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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成27年12月25日(金)10時55分〜11時17分)

【質疑応答】

問)

2015年の経済財政運営についてお尋ねします。麻生大臣は明日でたしか財務大臣就任丸3年だと思いますけれども、この3年目の今年は、株価が2万円台に一部回復したり、GDPの成長率がプラスだった時もあればマイナスだった時もあったり、年末は消費税の軽減税率制度の議論が激しくあったりと様々な課題があったと思うのですが、経済財政運営としてこの2015年を大臣はどのように位置付け、評価されますでしょうか。それと併せてアベノミクスも新しい3本の矢が掲げられて来年を迎えるわけですけれども、来年に向けた抱負も聞かせてください。

答)

2015年で丸3年、3年前の12月16日に選挙、26日が組閣ですかね。かれこれ丸3年たったということなのだと思いますが、この3年間でデフレ不況、正確に言えば資産デフレ不況からの脱却というのを選挙の公約に掲げてスタートしています。日本銀行と交渉して、日本銀行もデフレ経済政策を間違えた、財務省も間違えていた、まず双方でこの反省の上に立ってやらないと話にならないということで、当時、日本銀行総裁と話をして共同声明を出したのがスタートで、3年前の1月でしたか、やらせていただいたのだと思います。来年度の予算が昨日閣議決定されていますけれども、税収で15兆円増収というのは景気が良いということです。そのうち消費税が6兆円あると思います。地方税を入れたら21兆円になると思いますけれども、国税で15兆円増えていて、一方で財政再建という点からいけば、新規国債発行は34兆円で10兆円減ったということですから、借金の発行というか、国債の発行を10兆円減らして、税収は15兆円伸びたという数字ですから、景気としては間違いなく堅調に立ち上がりつつあると思っています。こういうのは急に上がると急に下がりますので、確実に伸びていくというのが一番正しいし、企業も史上空前の経常利益で、その分だけため込んでいる内部留保、一昨年が24兆円、昨年が26兆円、合計で約50兆円弱、49兆9,000億円だったかな、ためている分等を給料に回してくださいと。給料が上がらないと消費が伸びないということで、労働組合の代わりみたいなことをやったわけです。給料が上がって消費が少しずつ回復しつつある、これがやっぱり定着して、今年1年だけというのではなくて、来年も伸びるという確信が持てないとなかなか財布の紐が緩まないのは当然ですから、そういった意味では今いろいろな形のものをやって、去年と今年と比べて税収が伸びているものですから、予算編成においても各役所はそこそこのところでおさまりました。これで4年連続で予算編成したことになりますけれども、今までの中で一番静かにでき上がったというのが今回の予算でした。来年は何が起きるかわからないようなものが世界情勢の中でいっぱいありますので、そういったものを考えると来年度は駆け込み需要がある程度見込まれますけれども、それが大きいと反動も大きいわけで、やっぱり経済というのは緩やかに確実に上昇していくというのが望ましいのだと思っていますので、来年の伸びが緩やかに確実にという方向で予算は編成したつもりなので、是非その方向で事が進んでいけるようにというところです。2020年度のプライマリーバランスを黒字化するというのが5年後の目標ですから、そういったところに行くためにはまだまだ越えなければいけない山がいっぱいあると思いますので、確実にそういうものをやっていきたいというように考えています。

問)

去年のお話を振り返っていただいたのですけれども、就任から丸3年たちまして、歴代内閣の中でもかなり財務大臣としての任期は長くなっている方だと思うのですけれども、就任当初から3年もやるというふうにはお考えになっていらっしゃったのでしょうか。過去3年を振り返ってみての率直な御感想などをお伺いできればと思います。

答)

4年連続予算編成をしたという人は池田勇人氏、竹下登氏の2人ではないですか、私の記憶ですけど。5年やった人はいるけれども、連続して5年やった人はいませんし、4年連続というのはたしかそのお二方だと思っていますので、長くする当てはありませんでしたけれども、その意味では長かったのだなとは思っています。経済の中でデフレという、少なくとも先の敗戦後、70年やったことのない、世界中でやったことないデフレによる不況というのをやっていましたので、これから脱却するのが優先順位の一番という意識はありましたので、断固これだけはやりたいと思っていました。総理の時も同じようなことを考えていろいろやったのですけれども、なかなか自民党に力がありませんでしたし、私自身も力がなくて途中で断念せざるを得ませんでした。その意味ではデフレ不況からの脱却には非常に強い思いがありましたので、これだけはやっておかなければいけないなと。借入金を増やせば脱却はできますけれども、借入金が増えるイコール日本の国債マーケットの中における信頼がなくなるわけですから、日本の国債の価格が下がってみたり、いろいろな意味の影響が出ますので、どの程度にやっていくか、日本がきちんと財政再建を目指しているのだという方向だけはきちんと示しておくというのがありますので、二律背反するみたいなことをやっていかなくてはいけないところが難しいところだと、それは最初からそう思っていました。安倍内閣が何年続くかなという意識がありましたけれども、安倍内閣が安定したおかげで経済にも安定が見られるということに、これは両方関係していると思いますし、特に国際金融の世界の中における日本の地位は飛躍的に上がった、一番上がったのはこれだと私はそう思います。

