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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成26年12月26日(金)11時24分〜11時47分)

【質疑応答】

問)

第3次安倍政権が発足し、大臣も再任されました。改めて3次政権で取り組む課題をどのように見据えていらっしゃいますでしょうか、所見をお願いします。

答)

引き続いて副総理、財務大臣、金融担当、デフレ脱却担当ということで大臣を拝命することになりましたので、よろしくお願い申し上げなければならないところだと思っています。

まず先日の総選挙、第47回総選挙において与党は3分の2を超える議席をいただいたことを踏まえて、引き続き第3次安倍内閣においても、いわゆるデフレ不況からの脱却というものを確実にして、経済再生と財政再建というものを両立させながらアベノミクスに全力で取り組んでいくということが大事なのだと思っています。

財政面で言えば、まずは平成27年度の予算の編成、また税制改正というのがありますので、全力でこれに取り組んでいくことになろうと思います。その際に社会保障の自然増を含めて、いわゆる聖域なくきちんと見直して、歳出の重点化、効率化等々に取り組むことによって来年度、2015年度までに財政健全化目標にしております、プライマリーバランスの赤字の半減を着実に達成するように努力していかなければならないところだと思っています。

既に総理が表明されておられますように、1年半延期された消費税率の10%への引き上げについては、景気判断条項を付するということをしないで平成29年4月にこれを確実に実施するということと、2020年度の財政健全化目標、いわゆるプライマリーバランスの黒字化についてもこれをきっちり堅持して、来年夏までの間にその達成に向けた具体的な計画を策定していかなければならないということだと思っていますので、その方針で臨んでいきたいと考えています。

金融面としては、1,654兆円になりました家計の金融資産が投資、そういった成長の方向に向かってこれが回っていくようにしていかなければ、いわゆる好循環の確立ということをやらなくてはいけないのですが、加えて、企業の競争力の強化、生産性の向上とか、いろいろな言い方がありますけれども、また新しく会社を起こしていく企業の促進などに向けた金融面からの取り組みをやらなければならない。加えて、中小企業、零細企業に対する資金等々、これは細目がいろいろ出てきますけれども、そういったものがデフレ不況に関連して一番しんどくなっているところでもあろうと思いますので、デフレ不況からの脱却、経済再生を支えていく上で非常に重要だと思っていますので、NISAの普及、促進、充実というのをやらなければならないと思って今進みつつありますし、企業の中からきちんと内容を見るということで、コーポレートガバナンス・コードの策定を支援していかなければいけないとか、また銀行等々、特に地銀、第二地銀、信用金庫等々を含めて、いわゆる中小零細、地方にあります企業、そういうものの中にあって金融の仲介能力というものをさらに発揮してもらうように、これは、一企業以外にいろいろなところへ融資しているところは、結果としていろいろな他企業、他業についての情報も持っているということだと思いますので、そういったところを促進してもらうようにしていかなければいけないのかなと。やらなければいけないことが幾つかあろうと思いますけれども、そういったようなことは、基本的にきちんとやっていかないと、所期の目的はなかなか達成できないと思って努力していかなければいけないところだと思っています。

問)

昨日、財制審の建議が大臣に手渡されました。建議の内容に対する所感をお願いできますでしょうか。

答)

財制審において、8月以降だったと思いますが、来年度予算における個別の歳出予算の重点化とか効率化とかということをいろいろ御審議いただいていたのですが、2020年度までの黒字化目標を達成するための基本的な考え方について御議論をいただき、昨日その建議をいただいたところです。例えば、社会保障については医療提供体制の改革の推進とか、いわゆる保険給付範囲の抜本的見直し、またサービス類型ごとの収支状況を反映した介護報酬の適正化、段階があるのは御存じのとおりなので、その見直し、また住宅扶助や冬季加算などの生活保護の適正化等、いろいろ御提言をいただいたところです。平成27年度の予算に関しては、この建議を踏まえて社会保障の自然増を含めた見直しというものと、歳出の徹底的な重点化・効率化等々を取り組むこと等を通じて赤字半減目標を確実に達成するということ、これをきちんとやらなければいけないということだと思いましたので、我々もそれに沿ってきちんと努力をしていかなければいけないところだと思っています。

問)

