麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成27年6月26日(金)9時11分~9時30分)

【冒頭発言】

総理から来年のG7財務大臣・中央銀行総裁会議を仙台市で開催するとの御発言がありました。御存じのように仙台は国際会議の開催経験もあり、本年の国連防災世界会議等、いろいろやっておりますし、また東北復興の象徴ともなりますことから我々としてもG7財務大臣・中央銀行総裁会議の開催地としてふさわしいところだと考えております。会議の成功に向けて、自治体はもちろんのこと、警察等、いろいろ連携をしながら諸準備に全力を挙げてまいりたいと思っております。  もう1つ、新幹線鉄道開業50周年記念貨幣のうち、100円貨幣はこれまで5路線出ていますけれども、残りの4路線の「100円貨幣」のデザイン等を定める政令を決定しております。山形新幹線、秋田新幹線、九州新幹線、北海道新幹線、これらの4路線の車両の図柄を採用しております。これまで、5路線だけで1,100万枚以上を発行しておりますので、それだけの需要あるのだと思って、結構なことだと思っています。

【質疑応答】

問)

今大臣がおっしゃったG7の件なのですけれども、仙台市で開催するということですが、この仙台市に決まった理由として、麻生大臣の思いですとかお考えというのもかなり反映されたものだったのでしょうか。

答)

これについてはいろいろな話があった時に、日本として復興を主眼になさるとか、これからの日本を考える時に、日本の何を主眼にするかという目的がありますから、日本として復興を言われるなら私はこれと思っていました。総理のほうも結構最後まで話がいろいろあったそうですけれども、基本として賢島、伊勢という日本で最古の建築様式を式年遷宮されていたり、いろいろな意味で日本ということを考えて伊勢というか、賢島に決められておるのだと思います。我々としては東北復興の象徴というような観点から仙台はいいところだと思っています。2012年のIMFの総会の際に、「防災と開発に関する仙台会合」をやっておりますし、今年3月にも国連防災会議をやったり、いろいろ国際会議をやっていますし、そういった主要国のハイレベルの会合をやるにはふさわしいところではないかなと思っています。

問)

骨太の方針の素案が先般示されまして、安倍政権も過去の取組を踏まえ、一般会計は歳出の伸びを3年で1.6兆円に抑える、社会保障費も伸びを3年で1.5兆円程度に抑えることをそれぞれ目安とする表現が入りました。与党内ではこれではキャップをはめることになるのではないかという反発の声も一部には聞こえます。大臣は財政健全化の目標の実現に向かって具体的かつ実効的なものになっているというふうに評価をされましたが、年末の予算編成に向けて、3年で1.6兆円、1.5兆円という目安に沿って歳出の抑制を最大限図っていくというお考えでありますでしょうか、お聞かせください。

答)

我々としては2020年度のプライマリーバランスのゼロという、これは国際公約に近いものがありますので、これをきちんとやらないと日本の国債の信用とか日本のこれまでの金融に関するいろいろな信頼とかを一気に失いかねませんし、国債が暴落してみたり、金利が暴騰してみたり、いろいろなことが考えられますので、2020年度というのはきちんとやっていかなければならない。そのためには消費税等、全ていろいろそれに合わせてこれまで長期計画を立ててきたので、1,000兆円にもなるような国債を一挙に1日で返しますなんていうことはあり得ないので、これまで20数年間かけて増えてきたものを20数年間以内にきちんと返せるという目的を持ってやっていかなければいけないところだと思っています。まずは2020年度の前の3年、2018年度にはマイナス1%ぐらいのものだという数値目標、それに合わせてどうするかといった場合には、数値目標を出す意味はそれに対して進捗状況をきちんと検証できるというところが一番のミソですから、我々としてはそういった数値が要りますと。それに対してキャップという話は、小泉内閣で竹中平蔵さんのいる頃にキャップをかけて、1兆円を減らすために5年間で毎年2,200億円とかというのをやっていた時代があるのですよ、毎年減らすという。我々としてはキャップをかけるという意味ではなくて、高齢化比率が純増していくのですから、それにキャップをかけて抑えるということはできませんと。したがってこの3年間も大体5,000億円程度のものを伸ばしてこの3年間やっていきましたので、引き続きこの流れで毎年5,000億円ずつ増やしていきますというのがおおよその目安ということを申し上げて、それを3年かけると1.5兆円とか1.6兆円とかという話になるというように考えられるのであって、毎年5,000億円ずつ伸ばすというのが一番のポイントというように御理解いただければよろしいのだと思いますね。どのみち今の3%というふうな成長をやったとしても、今のままで放置しておけば、5年後、税収が22兆円も伸びるという計算をしてもまだ9.4兆円足りませんという話ですから、景気浮揚によって税収が増える部分も間違いなく期待できるでしょうけれども、22兆円以上どれぐらい期待できるかなんてとても捕らぬ狸の皮算用みたいな話になりかねませんから、我々としてはきちんと歳出の方もそれなりに抑えていかないとプライマリーバランスゼロという目標は達成できないというように考えています。

問)

安全保障関連法案に関して2つ質問させてください。25日に自民党の若手議員らの勉強会、文化芸術懇話会では関連法案への国民理解が広がらない現状を踏まえまして報道機関を批判する意見がかなり目立ちまして、中にはマスコミを懲らしめるには広告料収入をなくせばいいという声までありました。講師として出席した作家の百田尚樹さんは沖縄の2つの新聞はつぶさないといけないとまで述べています。本来、言葉を尽くして説明するのがあるべき姿だと考えますけれども、こういった発言をどのようにお考えでしょうか。またもう1点、安全保障関連法案の今国会成立に向けて95日間の大幅な会期延長をすることに関しまして、山本幸三元経済産業副大臣はごり押しするようなやり方が本当にいいのかと指摘されています。政権運営をめぐる懸念も広がっていることに関しましてどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。

