麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成27年10月16日(金)12時00分~12時10分)

【質疑応答】

問)

軽減税率についてお伺いします。14日に総理が自民党の宮沢税調会長に軽減税率導入の検討を指示されましたけれども、軽減税率導入の是非について大臣のご所見を改めてお聞かせください。

答)

消費税の軽減税率導入については、何回も申し上げましたけれども、これは関係しておられる方々を含めて、国民の理解を含めた上で消費税率10%時に行いますという話と、それから平成29年度からの導入を目指して早急に具体的な検討を進めるという2つは、これは間違いなく与党において検討が進められているのだと思っておりますので、改めて特に言うことはありません。それから総理は、党の総裁として新しい税調会長にその点を改めて指示をされたものだと理解していますので、いずれにしても財務省としてはこれまでどおり与党の検討が円滑に進むように適切に対応していくということなのであって、与党における議論、何かいろいろあるのだと思いますので、そういったものと宮沢税調会長のリーダーシップによってきちんとまとまっていくことを期待しております。

問)

靖国神社への参拝についてお伺いします。17日から20日の秋季例大祭に合わせて靖国神社に参拝されるご予定はおありでしょうか。

答)

毎回よく聞かれますけれども、その種の質問に関して答えるつもりもありませんし、答えたこともありません。

問)

軽減税率の質問について改めてお尋ねします。今朝、自民党では宮沢税調会長のもとに幹部会合が開かれました。宮沢会長は2017年4月に確実に実施できるもの、そして事業者の負担にならないものを検討すると述べられています。この負担軽減の幅についてお尋ねしますけれども、これまでのEU型の軽減税率にしても、財務省が提案した還付ポイント制にしても、10%に引き上げたときに8%に据え置く、つまり間は2%について協議されてきたものと理解しています。今後、与党の協議の中でこれが8%に据え置くのではなくて5%に引き下げる、つまり10%に引き上げたら軽減率は5%になるような案が取り上げられたり、あるいは業界団体からそのような声が上がってきたりした時も、大臣は与党の協議を見守るおつもりなのか、それとも5%は論外だと思われるのでしょうか。

答)

税制調査会におられる方々は、この種のことに少なくともお詳しい方だと思っていますから、少なくとも5%にさらに引き下げるということになると3%下がります。その3%の財源は何ですか、財源は何にされるのかという点が一番の問題なのだと思いますね。したがって、この財源のもとは消費税ですから、これは社会保障と税の一体改革でこれまで進めてきましたので、その分だけ税収入を減らすということは社会保障も減らすということに連結していますので、そこらのところをどうお考えになるかということではないでしょうかね。それから5%に引き下げる時には、何を引き下げるのですか。こっちは8%で、こっちは5%で、とかというような話になるときには、その対象品目はどうやってお決めになるのかというところが、いわゆる線引きと言うのですけれども、これは結構難しいところなので、追加的な、事務的な手間というものがかかるということがはっきりしているのだと思います。そこをどうされるかで、やっぱりヨーロッパ型ということになったら、これは高所得者も恩恵を得ることになりますから、そこらのところの話とどうやって整合性をつけられるかということではないでしょうか。

問)

本日午前に官邸で官民対話が開かれました。民間の代表を呼んで総理からお話があったわけですけれども、総理の方からは投資拡大に向けて具体的な見通しを示してほしいというようなお話もありました。大臣は常々、企業の内部留保の蓄積について問題にされておられますけれども、今日は大臣の方からはどういうような発言をされたのでしょうか。

答)

今までと基本的に同じで、この2年間で企業の内部留保は、一昨年が24兆円、昨年が26兆円、合計約50兆、正確に言えば49兆9,000億ぐらい増えているのですが、増えている割に少なくとも、会社の中の利益で幾ら給与を払うか、労働分配率という経済学用語がありますけれども、この労働分配率はかつての70%台から今は70%を切って67%まで下がっていませんかね。そういった数字を全部お示しして、少なくとも給与を上げるか、設備投資はといえば、内部留保が約50兆増えているけれども設備投資が増えているのは数兆円ということになっている事実を考えると、というお話をさせていただいた、今までと基本的に同じことを申し上げたと思います。

問)

それに関連するのかもしれませんが、法人税率の引き下げのことでお伺いいたします。今年度の税制改正で法人税改革は2年間にわたって進めるということで、28年度、来年度に31.33%まで下がるということまでは確定しています。これに加えてさらに課税ベースの拡大などによって財源を確保して、さらに引き下げ幅の上乗せを目指すということになっています。一部報道で、20%台ということについて2017年度を目指すというような政府・与党の方針だというような話もあるのですけれども、財源のメドは立ちつつあるのかどうか、もしくは財源がなくても先行減税をするという考えについて大臣はどのようにお考えか、お聞かせください。

答)

今申し上げたように、少なくとも税金が安くなったら基本的には純利益がそれだけ増えるはずです。その増えた分でまた内部留保を増やすのですか。増えた利益でそれが配当に回りますか。増えた利益で給与を上げますか。増えた利益で設備投資をしますか。いずれもしないで、ただ内部留保を積み上げるだけというのであれば、なかなかその種の理解が得にくいと思うのが1点。それから、いわゆる財源というものの裏付けのない単なる減税ということは、今申し上げる段階にはとてもありませんので。それに代わる財源というものは、いつまでにどうやって出していただけるのかという話を聞かせていただけないと。具体的な案というものをしっかり検討しておかないといけないところだと思いますので、経済界にも関係団体、業界いろいろ違いますし、租税特別措置というものもありますので、そういったものに関係しておられる省庁もあるでしょうから、そういったところを含めて検討しなければいけないところだと思いますけれどもね。

問)

確認なのですけれども、財源がなければさらなる引き下げはないという理解でよろしいですか。

答)

ありません。

(以上)

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