日本郵政の上場についてお伺いします。今日の夕方にも西室社長が上場計画を発表すると言われています。来年秋以降に3社同時上場、子会社、ゆうちょ、かんぽ生命を含んで同時上場を目指しているとされていますが、復興財源にも関係する郵政上場を大臣としてはどのように進めていくお考えでしようか。

答)

目下最終調整中ですとしか答えようがありません。迂闊なことは言えないでしょう。

問)

法人税の実効税率の引き下げについてお伺いします。来年度の引き下げ幅については2%台半ばという案が出ていますけれども、この場合、外形標準の拡大や欠損金の繰越控除の制度の見直しを行ったとしても来年度としては財源が足りないと。そうしますと先行して減税をするということになると思います。この場合、大臣はかねてから引き下げには恒久財源が必要だという考えをお示しでしたけれども、企業の競争力を高めるためには先行して減税することもやむを得ないというお考えでしょうか。また、PB半減目標についても影響を与えると思いますけれども、その点からも容認できる範囲とお考えでしょうか。

答)

法人実効税率というものを引き下げていくためには恒久的な財源が必要で、税収の上振れなんかというものを当てにするような話もありましたけれども、それは下振れするリスクも同時に抱えるわけですから、そのたびそのたびにその種の話を触るわけにはいきませんので、基本的には恒久的財源を確保する必要があるということを申し上げてきたところです。その点は今も変わっていないのですが、質問しておられる内容というのは、具体策について議論を今深めている最中で、結論を先取りするような仮定の質問に対して今ここで断定的なことを申し上げるというのはいかがなものかと思いますので、引き下げるか引き下げないかとか、財源確保に先行してとか、というような話を認めるか認めないかということなのかもしれませんけれども、今言える段階ではありません。

問)

今、経済対策は大詰めだと思うのですけれども、まず昨年の5.5兆円の経済対策を実施して、執行も年度の前半に集中させたのですけれども、結果的には7−9月期のGDPはマイナス1.9%になったという、この5.5兆円の効果がどうだったかということについて大臣はどのように分析されているかということと、それを踏まえて今度の、明日にでも決まる経済対策の効果をどのように見込んでおられるでしょうか。

答)

経済成長を刺激するという意味で補正予算という話なのですけれども、税収を見てもらうと、この2年間で何兆円増えましたか。

問)

10兆円ほど増えていたと。

答)

これまでずっと伸びなかったわけだから、それが10兆円伸びていると。そのうち半分は消費税だから、そこも計算しないと。10兆円と軽々しく言えないところなのですが、半分は消費税の増税による部分がありますけれども、それにしても5兆円の増収というのは、やっぱり2年間で増収というのはそれなりの経済刺激に効果があったというように考えるべきなのだと思いますけれどもね。

問)

今度の経済対策での効果といいますか、例えば公共事業で今クラウディングアウトがあるという議論もあるわけですけれども、今度は地域に配慮した経済対策という方向性もあるかと思うのですけれども、その効果というのはどのように見込んでおられるでしょうか。

答)

今回の経済対策というものの中において地域の消費喚起等、いわゆる景気というものの脆弱な部分というのが地域によって格差があることははっきりしていますので、そういった意味では的を絞った対応をする必要があるのだと思います。けれども難しいところは各自治体の首長さん、市長さん、町長さん、知事を含めていろいろあるのだと思いますけれども、地域の事情に応じていろいろ創意工夫というものが地方創生の中で出てきますので、そういったものをやろうとする意欲、またそれをきちんとこの地域にはこれだという創意工夫、イノベーションとかいろいろな表現がありますけれども、そういったものがあるところ、ないところ、かなり差がついてくると思います。やれやれと言っても全然その気のないところに言っても無理ですから、そういった意味では地域の中でも首長さんの意欲とか、またそれを支えてもらっている議会の対応、そんなことはうちはしなくてもいいというところもあるかもしれないし、そういったものはなかなか一概に言えないところなのですけれども、今回の地方創生の中で結構、なるほどというふうなアイデアが今日の会議の中でも幾つか出ていましたので、そういったようなものを見ながら我々としては重点的にうまくと思っているのですけれども。これは地方の首長さんなり、またそれを支えている地方の経済界なりの意欲とかなりオーバーラップしている、重なってくる部分がありますので、そこのところは我々がこれをしたらどうですか、これをやれという話と全然違いますので、地域の差が出てくる可能性というのはありますよ。これだけアイデアがあったとしても、これだけ新しいことができるようになったとしても、やろうというところではないとそれはなかなか実行に移さないので、そこらのところがちょっと難しいかなとは思いますけれども。いずれにしてもこういうのは過去に例がないと思いますので、うまく活用してもらえたらなというのが率直な感想です。

