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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成27年7月21日(火)10時15分~10時32分)

【質疑応答】

問)

新国立競技場についてです。安倍総理が先週末、新国立競技場の建設計画を白紙に戻すと正式表明されました。デザインも含めた白紙ということですけれども果たして間に合うのか。そして今回批判の矢面になりましたコストの抑制に向けての対処方針もついでに教えてください。あともう1点、デザインについてなのですけれども、当初のザハさんの案、賛否両論ありました。大臣として私見で結構ですので、新たなデザイン、どんなものが望ましいとお考えなのか、和風の方がいいのか、ああいう斬新な方がいいのか、より質実剛健な形のものがいいのか、どうお考えなのかお教えください。

答)

よほど私が頭いいと思っているのか知らないけれども、3つも4つもまとめて聞かれてもわからないので、最初の1つをもう1回言ってください。

問)

まず1つ、間に合うのか。

答)

間に合うのか、はい。

問)

2つ目、コスト抑制、今回コストが高くなったことが批判の対象になりました。新たに改めてもう1回白紙ということですけれども、コスト抑制、どういうふうに取り組まれるのか。

答)

コストは下げます。下がらなければ意味がないです。

問)

3つ目はデザインに関して、副総理としてどんなデザインがいいとお考えなのか。

答)

最初のデザインは覚えていますか。あの最初のデザインを見て何を思いましたか。野田内閣の田中眞紀子文部科学大臣の時のものは道路を2つまたいでいたでしょう。決議を決めたのは菅内閣。デザインを決めたのは野田内閣。担当大臣、田中真紀子さんだったでしょう。道路の上にこんなものができるという許可を国土交通省が下ろしてもいないので、そういったものができるというふうなことはとても考えられないと言って、政権が代わってすぐ1月にその話が来たから言いましたよ。次にオリンピックがとれたらという話で、当時はまだとれていなかったのだから、デザインが今から間に合わないからこれでやりますという話だったので、あの時は竹田さんやら河野さんとかが来られていたので、まさか私が元オリンピック選手だからといってローザンヌまで連れていかれるとは思っていなかったので、デザインとして何か競技場、今のままではないということははっきりしていますので、今さら他のデザインは間に合わないと。それはそうだろうと言われたので、あれはあのまま出すことになった。そういう経緯だったでしょう。それで結果としてこういったものがどうですかと言われたので、物理的に国土交通省やら何やらの許可が下りるとはとても思えない。高さは周りのビルより高いというようなものなのではないですか。神宮というところは、人工林ですけれども、明治神宮の内苑等は、全部自然で循環していて東京都内では数少ない人工の自然林です。そういうところにバサバサ倒してやるというのはいかがなものですか、最小限でいくことを考えないといけないのではないか、したがって自然の中にうまくいくようなことを考えたらどうですかと言いました。私は担当ではないから、そういうものなのではないですかということを申し上げて、とれたら東京都のしかるべきものを出すというお話ができ上がっていたそうですが、その引き継ぎは行われていないと。聞かされた今の知事も知らないという話になっていて、話がさらに込み入ったという話なので、政権が交代したのと東京都側も知事が交代したのと、いろいろな理由が重なって話がごちゃごちゃして、そこに資材費の高騰、人件費の高騰等があって額が巨大に重なってしまったという結果ですけれども、どう考えても額が大き過ぎると私はそう思います。少なくとも屋根がついた形というけれども、陸上競技場というのは基本的には屋外スポーツですから、屋外スポーツに屋根、ドームの必要はありませんから、そういった意味では基本的には今の段階でオリンピックのメインスタジアムを作るというので新しくデザインを集められるのでしょうけれども、基本的には我々としてはちゃんとした、前の建物もかなり、昭和39年の時代にしてはと思いますけれども、少なくとも貴賓席に屋根がないなんていうのは、ほとんどの競技場で今ありませんから、そういった意味ではアンツーカーを9レーン、普通は8レーンなのですけれども、内側1レーンだけはみんなが走りますから、1レーンだけ余計にとってあるでしょう。そういったようなものも含めて全部きちんとやれるようなものを、何十年かきちんとした形で残せるようなものを作られるようにされるべきで、周りとうまく調和するものができるのが望ましいのではないかと思っています。デザインについては担当ではありませんので、私の個人的感想をよく聞くけれども、何の意味もない質問だから。

問)

