麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成27年5月12日(火)8時48分~8時57分)

【質疑応答】

問)

本日の経済財政諮問会議や昨日の財政制度等審議会もそうでしたけれども、財政再建計画の取りまとめ議論が本格化してきました。2020年段階で9.4兆円の赤字が残るプライマリーバランスの改善に向けて歳出抑制の部分は議論が多く交わされていますけれども、消費税は10%実施までの予定にとどまっているなど歳入改革の議論がまだいま一つのような観点もあります。今後の議論でどういった点に期待しているのか、大臣の御所見を伺えればと思います。

答)

これまでも言ってきたことで基本は同じですよ。3つの柱で言っていたと思いますけれども、デフレ脱却による経済成長、経済再生が1つ。それによって歳入増額が見込まれますからね。それから歳出の削減、歳入改革、3つの柱を軸にして言ってきたと思いますので、それが大きく変わっているというわけではないのであって、歳出削減が重要であるということは間違いありませんけれども、歳出全般にわたって社会保障を含め聖域なく見直すということは当然のこととして必要なのですが、その他にもいろいろ合理化とか、そういったものを図っていかなければいけないというのははっきりしているのだとは思います。今そういったようなことを基本にして夏までにいろいろと計画をしているという段階だと思います。

問)

今朝の閣議で今後5年間の復興予算についての考え方が復興大臣から示されました。これまでの全額国費負担から全国共通の防災などと類似した事業については一部地方に負担させるというふうに変わりましたけれども、一般の事業も国・地方、国3分の2、地方3分の1といったような負担割合から比べるとはるかに地方負担は低い比率に抑えるという内容です。今後5年間、また国の予算についての復興予算が占める割合というのが続くことになるわけですけれども、この考え方についての財務大臣としての評価をお聞かせください。

答)

復興庁の中において集中復興期間の総括及び平成28年度以降の復旧復興事業のあり方というものを踏まえて平成28年度以降の復興事業の概算、計算というか、復興事業の規模の算出作業をするということなのであって、一番肝心なことは最初にお金があるわけではありません。復興事業がどれぐらいになるかというのは5年も経過しますので、そういったものを見て、あとどういうものが要るかという需要をまずきちんと決めていただかないと、歳出はそれに合わせてということになっていくだろうと思いますので、そこが一番肝心なところだと思いますけれどもね。少なくとも財務省としてはそれを踏まえて平成28年度以降の復興支援の枠組みというものを決定していくということになるのだと思います。

問)

11日にブリュッセルでギリシャの問題をめぐってユーロ圏の代表が集まって話し合いが行われました。一定の進展は見られたということなのですが、付加価値税の改善などが見られたということなのですけれども、最終合意はなかったということでした。IMFへの債務は支払うということなのですけれども、12日までの72億ユーロの債権の利子というのはまだちょっと不確定な状況が続いていると。こうした状況について大臣どのように思われているかということと、当然ギリシャがデフォルトのようなことになると景気への影響もあると思いますけれども、どのような話し合いの進捗を望まれますでしょうか。

答)

11日の財務大臣会合、いわゆるユーロ圏の財務大臣会合では合意は得られなかったということになっているのですが、これはこれまでもずっと繰り返しの話になってきていますので、現行の支援プログラムの下でやっているのですけれども、その現行支援プログラムの言うとおりにはならないと、ギリシャの新しい政府はそう言っておられるわけですから、そこらのところは当事者間で話をしてもらうよりほかに方法はありませんね。その結果、デフォルトになるのか、ユーロからの離脱になるのか、いろいろな選択肢はまだまだ残っているのだと思いますけれども、それによってどの程度の影響が出るかという話は、リーマンショックの時に大したことがないという意見があったけれども、リーマンショックは大したことになったではないですか。だからある種の予想は当てにならないと、私はそう思っていますから、ギリシャの話が大したことないという話が本当にそうかというのは、私はよく分かりませんね。

問)

昨日の財政制度等審議会で個別テーマになってしまうのですが、救急出動の有料化というものが財務省側から提案されました。これは救急搬送の半数が軽症者であって、なおかつ海外では重症者以外は有料化しているところが多数あると。答申はまだなのですけれども、現段階で大臣は救急出動の有料化ということについてはどのように感じていらっしゃいますでしょうか。

答)

これは昔からある話だね。例えば、あなたが酔っぱらってひっくり返った際に救急車、なんていうことで、酔っぱらいのタクシーは自分で払うのは当たり前ではないかという話はもう何十年も前からある話なので、そういった意味では歳出の合理化・徹底化というものを考えて、常識的なところできちんとした対応を今後検討されていくのだと思いますね。1つの考え方だとは思いますよ。現場へ行ったことがありますか。救急車が搬送している現場というのは外回り等で行ったことあるでしょう。どの程度のものか見たことあるでしょう。私のところも病院をやっているから、どの程度の人が来るかよく知っていますよ。だから現場を見てから判断した方がいいよ、そういう話は。

(以上)

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