問)

このところ長期金利が非常に低下しています。大臣はマーケットの動きについては言及を避けられてこられましたけれども、発行市場でも2年物の国債が初めてマイナス金利になるなどしています。それは日銀の追加緩和に対する影響が1つとも考えられます。また、このように金利が低下していくと年末年始で海外のマーケットが動いたらどうなるのか心配ですし、それについての対策などはお考えなのかという点が1つです。

答)

今朝、瞬間でも0.3、10年物国債が0.300をつけたと思いますので、今まで0.31ぐらいが最低でしたから、それを下回るほどの金利になった、これは10年物国債の話ですから、1年物とか3年物とはまた別の話ですから、そういった意味ですけれども、いずれにしてもこの動向についてコメントするということはこれまでもありませんでしたし、これからもそういうことにコメントすることはありません。国債というものに関しては、いわゆる国債の安定的な消化が確保されるように、適切な国債管理政策というものをやっていかなければいけないのだと思いますけれども、持続可能な財政構造というものをやるためには、市場の信認というものを得ておく必要があろうと思いますので、中期財政計画に沿って引き続き財政健全化にきちんと取り組んでいくという姿勢が一番大事なのかなと思いますけれどもね。

問)

アベノミクスについて海外に大臣が説明されたのは去年4月のCSISが最初でした。その時に大臣は高橋是清大臣のタカハシノミクスと日銀の緩和のクロダノミクスという言葉を引かれています。今はこのクロダノミクスという言葉が海外投資家には評価されていて、大臣がアベノミクスの第2の矢、第3の矢はこの後企業がどう応えてくれるかしないと成功は難しいと懸念されていたように、アベノミクス自体は、今は海外の投資家の評価という点からするとまだ評価されていないのではないでしょうか。

答)

20年続いたデフレ、少なくとも世界で経験した人はいませんから。日本以外でデフレというものと直接対応しようとしている政府は少なくとも過去70年間、どこにもありませんから、そういった意味ではいろいろな評価が一時期上がってみたり下がってみたりするなんていうのはしょっちゅうの話で、別にそれをどうこうするつもりはありませんけれども、第1の矢というものは日本銀行できちんと対応できる話なので、少なくとも高橋是清という人の対応の時だってかなりの年数はかかっていますので、3年以上かかっていますから、実際には2年9カ月とかいろいろ説がありますけれども、実際きちんとした形になったのは3年近くかかったと記憶していますけれども、そういうのがありますので、そんな簡単に出てくるというわけではないのもはっきりしています。また、海外が最初にすごく評価した時、あまり高く評価しないでもらいたい、もう少し冷静に見てもらいたいと言った記憶がありますけれども。もうちょっと冷静に見ておかないといけないのだと思いますので、こういったものというのは株が上がったとか下がったとか、日々変わりますので、それではなくて、流れとか傾向とかというものが大事なのだと思いますので、今後ともそういった方向をきちんと見極めながらやっていかなければいけないのだと思いますけれども。第2の矢、第3の矢というところも、特に第3の矢は政府が景気とか経済対策をこれだけやろうとしている方向だけは、前の民主党政権と全く違ってはっきり方向性を打ち出しているわけですから、それに応えて今後ともそういった方向で行くという傾向が1年ではなくて2年、3年と続いてくるというのを見て経済界というか、実業界というものもそれに応えていくのだと思います。これは経営者なり、投資家なり、また地方の経済をやっておられる中小企業の経営者なり、そういった人達の意欲というものが大きいのであって、政府としてかなり減税を含めてやるべきことはやってきたかなと。規制緩和を含めてかなりやるべきことは大幅にやってきたかなと。さらに今それを続けようとしている部分に関してはいろいろ企業としてそこに出ていこう、その分野にさらに入っていこうとするかしないか、これはかかって企業経営者のマインド、経営意欲の問題になってくるかなという感じはしますね。

(以上)