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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成26年12月9日(火)9時04分~9時23分)

【質疑応答】

問)

衆院選の応援演説に関しての発言について1点伺わせていただきます。7日に札幌市内で行われた演説で少子高齢化に伴う社会保障費増に関して、高齢者が悪いというようなイメージを作っている人が多いが、子どもを産まないのが問題だという発言があり、また6日には株高円安で収益が上がらない企業は経営能力に問題があるとの趣旨の発言をされていらっしゃいます。この2つの発言に関して、その真意を伺わせていただけますか。

答)

まず少子高齢化の話というのは、高齢者が多くてとよく話が出るけれども、高齢者が多くなるというのが問題なのではなくて、昔は6対1、勤労者6、高齢者1ぐらいの比率だったのが今は3対1、もうしばらくすると2対1になるというような状況になるので、という話をして、要は高齢者が多いのではなくて人口比率の問題なのですという話から子どもという話になったのだと思いますが、一番は子どもを産みたいけれども産めないというのはやっぱり周りの、預かり保育の話とかいろいろありますので、そういった意味では安心して子どもが産めるというような環境を作るということが大事なのだと私はそう思っていますので。政府としてやることがいろいろあるのではないかと思って、事実、福岡市はゼロにしたりいろいろしているところがありますけれども、長期的には私達の世代はともかくとして、皆さんの世代は人口減というのはものすごく大きい国力に影響すると思っていますので、これは大きな問題だと私は思いますので、いわゆる保育施設が不足しているからというのであれば、これは産みたくても産めないとかという話は、そういうことを聞かされますので、経済的事情で産めないという方々は放置できる話ではないのではないかと。政府としてはこういったことに対応していきたいと。事実、そのような方向で予算の編成もそうしていると思っています。

それから、経営に関する話に関しては、これは私、自分で中小企業を経営していましたし、石炭というようなものをやっていましたから、経営としてエネルギー革命というようなものから閉山せざるを得ないということになって、仕事としては環境状況が変化したために私共の会社が閉山、大手の炭鉱ですよ、最後まで筑豊でやったところだと思いますけれども、周りが全部閉山していって、人口減がざっと起きていった地域にいましたので、中小企業というのは厳しい経営環境にあるというのはよく承知しているところですから、我々としてはそういった経営能力というものは、少なくともデフレからインフレに、インフレからデフレにとか、また円高から円安にとか、いろいろな形で環境が変化するのに合わせてやっていかないとやっていけないのであって、当然のこととしてアベノミクスを推進していっているという状況からいきますと、金融庁の担当を命ぜられた時に、とにかく金融庁としては、中小・地域金融機関を預かっている者として、中小企業に対する融資などを担保優先主義でやるのはやめなさいと。担保だけでやっていると、いわゆるいい種、いい芽がつぶされるので、中小企業を育てるという意味から、金融庁は金融処分庁というようなイメージになっているが、金融育成庁というイメージになるように努力しなさいと、就任して最初の1月の挨拶の時にそう言った記憶があります。いずれにしても、地域経済というものを起こしていくのに中小企業というのは非常に大きな要素なので、そこに直接に近いのは金融庁、なかんずく地方銀行、第二地銀、信用金庫というようなところだと思いますので、そういった意味で、金融の円滑化ということをやっていく意味においては、一層アベノミクスをきちんとやっていかなければいけないということで、今言ったような話をまとめてしたのだと記憶します。真意というのであればそうです。

問)

昨日内閣府がGDPの7-9月期の2次速報値を発表しました。これで大方の予想を裏切って年率マイナス1.9%になりました。この結果、2四半期連続でマイナスになったわけですけれども、これは、日本は景気後退期だったのかという質問が1問目です。もう1つは、2017年4月に消費税を10%に引き上げた後の税制についてお尋ねします。1日にムーディーズが日本国債を格下げした理由の1つに、2020年の基礎的財政収支黒字化がさらに困難になるという意見を出しています。大臣は2017年4月に消費税を10%に引き上げた後に、消費税をさらに引き上げずに財政収支黒字化を達成できる可能性があるとお考えですか。

答)

最初の質問ですけれども、前期比マイナス0.5%、これは前年同期比ではないからね、分かっていると思いますが前期比ですから、4-6月期で押し上げられたら7-9月期はその分だけ逆に押し下げ効果が出ますから。そういった意味では、主な原因としては設備投資と公的な、いわゆる公的固定資本形成というのが主な内容だったと、分析するとそういうことになるのだと思いますけれども、いずれも前期比としてそうなっていますけれども、1-9月期通して見ると、前年同期比でいったらプラス0.2%ぐらいになっていますので、その意味では景気後退期に入っているというイメージは私にはありません。

それからムーディーズの話でしたね。この種の話というのは、格付け会社はいろいろありますけれども、その格付け会社がどう言ったからといって、それを一々コメントすることは、私はありませんし、2015年の目標達成という話については予算の編成過程において最大限努力していくというのを今申し上げる以外にないのですが、2020年度に関しましても、財政目標というものについては引き続き維持していかなければならないと思っていますので、2020年度まではもともと難しいという話が出ていたというふうに、10%への引き上げという話が1年6カ月繰り延べになっていますので、その状況がさらに厳しくなっているというのは間違いないと思いますけれども、それについてはこの夏、来年の夏までに具体的に検討していくと思っていますので、改善努力というのをこれからしっかり検討していかなければいけないということだと思いますね。