東芝の不適切会計についてお尋ねいたします。第三者委員会が昨日会社側に、経営トップらの関与、組織的な関与があってそこは認定しました。さらに意図的に利益のかさ上げをしていたということも認定、目的でそういった会計処理が行われていたということも認定しております。大臣は常々アベノミクスの成功のためには企業収益が上がっていくためにはコーポレートガバナンスというのが非常に重要だとおっしゃっています。今回は、第三者委員会が経営体質について厳しく批判をしております、こういった企業統治がなっていないのではないかということで、この点についてどう思われるか。

答)

不正な会計処理が行われたのはいかがですかという質問ですね。甚だ遺憾ですね。コーポレートガバナンスというものをきちんとやる必要を改めて感じたという方も多いと思いますけれども、きちんとした、本当の意味でのコーポレートガバナンスというものをやっておかないと日本のマーケット、東京証券取引所というところの信頼性を失いかねるということになりかねませんから甚だ遺憾だと、そう思っています。

問)

証券等監視委員会が調査をして発覚したという経緯が今年2月にあって、今も調査されていると思うのですけれども、この場合、不適切な会計があった場合には金融商品取引法違反ということに当たるかと思います。大臣として金融庁を所管しておりますし、この後どのような対応をされるかということをお聞かせ願えますでしょうか。

答)

調査は今行われている最中というか、目下、一義的には証券取引等監視委員会で判断されるということになるのだと思いますので、今の段階でコメントすることはありません。

問)

今の東芝の問題について関連してお尋ねします。東芝は他の企業に先んじて企業の透明性の体制を作り上げた優等生とされてきました。その東芝でこうした問題が何年も続き、それが直されないまま来たということについて、大臣としては企業の開示について、今のコーポレートガバナンスの制度や証券取引等監視委員会と金融庁の連絡の体制などで十分とお考えになるか。つまり東芝以外の企業にもリーマンショック後の業績の立て直しを急ぐあまりに同じようなことが起きているかもしれないというようなことはお考えになりますか。

答)

例えば1社をもって全ておかしい、とマスコミで書いてある話が多いですけれども、これは東芝の話なのであって私達は違いますよ、ちゃんとやっているところはありますよと、多分残りの1,000何百社の上場企業はそう思っていると思いますけれどもね。それが1つですね。それから、やっぱり基本的にはこれは個別の企業における、いわゆる企業倫理の問題というのが一番の根本ですから、そこのところをきちんとやっていかなければいけないということなのだと思いますよ。しかも東芝という企業は大きな企業ですから、そういった意味ではこの問題はきちんとした対応をやってこられなかったということなのだと思いますけれどもね。企業の中においていろいろな意味で社外重役というのは非常に大きな値打ちがあるものだと思いますけれども、そういった意味でうまくそういったものを、社外重役を引き受けさせられる方も結構大変なのだと思います。そういったものをきちんとやっていくという体質というのは大切なのであって、たまたま東芝がそうだったからといって、何だたいしたことないシステムではないかというようなわけにはいかないのではないですかね。コーポレートガバナンスを入れていなくてもちゃんとやっている企業もあるとは思いますけれども、コーポレートガバナンスを入れておいた方がより信頼性が高まるという話だと思いますね。

問)

冒頭にありました新国立競技場の件についてお尋ねします。大臣は会見の場でこのテーマが出ますと、これまで疑念をお持ちだったことを繰り返し述べられております。7月2日の午後に下村文部科学大臣が大臣室を訪れて会談されています。その直後、会談の内容をお尋ねしたところ、大臣は話さないとおっしゃられましたけれども、改めてお尋ねしますが、この当時は2,520億円の総工費について了承するお考えを確認されたのか、それとも先程おっしゃられているような疑念をお伝えになったのでしょうか。

答)

個別の会談の内容について話すことはありません。ただ、基本的に言えば、もともと最初の野田内閣、田中眞紀子大臣の時は1,300億円でデザインしたのだと思います。その後、基本設計に入って1,625億円になっていったと記憶しますので、実施設計に基づいてやっていくと基本設計とは違って、またいろいろ出てくるのはよくある話ですが、驚くことはない話ですが、それにしても桁が違いますので、少々いかがなものかというのは、最初からそう思っていましたので、とてもではないけれども、政府としてこれを出せるなんていうような状況にはありませんということは申し上げました。

(以上)

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