麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成27年3月20日(金)8時37分~8時45分)

【冒頭発言】

平成27年度の予算は、現在、参議院において御審議をいただいているところですが、政府としては早期の成立に向け、引き続き最大限の努力を行ってまいりたいと考えております。しかしながら、予算の空白は許されないために関係各省庁の御協力を得つつ、暫定予算の編成作業を進めたいとの趣旨を先程の閣議にて私の方から申し上げたところです。暫定予算の期間につきましては11日間とすることとしたいと考えております。

【質疑応答】

問)

暫定予算の話なのですけれども、どのくらいの規模でしょうか。

答)

今申し上げる段階にはありません。

問)

日銀の黒田総裁が就任から2年に今日でなります。日銀が掲げた2%の物価安定目標に対して足元は原油安の影響で消費者物価の上昇率が当面0%程度で推移する可能性もあると。一方で今年の春闘では昨年を上回る賃上げが相次ぐなどデフレ脱却に向けた歩みは進んでいるという印象があります。これまでの黒田総裁の政策運営の評価と今後の手腕にどのようなことを期待するか、お考えを聞かせてください。

答)

黒田さんの評価、2%の目標というのは白川総裁の時に政府との間の共同声明でできたと記憶するのですが、白川総裁の後を受けてかれこれ2年になりますけれども、2年の間、やはりアジア開発銀行の総裁をやっておられた経験8年間、また国債の格付けがボツワナ並みと書かれた時の格付け会社に対する抗議文等を見ても、英語がきちんとしていることは確かですし、顔も広いし、この2年間、国際金融の場では大いにやっていただいたということに関して、私共として評価は高いですね。それから金融の緩和についても、その思い切った決断等、デフレからの脱却というのが安倍内閣、正確にはデフレ不況からの脱却、もっと正確に言えば資産デフレ不況からの脱却ということに関して明確にこれからの脱却が優先順位の一番ということをはっきり据えられた上での対応がぶれないところは私としては評価は高いですね。

問)

今後の手腕についてのさらなる期待というのはいかがですか。

答)

引き続き我々としては2%のインフレターゲット、目標がありますので、これに向かって引き続き努力をしていただけるものだと期待しています。

問)

AIIBについてなのですが、先週の英国に続いてフランス、ドイツ、イタリアの3カ国が名乗りを上げまして、これでG7のうち半数以上が参加を表明したことになるかと。政府内ではむしろ公正な運営の実現のためには今の慎重な姿勢というものの変更を求めている声もあるようなのですけれども、中国は参加表明については今月末を期限としています。日米が求めている運営の透明性が確保されれば参加する可能性というのもあるのでしょうか。

答)

今我々が出しているAIIBの運営、すなわち誰が融資を決定するのか等は理事会がきちんと個別案件の審査と承認を行ってくれることが一番大事なところでしょうし、審査をきちんとしてもらわないと、これまでお金を貸しているIMF、世界銀行、ADB等いろいろありますけれども、そういったところに対する影響が出ますから。そういったことは極めて重要なので、債務の持続可能性や環境・社会に与える影響を考えてきちんとやってくださいということを申し上げ続けてきたと思います。こういうことが確保されればということだと思いますが、いずれにしても外交とか経済とかそういった意味から慎重に判断をしたいと思っていますので、今の段階で申し上げられるのはそこまでです。

問)

確保されればということだというのは、確保されれば。

答)

されれば、少なくともこの中に入ってどういうやり方をしていくか、協議ということになる可能性はあると思いますが、今の段階は無回答ですから。

問)

今のAIIBについてですが、5月にアジア開発銀行の年次総会があります。ここではアジアのメンバーの47カ国と香港のうち今22カ国がAIIBの参加表明をしていますから、もちろん中国も参加するので、この総会の場を利用してAIIBについての意見調整なり何なりをするいい機会になるのでしょうか。

答)

ADB総会はアゼルバイジャンでやることになっていますけれども、そのアジェンダ、審議日程を詳しく知りませんけれども、そういったところで出てくるような段階になるのかどうか、3月末に締め切ってどういう具合になるのか、ちょっと今の段階でよく分かりませんね。

問)

チュニジアでのテロにイスラム国が犯行声明を出しましたけれども、大臣はG20でテロの資金撲滅ということをおっしゃっていたかと思うのですけれども、そのことへの改めての御決意と、そのテロ資金対策を進める上で大臣が課題と感じられていることがあればそれもお願いします。

答)

テロの話を財務省で言えば、FATFの話を聞いておられるのですか。テロに限らず、戦争とかテロとかそういったようなものに関しては金が要ります。何も無しでというわけにいきませんので、これだけ組織的に長期にわたって大がかりなテロが継続して各国で起こるというのに関しては、それは間違いなくお金の移動というものが起きていなければなかなかこういったことは出来ませんから、そういった意味ではFATFに限らず、今いろいろな意味で国際金融の中でお金の動きに関しての規制というものはちゃんとやっていかなければいけないということに関しては各国ほぼ皆その方向で事は動きつつあると思っています。

(以上)

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