いますけれども、景気の動向には注視していかなければいけないところだろうなとは思います。

問)

週明けに公示となる選挙戦で争点の1つにアベノミクスが掲げられています。野党などからは円安なのに輸出が増えない、貿易赤字は続いている等の批判があります。足元の輸出額は10月まで2カ月連続増えていますが、貿易収支を所管するお立場からどのように反論されますでしょうか。

答)

これまでも言ってきましたように日本の企業がこの15年、20年の間で現地生産の比率を増やした、円高のおかげもありましたので企業進出はしやすかったという環境があったので、日本で作って輸出するより現地で作って輸出するということになってきたのが大きな理由の1つ。2つ目は新興国と言われる輸出対象国の実需、需要がかつてに比べて弱含んでいるというのも大きな理由だと思いますし、もう1点はやはり円安になったからといって物の動きを増やすことイコール日本の製品のシェアが大きくなる、その国におけるシェアが大きくなる、例えばアメリカで自動車の日本シェアが今40%ぐらいいっていますか、安くしてそれが50%になりますなんていったらまた別の騒ぎになりますから、それだったら抑えておいて、そのまま利幅を増やした方がいいと。円安のままで元の値段で輸出すれば、2割、3割下がったらその分だけ純利益になってきますからね。それで結果としてトヨタが、経常が2兆円の見込みでしたかね。そういったような数字になってくるという方向になってきていますので、それはそれなりに1つの傾向なのだと思っています。同時に考えておかなければいけないのは、円高の時に輸出して海外でM&Aだ、工場だ、子会社だといろいろ作った結果、それらの会社から日本に送金してくる、いわゆる配当、お金を貸した分の金利、利益等々を日本に送ってきた場合、円安になっていますから、その分だけ海外からの送金の額の絶対量、いわゆるGNIという、Gross National Incomeというものの絶対量が増えていくと思いますね。だから、そういったものを聞いてみると、企業の稼ぎ方が変わってきていくという点はある程度考えておかないといけないので、貿易収支というものだけではなくて、そういった所得収支というものが大きく変わって、結果として経常収支は黒字という形になっているのだと思いますので、稼ぎ方が変わってきているという点も確かでしょうし、貿易収支の赤字の大きな理由は石油の輸入が非常に大きな理由になっていますので、石油代金が上がったという分と、原油が上がったという部分と、もう1点は円安のおかげで、結果として日本は原発でやっていた電力を石油、石炭等々に切り換えていかざるを得なかったという問題がありますので、その分も貿易収支を悪くしていると思います。しかし、石油が今75ドル切るぐらい、ドバイも75ドル切ったかな、そういったところまで来ていますから、石油の値段は間違いなくこの半年間で下がってきていますので、そういったものも変わってきているとは思いますが、その分だけ円安に振れていますから、その円安に振れた分と相殺されるという点も考えたりして、いろいろなことが複雑にかみ合わさってきていますので、貿易収支等を見る時には今までとちょっと違って、輸出がどうだからどうだという単純なものではなくなってきつつあるということは頭に入れておかなければいけないとは思っていますね。

問)

今朝の閣議で衆議院選挙の費用として631億円の予備費の使用を閣議決定されたと思うのですけれども、この師走の時期に予備費を使って選挙をすること自体に疑問の声というのもあるのですけれども、この予備費の使用について国民に対してどのように理解を求めていくお考えでしょうか。

答)

私共としては、衆議院の解散というのは間違いなく総理の専管事項でもあるというのは頭に入れた上で、私共としては少なくとも総理大臣が決めて、この時期600億だ、700億だというお金がかかっていかがなものかという御意見があるというのは知らないわけではありませんけれども、当然のこととして必要な決定だったと、私共はそう思っています。

問)

本日発表の統計の1つにCPIがあるのですけれども、生鮮食料品を除いたコアCPIが2.9%上昇になっております。日銀の試算ですと消費増税押し上げの効果が2%あることを考えますと実質的には0.9%上昇ということになっていると思うのですが、これまで脱デフレの動きは順調だというふうに言われてきたのですけれども、1%を切っても脱デフレの流れは順調だと言えるのか、そして再び物価は2%に向かって上昇基調に向かっていくのかどうか、大臣の御所見をお願いします。

答)

基本的には今までの話はマイナスだったのだから、2年前の話を忘れていますよ。この20年間ずっとマイナスだったのがプラスになって、0.2、0.5、いろいろな形で上がってきていますから、そういった意味では今言われたように順調に上がってきているのだと思いますね。かれこれ歴史家がどうやって書くか知らないけれども、1989年12月の株価が3万8,900円だったものがどんと7,000円台まで下がった、あれが多分走り、土地はまだ上がっていたので92年から土地は下がったのかな、そこからデフレが始まったのだと多分歴史家は書くのだと思うけれども、それでいけば20年以上にわたってずっとデフレーションというのをやってきていますので、我々としてこの内閣に変わって2年弱ですけれども、その中で確実にマイナスからプラスになってきて、デフレという状況からは脱しつつあるということは確かだと思いますので、私共としてはそんなに急激に上げるつもりもありませんし、確実に2%の上昇率に到達していければなと、私共としてはそう思っています。

問)

今朝の新聞の報道で今後の税制改正大綱と予算編成のスケジュールについて、税制改正大綱の決定が年内にも可能ではないかと自民党の税制調査会幹部が述べているという引用がありました。その結果、予算編成を1月14日に閣議決定というようなスケジュールも出ていますけれども、今大臣がお考えになっている、あるいは予定されている日程はどういう日程なのでしょうか。

答)

それは与党税制調査会に聞いてもらわないと、与党税制調査会の少なくとも今言われた話で税制改正大綱ができないと予算編成大綱はできないというのは御存知のとおりです。税制大綱がいつ出てくるのですか、今の話でいくと。いつと書いてありますか。

問)

年内にも可能であると。これまで伝えられているのは9日ではないかと。

答)

何をネタにしてそう言っているのか分からない話で、質問に答えようがないのだけれども、予算編成の大綱を作る前に税制大綱ができないといけない。それは与党で決められる話なので、それができた上で、少なくとも年末選挙というのをやりますので、極めて厳しい状況にあるとは思っています。2年前の時は12月16日が投票日だったのですが、あの時は結果として与党から野党に、野党から与党でいろいろなことになりましたので、政権が交代したので、あの時は暫定予算を50日組んだのだと思いますね。結果として5月に予算がずれ込んだのだと思いますので、今度は野党から与党にというようなわけではないと思っていますので、そういうことになれば少なくともそういったような時間が大幅にとられるということはなくて済むと思いますけれども、与党の税調の話なので、詳しいところはその新聞の人に聞いてください。

(以上)

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