答)

百田さんの話は聞いたというか、どこか新聞に書いてあったので話になっていますけれども、そのとおり言ったかどうかなんていうのは、新聞に書いてあるとおり、そのまま言ったなんて思ったことは1回もありませんから、だからそういったようなことは、確認がとれていない話でコメントすることはありません。

それから会期の延長に対して、これは国会で判断されたのであって、我々がどうのこうのとそれに対してコメントということは控えさせていただきたいと思っております。我々としては95日と決められた会期の幅ですから、その中で我々として今抱えている法案は平和安全の話以外にもいろいろありますし、そういったものをきちんと対応していくためにはしっかり時間をかけて丁寧に謙虚にやっていかないといけないところだと思っています。

問)

麻生大臣、昨晩、安倍総理の御自宅に行かれて1時間以上話をされました。先程お話があったようにちょうど会期延長もされた後で今後の国会運営のお話をされたかもしれませんが、どのようなお話をされたのかというのをお聞きできればと思います。

答)

この種の話の内容を麻生太郎がしゃべることはただの1回もありませんから、今後ともありません。あなたに対してだけではなく誰に対してもないですから無駄なことはしない方がいいです。

問)

先程発表のあった仙台のG7財務相会合についてお伺いいたします。まず時期について、伊勢志摩サミットの日程は決まっておりますけれども、基本的にはその前ということで具体的な時期が決まっているかということと、仙台市のどの辺で開くかというのは非常に地元にとっても注目点だと思うのですが、場所や時期についてお話しいただければ。

答)

両方とも自治体との調整をしないといけないところなので、場所はまだ全然、決まっているわけではありません。日程についても、これはIMFとかその他いろいろ交渉しなければいけないところが、主要国プラスIMF、世銀、ECB、いろいろありますので、そういったところとの話もありますので、よく調整をこれからしていきたいと思っています。

問)

基本的には、当然ですけれどもサミットの前ということは間違いないのですよね。

答)

それもあまりきちんと決めているわけではないですね。金融がどうなっているかですよ、やっぱり。そこらのところ、いろいろなことを考えて、だって新聞を見ていたらギリシャの話は毎日変わるでしょう、昨日まとまっているはずだったのに、今朝になったらまとまっていなかったでしょう。あまり当てにならない。そういったこともきちんと詰めてやっていかないと、こういったことは時間とかタイミングというのは結構いろいろなことを考えながら、この日空いているからこれにしましょうなんていうふうな簡単な話ではないんです、みんなこれに合わせて日程を変えますから。だからIMFだ、世銀だ、いろいろなところと話をしなくてはいけないところだと思いますけれどもね。あまり近くてもあれでしょう、サミットの方に出ている人もいっぱいいるわけだから、IMFやら何やら。3日違いで日本へなんていうわけにいかないからね、それは。

問)

冒頭の骨太の方針に関連してお尋ねします。骨太の方針のもとになるのは内閣府の中長期の経済財政に関する試算ですけれども、経済財政諮問会議の来月の会合では年央試算というのが出ます。現在の中長期試算では2023年までしか試算していないことが度々取り上げられています。財務省の財政制度等審議会でも2060年までの長期試算を行って、2020年度のプライマリーバランスは財政健全化の一里塚でしかないということを去年も今年も訴えています。大臣は、この中長期試算が経済財政諮問会議で議論されるのがあと3回程度だと思いますけれども、この中で2024年以降の予測についてもすべきだと訴えることはありますでしょうか。

答)

基本的には我々は今2020年度のプライマリーバランスのゼロということを言っていますが、プライマリーバランスという、いつからこんな言葉が始まったのだか知らないけれども、基礎的財政収支という話でしょう。この基礎的財政収支には金利が入っていませんから、したがってプライマリーバランスが仮にゼロになったとしても金利は増えているわけですよ。金利を含めてきちんと借金が減っていくというような形にするためには、基礎的財政収支だけではなくて、財政収支として対GDP比がどうなるとか、いろいろな計算の方法がありますので、間違いなく減っていくという方向を長期的に打ち出していく必要は2020年度のプライマリーバランス、取り急ぎの話をここにつけただけであって、これから先のことを考えていくときちんとしたものをやっていかないといけないので2000何十年とか、長期的な方向としてはいろいろなことを考えなければいけない。ただ、経済は生き物ですから、何が起きるかわからないし、いきなりリーマンショックが起きてみたり、戦争が起きてみたり、革命が起きてみたり、いろいろしますから、そういった意味ではなかなか経済というのは予測の立てにくいものであることも確かですけれども、そういった意味で我々としては基本としてはこういった方向で借入金を減らし、国債としては信用のあるものにし、かつ日本の経済もきちんと成長させて活力を保っていくというようなことを、幾つかのことをやっていかなければいけないということですから、長期的なものは大筋としてこんなものですというのを持っていた方がいいというのは、長期的にはそうでしょうね。それはそう思います。あまりこういうのは細かくやり過ぎると、大体後で新聞記者が、あの時の数字は違ったじゃないかとか、ろくなことを言われないのですよ。だからあまり細かい数字は出しません。

(以上)

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