麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成27年6月2日(火)9時08分~9時21分)

【質疑応答】

問)

昨日大臣に答申された財政制度等審議会の財政健全化等に関する建議について、高成長を重視してより多くの税収増に期待する諮問会議での民間議員の案を楽観的過ぎるとした上で歳出抑制を中心に収支改善を図るべきだとされていますが、改めて大臣の御所見をお願いします。

答)

昨日の建議では経済再生と財政健全化の両立を図るという観点からまずはデフレの脱却、経済再生を確実に進めて、できる限り税収増を図るとした上で、それでも残るいわゆるプライマリーバランスの赤字については歳出改革を柱として取り組むという点と、それから歳出改革の基礎となる予算編成上の歳出の規律を設けて、安倍内閣がスタートしてから過去3年間の歳出改革の取り組みを継続・強化するということと、財政健全化計画の実効性を確保するためには各歳出分野の具体的な方策を引き続き積み上げていくといったような点について御提言をいただきました。これらの提言については、諮問会議の民間議員とも基礎的財政収支の黒字化目標を堅持する、それからデフレ脱却・経済再生とか歳出の効率化とか歳入改革とか、いわゆる3本柱と言われるものの財政健全化に取り組む、それから経済再生と両立を図りつつ歳出改革を進める必要がある、といったような点で大きな相違はないと言えるのだと思っておりますので、いずれにしても財政健全化計画については6月末ぐらいまでには策定に向けて今回の提言を踏まえながらさらに議論を深めていきたいというふうに考えております。

問)

今の財政制度等審議会の建議と経済財政諮問会議での防衛費の扱い方についてお尋ねしたいと思います。今、大臣は各歳出分野についての具体的方策を積み上げる点で御提言をいただいたとありますが、この建議の中で防衛費については社会保障以外の経費という文章で、人口減少を踏まえた自然減を考慮し、これまで同様増加を前提としないという、この中に含まれるのか。

答)

防衛費というものは5カ年計画というのがありますが、あれが基本です。

問)

大臣が言われているのは中期防衛力整備計画の5カ年の枠ということですね。

答)

あれが基本です。

問)

ということは、経済財政諮問会議で今後防衛費については議論することはないのでしょうかという御質問です。なぜかと申しますと、今国会では安保法制の審議が続いていますけれども、安倍総理はこの法案の閣議決定の時の記者会見では、中期防衛力整備計画で枠がはめられているので、平和安全法制が通ってもそれによって防衛費が増えたり減ったりすることはありませんと述べていますけれども、中期防衛力整備計画の対象経費というのは防衛費の一部であるわけで、防衛費全体がどうなるかというのは経済財政諮問会議の議論に託されるのかどうかをお尋ねしたいのです。

答)

総理の言っていることと私の言っていることは表現が違うだけで、言っていることは同じことです。

問)

防衛費の総額は中期防衛力整備計画の5年間の枠内でということですね。

答)

同じことですと申し上げています。

問)

軽減税率をめぐる議論について改めてお尋ねしたいのですが、これまで大臣は、与党税制協議会の議論を見守るという御姿勢をずっと示されてきたと思うのですけれども、27日の与党の会合で財務省が3つ整理したところで、低所得者向けの配慮と逆進性緩和につながるかという部分で、いずれもバツとかサンカクとか、今出ている3案についてサンカクやバツ、つまりあまりよくないという結果が出て、法律上も軽減税率導入の場合は低所得者向けの配慮という観点ということが明記されていると思うのですが、この点について改めてどう御覧になっているかお聞かせください。

答)

基本的には、あの2つの案のうち主に軽減税率という話の方が今の与党税制協議会の方で主に論議されてきた、特に自民党税制調査会の中で議論されてきたという経緯ですけれども、それに関してはいろいろ問題点がありますということでよく新聞に書いてありましたけれども、そういった問題以外にもああいった問題があります、こういった問題がありますという点をヒアリングした結果いろいろ出てきた。なるほどという点もありましたので、その点はもう1回検討してみる必要がありますねというような話をこの間の与党税制協議会の中で出して、いろいろ皆さんがこれからあれをもとに検討されていくということだと思いますけれどもね。

問)

週末の日中財務対話についてお伺いいたします。開催すること自体は昨秋決まっているわけですけれども、改めまして3年2カ月ぶりに日中財務対話、今週末開催される意義、意味についてお伺いしたいのが1点。2点目に、具体的なトピック、どういったことを議題にしたいとお考えなのか、この2点をお願いいたします。

答)

この約3年の間、G20などいろいろなところで楼継偉氏やら周小川氏やらといろいろ話をしていましたので、1対1でやるというのが久しぶりなのであって、別に会うのは珍しいわけでもありませんからね。何を話すか、今少なくともマクロ経済とか財政とかいろいろあると思いますし、二国間とか多国間の協力とかというのもあるでしょうし、インフラストラクチャーに対する需要がアジアの中においては急激に伸びてきているという問題にどう対応するのかというような話等が議論になりますかね。主には、そんなところでしょうね。

問)

昨日、年金機構で125万件の情報が流出したという事態が起こりました。これについてパスワードの設定を職員が怠っていたことが原因ではないかというふうに言われていますけれども、今回の事態について大臣としてはどのような御所見をお持ちか。また各府省でも、財務省でどれほど個人情報を扱っているところがあるか、また国税庁・金融庁で扱っているかというのは、すみません、勉強不足なのですけれども、どういった対応策というか、点検というのを行う御予定があるかどうかをお願いします。

答)

今、財務省として個人情報流出があるという話を聞いているわけではありません。それから今の話も、個人が閉め忘れていたという話なので、それが本当かどうか、報道の話だけですから、裏が取れているわけではないので、その種の話を即鵜呑みにするわけでもありませんし、よく調べてみないとわからないところだと思っていますね。昨日、サイバーセキュリティー対策推進会議が開かれていると思いますけれども、その流出の報告があったということと、それから点検等をしっかりやらなければいけないという話があったというのは承知しています。いずれにしてもこういったような話というのは、ああいうものは早くなったし便利になったけれども、どういうふうに個人情報とか、またそれが盗まれて悪用されるとか、いろいろなことを考えなければいけないというのは前から言われていることなので、その意味ではファイアーウォールをしっかりしなければいけないとか、そのファイアーウォールにハッカーが入ってくるとか、いろいろな話は前々からある話です。ファイアーウォールができれば、それをくぐる新しいハッキングの技術が開発されてみたり、それをまたディフェンスするいろいろなものができたり、追っかけっこみたいなところがいっぱいあるのですけれども、今後ともこういったようなものは基本的に個人情報の保護という点を考えたらきちんと対応していくという努力が必要なのだということだと思いますね。

問)

先日のドイツでの会見で円安ドル高について、荒い動きという表現を使っておっしゃったと思うのですけれども、それでも引き続き為替が今円安方向に振れておりまして、今1ドル125円をつけようかという水準に到達しています。改めてこの受け止めをお願いしたいのですけれども。

答)

為替の発言を財務大臣がするということはないのですよ。だから荒い動きが見られるということを申し上げただけなのであって、今後とも市場の動きというのは注意深く見守っていかなければいけないと。何回聞いても同じ答えしかしませんから。

(以上)

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