問)

特定秘密保護法について伺います。明日から法律が施行になりますけれども、1年たって国民への理解がどれぐらい広がっているかについてと、あと財務省として特定秘密の指定状況等、準備状況について伺わせてください。

答)

どれくらい広まっているかというのはよく分からないけれども、少なくともこの種の話で例えば選挙を回っていて、街で随分の方にお目にかかるけれども、来週から始まりますけれども、具体的な質問にあったことはないです。だから、そういった意味では、景気の話は聞かれるけれども、具体的な話というので特に恐怖感があるというような話は私のところに直接的に入ってきていることはないというのが正直な実感ですかね。それなりに理解は、時間とともに何となくというので、具体的な話が出てきた時に改めて出てくることはあるかもしれませんけれども、今の段階でそういったようなものが特に見えているわけではありませんね。

問)

財務省として準備状況などがありましたら教えていただけますでしょうか。

答)

準備状況は知りません。

問)

衆院選についてお尋ねいたします。報道各社の世論調査によりますと自民党単独で300超というような観測も出ているのですけれども、現時点、選挙戦についてどのような手応えを感じていらっしゃるかということと、後半戦を迎えるに当たってどのように戦っていかれるか、どのように主張を訴えていかれるか、改めてお願いいたします。

答)

この種の話をこの記者会見で答弁することはないです。別の時に聞いてください。

問)

冒頭の発言に関してなのですけれども、2つあります。まず1つは、子どもを産まないのが問題という件に関して、大臣のおっしゃったような真意であれば、子どもを産めないことが問題だという方が正しい表現なのではとも思ったのですけれども、不適切な表現だったという御認識はおありでしょうか。

答)

ありますね。産めないような状況、結果として産まないということを申し上げて、選挙の時ですから、時間はあと2分しかありませんというふうな状況で追われていますから、きちんと説明をするというのは少々省いてしまっているところがありますので、そこのところは、結果として産まない形になりますので、産めないから産まないという形になりますというその最初のところが私としては端折ってしまっているような感じがしますので、そこのところは、誤解を招いたという点に関しては、私共の方として手が抜けたというか、時間をかけるべきだったという思いはあります。

問)

円安というか、経営者の能力ということに関して、昨日の内閣府から出た景気ウォッチャー調査によりますと、景気の実感というのは悪化しているということが出ていたりとか、あるいは円安で資材価格が高騰しているのだけれども、それが販売価格に転嫁できなくて非常に経営が苦しいというような声もありましたけれども、こういったこともやはり経営者の能力に帰する問題だという御認識でしょうか。

答)

逆に円安になれば円安になったで、いいこともあれば悪いこともある。円高になったからその人達が良い思いをしたかというと、そうとも言えないのではないですかね。今言った円安で大変だという方で、ガソリン代の話をよくされましたけれども、最近ガソリンの値段は急激に下がって、今バレル、WTIで65ドル切ったのかな、ついこの間まで100何ドルでしたから、この半年弱で急激に下がっているのですけれども、円安がかかってきていますので、両方かけるとどうなるかという話なのだと思いますけれども、ただし円安になって景気がよくなった部分で、雇用が150万人増えているというのは大きいと思いますね。女性の雇用が50万人増えている、そういったようなものというのは総じて全体の中ではあまり言われないけれども、景気が良くなってきているから雇用が増えてきているのであって、そういったようなところは間違いなく言えることだという感じはしますけれどもね。ですから、今言われたように経営というのはいろいろな面がありますので、この面だけ見て悪いじゃないかと言われるけれども、その他の面で見て良いところというのは幾つもありますので、そういったものを総合的に判断しないと経営なんていうのはできないものだと自分でそう思って、私共の頃は世の中の高度経済成長の真最中に縮小再生産をやらされたのはお米と石炭ぐらいと当時書かれたものでしたけれども、そういうところでやっていましたので、自分でやらないとしようがないと思って経営の方針を、石炭からいろいろなものに切り換えていかざるを得なかったので、そういうことをして随分中小の企業やら何やらいっぱい自分で作ったりしましたけれども、その中で成功したものもありますし、あまりうまくいかなかったものもありますし、皆経営者というのはそういう努力をされていかれるものだと、私はそう思いますけれどもね。随分金利が安くなっていますから、そこのところは、お金は借りやすくなった、担保がないからという点に関しては担保にこだわらずにお金をという方向にもなっていますし、言われた方々にそういうところに最近行きましたかと聞いたら、いや担保がないからと言うので、なくても行っていいので聞いてみてごらんなさいといって信用金庫や第二地銀に行って、言われた通り貸してもらえたという話を聞きますから。景気がよくなってきているのだからという前提で、中小・地域金融機関が中小の企業に融資をされたり、手形をジャンプさせたり、いろいろな形での融資、または資金の援助等々ができているという面は、2年前から大分変わったという感じはしますけれどもね。

問)

為替についてお伺いいたします。先週末から1ドル、一時121円台と7年ぶりの円安になったわけですが、10月31日の日銀の金融緩和から1カ月たち、10円程度の円安ということで円安が進んでおります。改めての質問になりますけれども、日本経済に対する影響といいますか、足元の為替市場の動向も含めて、御見解をお願いいたします。

答)

財務大臣が為替の水準についてコメントすることはありません。そうずっとお答えしてきていますので、あなたに対してもそうお答えする以外に方法はありません。マーケットを注視しているのは当然です。

(以上)

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