問)

16年度予算はでき上がったのですけれども、財政事情は依然厳しいというのは大臣が御指摘になったとおりです。国民に痛みを伴う歳出改革を行っていくためには、やはり政治の主導力というものが不可欠になってくると思います。財政を預かる財務大臣は、時には憎まれ役になるということも必要だと思いますけれども、今後も財務大臣として職務を続けていくに当たって自らの御使命というものをどういうふうにお考えでしょうか。

答)

先程のデフレ不況の脱却に最も貢献した高橋是清という方は、その後インフレになっていった時にもう1回大蔵大臣を要請されて、今はデフレではなくインフレ対策なのですと言って予算を切った。予算を増やすのではなくて予算を切った。結果として昭和11年、2・26事件で暗殺。その前、国際金融に一番詳しかった井上準之助さんも同じく5・15事件の前段階のテロで暗殺。この世界で長くやっていれば常につきまとうものなのだと。別に財務大臣に限らないと思いますけれども。大きな決断をした結果、世の中の、ということはよくある話なのだと思いますので、日本はそういった例があまりない方の国だと思いますけれども、それなりの覚悟がないと財政再建というものは、景気と連動させつつ、回復させつつというのをやろうとするとなかなか難しい綱渡りですから。ただ、日本の場合の最大の強みは国債を自国通貨で発行しているということでしょうね。したがって、日本の国債を他の国債とは一緒にしてもらっては困るので、ギリシャと同じだとか言っていた方も昔いましたけれども、そんなことは全然違うので、是非そこのところも頭に入れて、国際金融の中における日本の地位の高まりというのは極めて大きなものなのだと、これはこの3年間で一番感じるところですかね。今後とも日本としてはちゃんと財政を健全化していくという意欲をきちんと持ち続けているという姿勢は大事にしておかなければいけないのだと思います。

問)

予算と国会日程についてお尋ねしたいと思います。昨日閣議決定した当初予算案の国会提出は来月22日頃と伺っています。一方、国会は4日に召集されて大臣の財政演説と補正予算が国会に提出されて審議が始まります。ただ、補正予算は数日で審議は通常終わるものですから、当初予算の提出までの間が開いてしまいます。そうなってくると再び1月4日に国会を召集する意味合いというのを考えざるを得ません。補正予算は大臣も御説明されたとおり、需要の追加による景気対策ではないと言われましたので、一日も早い成立がこれまでの補正予算に比べると今回は薄い気がします。そうなるとどうしても衆参同日選を意識してしまいますが、大臣は先日御質問した時に解散権は総理の専権事項だと言ってコメントを控えられましたので角度を変えてお尋ねします。1月4日に国会を召集する狙いは衆参同日選の可能性を担保する以外には何かあるのでしょうか。

答)

一番大きいのは参議院の通常選挙が7月に予定されていますから、それまでの間にいろいろなものを片づけなければいけない。TPPの審議がアメリカの議会で進むかどうか分かりませんが、仮に2月に署名するとすると、事は結構急いでいることは確かだと思いますし、補正予算を1月に早々と組んで、いろいろな関連法案等を片づけるということを考えなければいけないでしょうし、予算の提出も党と調整していると思いますけれども、早めに出せるように努力をしなければいけないというところだと思いますので、なるべく我々としては早期に提出したいと思っています。同時選挙、よく聞いてくる方がいるけれども、安倍総理に聞くべきなのであって、この話を私に聞いても何の意味もないと思います。解散は総理の専権事項ですから。予算委員会を1月5日に開いたのが過去にありますけれども、この時には同時選挙ではなく、早々に選挙をする予定だったのですけれども、残念ながらリーマンブラザーズの話で完全になくなりました。とてもではないけれども日本も解散というふうなことになるとアメリカと一緒にどうにもならないというので、あの時は国際金融収縮を避けなければいけないという優先順位をとって、結果として自民党は2,700万票という票数で、小選挙区では小泉内閣に次いで2番目に多い得票だったのですけれども、自民党としては大敗した選挙でした。我々としては金融収縮で国際金融市場の破綻というのを避ける、これを優先した結果としてああいう形になりました。1月4日に開いたから衆参同時というふうに短絡的に考える必要はないと思います。

問)

郵政民営化の関係で限度額の引き上げ、ゆうちょの限度額が1,300万円、そしてかんぽの方が2,000万円というような原案が今日出されておりますけれども、金融担当大臣として、この原案についてどういうふうに御所見をお持ちでしょうか。

答)

郵政民営化委員会において、検討しておられたということで、慎重に検討した上で判断されたのだと思います。信用金庫とか第二地銀とかから、ゆうちょ銀行に預金が移るのではないかという話が非常に大きな理由で、ごちゃごちゃしたのだと思っていますけれども、やってみて、そういった状況が起きなければ起きないで、また次の時に考えればいいとか、いろいろ柔軟に考えて、ゆうちょ銀行と、地銀、第二地銀、信用金庫との間の意思疎通が、昔に比べれば随分できるようになってきているように思いますので、そういったところで資金運用とかいろいろな形のものができ上がりつつあるところも幾つかあるそうですから、そういったものがうまくいけばよろしいので、特に感想はありません。

(以上)